激安ゴルフ会員権って買っても大丈夫? 安い理由と購入の注意点とは

激安ゴルフ会員権って買っても大丈夫? 安い理由と購入の注意点とは

  • e!Golf
  • 更新日:2023/03/19

安物買いの銭失いになる!? 激安会員権の購入は慎重に

ゴルフ会員権関連のウェブサイト等を見ていると、驚くほど安い価格のゴルフ会員権を見かけることがあります。

“会員権価格10万円以下!”と書かれたゴルフ場のアクセスをチェックしてみると、都心から車で片道2時間以上かかるコースだったり、最寄りのICから30分以上もかかるコースだったり……と、安く設定されている理由がちらほら見受けられるのですが、実際のところ、こういった“激安会員権”は買っても大丈夫なものなのでしょうか。

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激安会員権購入の際には、専門家の意見を仰ぐ方がよさそう 写真:AC

「『大丈夫ですか?』と尋ねられたら『大丈夫ですよ』とはお応えしますが、個人的には、あまりオススメしませんね」と語るのは、四半世紀以上、ゴルフ会員権を専門に扱ってきた加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。

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「いくらぐらいまでの会員権価格を“激安”とカテゴライズするかにもよりますが、例えば会員権の本体価格が10万円以下、名義書換料やゴルフ場年会費(月割り)、諸経費等をすべて含んでも20~30万円以下といった物件があるとします。僕はこういったケース、やっぱりオススメしないと思います」と、きっぱり。

「“激安物件”って結局のところ、安かろう悪かろうというか……。ゴルフ会員権の“激安”には、それ相応の理由があるんです。都心から遠くて通いにくいといったアクセスの問題だけでなく、コースメンテナンスが行き届いていなかったり、ゴルフ場内部に揉めごとがあったり等々。安値で売買される会員権のゴルフ場には、ゴルファーがメンバーになることを敬遠する何かしらの理由があるわけです」

「もちろん、安い価格のゴルフ会員権がすべて悪いというわけではありません。ですが購入後、満足のいくメンバーライフをおくれる確率はあまり高くないでしょうね。メンバーライフを満喫できないのに、メンバーになる意味があるのでしょうか? せっかくご縁があって購入するんですから、『納得できないものに銭カネかけちゃダメ!』と僕は思います。低価格の理由をきちんと理解したうえで、それでもやっぱり買いたいと思われるのなら、それはもう、買われる方の自由だとは思いますけれど」

“お買い得コース”を探すなら総額50~60万円台がひとつの目安

ゴルフ会員権の需要と供給のバランスを考えれば、メンバーになる価値のある会員権ならば当然値がつくはず。だとすれば、どのくらいの価格がよいものと出会えるひとつの目安になるのでしょうか。

「最低でも、総額で50~60万円程度は必要かと。この価格帯で納得のいく会員権と出会えるチャンスはかなり限られているのが現状ですが、それなりにあるんです」と前田さん。

前田さんによると、ゴルフ場自体が安い価格で会員募集をするパターンも、たまにはあるそうです。こういったものを狙っていくという手もあるのでしょうが、売り出されるタイミングを推しはかることは、その道のプロでもなかなか至難の業。

「そうですね。こういったよい出物は、正直なところなかなかありません。総額で50~60万円台の“お買い得コース”を探すなら、関東エリアであれば都心から若干距離のある栃木、群馬あたりが狙い目。コースメンテナンスもよく、買いやすい価格の優良会員権があります。アクセス至便とまではいかなくても、インターから近ければギリギリ許容できるといったコースも、なかにはあるんじゃないでしょうか」

“お買い得コース”を購入するなら「練習環境」と「食事」にも着目!

「僕なら、千葉県にある長太郎カントリークラブ(成田市)やPGM南市原ゴルフクラブ(市原市)、イーグルレイクゴルフクラブ(山武郡)や京カントリークラブ(山武郡)あたりをオススメしますね」と前田さん。

前田さんは、比較的買いやすい価格の会員権購入を検討する場合、推しのポイントはズバリ「練習環境」と「食事」、そして「メンテナンス」だといいます。

「高額なコースであろうが、手ごろな価格のコースであろうが、せっかくメンバーになるわけですから、クラブライフを通してゴルフの腕前を上げたいと思うのは、みんな同じですよ。うまくなるには思う存分練習できる環境が必要です」

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メンバーであれば無料で使用できるアプローチ練習場を提供するイーグルレイクGC 写真提供:加賀屋ゴルフ

「会員権価格が500万円以上するような高額なゴルフ場は、コース自体が素晴らしいだけでなく、練習環境も申しぶんないのが当たり前。たまに例外もありますが(笑)。高額なゴルフ場にあって、手ごろな価格のゴルフ場にないもの。それが『アプローチ練習場を含む練習環境』なんです」

「手ごろな価格のゴルフ場で練習環境が整っているところを探すとなると、実は意外と難しい。僕が長太郎CCやイーグルレイクGCを推すのは、比較的買いやすい価格なのに、メンバー専用の練習場がとても充実しているからなんです」

さらに前田さんが注目するのが「食事」。「ゴルフに行ったら、やっぱり昼食が安くておいしいのが一番でしょ。PGM南市原GCはレストランからの眺めもよく、料理もうまいんです。同様に京CCの中華(特に酸辣湯麺)も抜群です」

「僕が今回推す千葉の4コースは、いずれもフェアウェイの美しさには目を見張るものがあります。“お買い得コース”を探すなら、「練習環境」と「食事」、そして「メンテナンス」も、ぜひチェックしてほしいですね」

“激安会員権”を目にすると、その価格ばかりに目がいき、つい見落としがちになる入会後のメンバーライフ。“激安”という文字に心動かされることなく、その先のクラブライフを視野に入れて慎重に選びたいものです。

【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん

ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(2022年は年間203回!)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。

月夜野いおり

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