自分らしく生きるための「6ステップ」とは?6月は「プライド月間」です

自分らしく生きるための「6ステップ」とは?6月は「プライド月間」です

  • tenki.jp
  • 更新日:2021/06/11

6月は世界各地で「プライド月間(Pride Month)」とされ、多様なセクシャリティを称え、LGBTQ+についての啓発を促すさまざまなイベントが行われています。
今回は、広がる性の多様性への考え方と、ミュージカル『キンキーブーツ』が伝える困難の中でも自分らしく生きるための「6ステップ」についてご紹介します。

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50年前にはじまった「プライド・パレード」

プライド月間の原点は、1969年6月28日未明に起きた「ストーンウォール・インの反乱」といわれています。ニューヨーク・マンハッタンにあったゲイバー「ストーンウォール・イン」で、警察の取り締まりに対する抗議が発端となった事件です。これを機に、当時のセクシュアルマイノリティ人権運動が盛り上がるきっかけとなり、翌年、ニューヨークで初のプライド・パレードが行われ、大規模な運動へと発展していったのです。
この動きは世界中に広がり、今では6月になると、アメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジアなど各国で、LGBTQ+を象徴するレインボーフラッグを掲げたパレードやイベントが開催されるようになりました。
日本では「東京レインボープライド」が、毎年ゴールデンウィークの時期をプライドウィークとして情報発信やイベントを行っています。
東京レインボープライド2021

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LGBTQ+に込められた「性の多様性」を考える

メディアなどで言及されることも増え、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)をあらわす言葉として広く認知されはじめている「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー」。一方で、性自認、性表現、性的指向などの観点から、LGBTがセクシュアルマイノリティのすべてを包括しているとはいえないのです。そこで注目されているのが、「LGBTQ+」という言葉です。「Q」と「+」という文字には、どのような意味が込められているのでしょうか。
「Q」の代表的な意味は、Questioning(クエスチョニング)。クエスチョニングとは、自分の性別が定まっていない人や意図的に決めていない人、模索中の人、性という概念にとらわれたくないという考えの人などをあらわしています。
もうひとつの意味が、Queer(クィア)です。「風変わりな」「奇妙な」などをあらわす言葉で、かつてはセクシュアルマイノリティに対する侮蔑語でした。やがて、当事者たちがあえて肯定的に使うことで、クィアは「生き方」や「態度」をポジティブに表現する言葉となったのです。1990年代には、性の多様性に関する新しい学問として「クィア・スタディーズ」が誕生し、クィアはセクシュアルマイノリティを包括する用語として知られるようになりました。
最後に加えられている「+」は、これらのほかにも、もっと多様なセクシュアリティが存在する、ということを意味しています。アメリカ版のFacebookには、現在58種類もの性別があります。欧米では、自分を最適に表現するセクシュアリティを自由に名乗る風潮があるそうです。自分らしく生きることは、自分自身を受け入れて、それを表現していくことなのかもしれません。

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『キンキーブーツ』のメッセージ、自分らしく生きるための「6ステップ」

『キンキーブーツ(Kinky Boots)』は、シンディ・ローパーが作詞作曲を担当したことでも話題になったミュージカルで、実話を基にした映画(2005年公開)から制作されました。2012年10月、シカゴにあるバンク・オブ・アメリカ劇場で初演、2013年にブロードウエイに進出、日本での初演は2016年です。小池徹平さんと2020年7月に急逝した三浦春馬さんのW主演で開幕した舞台は全公演が即日完売、主要キャストが続投した2019年の再演も全45公演満席で、連日スタンディングオべーションが続きました。
あらすじは、イギリスの田舎町ノーサンプトンにある倒産目前の老舗靴工場「プライス&サン」を継ぐことになった4代目社長チャーリー(小池さん)が、ロンドンで出会った美しいドラァグクイーン、ローラ(三浦さん)のリクエストで、女装した大きな男性が履いても壊れない「Kinky Boots(セクシーなブーツ)」を作ることを決意します。Kinkyとは「ねじれた」「変わった」「性的に倒錯した」といった意味があります。チャーリーはローラと共にブーツの試作を重ね、保守的な工場の従業員の反発や困難を乗り越え、ついにミラノの品評会で成功を収めます。
この作品のメッセージは、「自分自身を受け入れる」「他人もあるがままに受け入れる」。工場を継ぐのが嫌で、靴作りへの情熱も持っていなかったチャーリー。ドラァグクイーンに偏見はないつもりでも、つい人目を気にする自分にも気付きます。華やかで強気に見えるローラも、ドラァグクイーンの装いは自分のナイーブさを守るための鎧だったことがわかります。ふたりとも、父親やまわりの期待に応えようとして傷ついた過去がありました。チャーリーはローラとの出会いを通じて、お互いを受け入れて、見方を変えると違う世界が開けることに気付いていくのです。
キンキーブーツの最後を飾る曲『JUST BE〜ただなりなさい〜』のなかで、チャーリーが「プライス&サンの成功の秘密をお教えしようと思います」と観客に語りかけます。それにローラが応え、なりたい自分になるための「6ステップ」を工場のメンバー全員が歌で伝えるフィナーレで幕がおります。

★キンキーブーツの「6ステップ」
1. Pursue the truth
真実を追いかける
2. Learn something new
新しいことを学ぶ
3. Accept yourself and you’ll accept others too
自分を受け入れ、他人も受け入れる
4. Let love shine
愛を輝かせる
5. Let pride be your guide
プライドを掲げる
6. You change the world when you change your mind
自分が変われば世界も変わる
三浦春馬さんが演じたローラは、その美しさ、歌とダンスパフォーマンスに加えて、内面から表現される優しさと強さが「6ステップ」を見事に体現していました。自分を信じて、自分の人生を歩きたい。『キンキーブーツ』には、そう願うすべての人の心に響くメッセージがあります。そして、自分を受け入れたように、他人を受け入れることの大切さも伝えてくれるのです。

・参考文献
森山至貴『LGBTを読みとく』ちくま新書
「Kinky Boots」ORIGINAL JAPAN CAST【ライブ録音盤】CD ライナーノーツ
・参考サイト
アメリカン・ビュー(アメリカ大使館公式マガジン)
GQJapan

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