テスラのEV販売、四半期ベースで過去最多を更新

テスラのEV販売、四半期ベースで過去最多を更新

  • JBpress
  • 更新日:2021/04/08
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テスラ「モデルX」(写真:AP/アフロ)

米テスラは4月2日、2021年1~3月期の電気自動車(EV)世界販売台数が前年同期比2.1倍の18万4800台になったと明らかにした。四半期ベースでこれまでの最高だった20年10~12月期の18万570台を上回った。

同社は、中国工場で生産した小型SUV(多目的スポーツ車)の納車を21年1月に開始した。テスラのザック・カークホーンCFO(最高財務責任者)によると同モデルの中国での売れ行きが好調だったという。米CNBCは、1~3月期の世界販売台数は市場予想の16万8000台も上回ったと報じている。

同四半期の車種別の販売台数は小型車の「モデル3」と小型SUV「モデルY」の合計が前年同期比2.4倍の18万2780台。一方、高級セダン「モデルS」と高級SUV「モデルX」の合計は同83%減の2020台にとどまった。同四半期はモデルSとモデルXの製造をしておらず、在庫分の販売に限られた。

全車種の合計生産台数は前年同期比76%増の18万338台だった。テスラはモデルSとモデルXの新型車を市場投入する計画で、1~3月期は新しい製造装置の導入と試験を行った。「すでに量産の初期段階に入った」と説明している。

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中国・上海工場の生産能力増強

20億ドル(約2200億円)を投じて建設した中国・上海工場で生産したモデル3の一般向け納車を始めたのは20年1月だった。その後同国でモデル3の生産能力を増強するとともに、モデルYの生産ラインも構築。21年1月に中国製モデルYの販売を開始した。

モデルYは中国生産のテスラ車として、モデル3に次ぐ2車種目。モデルYも加わったことで、22年までにテスラ車の世界販売台数の4割超を中国市場が占めると、米証券会社ウェドブッシュのアナリストは予測している。

上海工場はテスラが米国外に初めて設けた「ギガファクトリー」。20年10月には同工場で生産したモデル3をドイツやフランス、イタリア、スイスなど欧州10カ国以上に輸出すると明らかにした。同完成車工場の年間生産台数は20年10月末時点で25万台。ただ、同社は最終的に50万台を生産する計画だ。

テスラの中国事業を巡っては、EV用充電器の生産を始めるとも伝えられている。中国向け充電器はこれまで米国から輸入していた。上海のギガファクトリー近くに640万ドル(約7億820万ドル)を投じ、年間生産能力1万台の充電器工場を建設中だという。

米テキサス州と独ベルリンにも完成車工場

テスラは現在、テキサス州オースティンに、カリフォルニア州フリーモントに次ぐ米国内で2つ目のギガファクトリーを建設中だ。ドイツ・ベルリンでも米国、中国の拠点に次ぐ4番目のギガファクトリーを建設しており、21年7月の稼働を目指している。

先ごろは、インド市場にも進出するとロイターなどが報じた。インドではまずモデル3を販売し、顧客の反応を見ながら工場建設の検討を進めるという。

初の通期黒字、21年以降の販売台数50%増を見込む

テスラが21年1月下旬に発表した20年10~12月期の決算は、売上高が前年同期比46%増の107億4400万ドル(約1兆1900億円)。純利益は同2.6倍の2億7000万ドル(約300億円)で、6四半期連続の黒字を達成した。

20年通期の売上高は前年比28%増の315億3600万ドル(約3兆4900億円)、20年通期の純損益は7億2100万ドル(約800億円)の黒字。上場以来通期ベースで初めて黒字となった。

20年のEV年間販売台数は確報値で49万9647台。目標としていた「50万台超」を下回ったものの、前年比36%増を達成。過去最高を更新した。今後数年のEV販売台数は平均50%の伸びで推移する見通しで、21年は50%を上回ると予測している。

20年の米EV新規登録台数でほぼ8割のシェア

テスラのEVは米国市場でも好調だ。調査会社エクスペリアン・オートモーティブと業界紙オートモーティブ・ニュースのデータを基に報じた米エレクトレックの記事によると、米国の20年EV新規登録台数は米テスラが全体の79%を占めた。テスラ車は20万561台で、19年から16%増加した。車種別の新規登録台数は1位から「モデル3」、「モデルY」、「シボレー・ボルトEV」(米GM)、「モデルX」、「モデルS」の順。上位5車種のうち4車種がテスラだった。

6位以降は「リーフ」(日産)、「e-tron」(独アウディ)、「タイカン」(独ポルシェ)、「コナEV」(韓国・現代自動車)、「ニーロEV」(韓国・起亜)の順。米国のEV販売は20年に11%伸びた。ただ、米自動車市場におけるEV比率は1.8%にとどまる。19年は1.4%だった。

世界的な半導体不足が自動車メーカーに大きな打撃を与えているが、テスラも21年1~3月期に影響を受けたとCNBCは報じている。カリフォルニア州フリーモントの完成車工場は2月、部品不足を理由に操業を2日間停止した。同工場では3月に設備の一部で火災が発生。新型コロナもあり、テスラは生産面で影響を受けたという。

小久保 重信

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