ダイハツ新型「アトレー」情報まとめ。実用燃費はカタログ値に近い、人気の売れ筋はRS【新車リアル試乗6-11 ダイハツアトレー 販売動向・燃費とまとめ編】

ダイハツ新型「アトレー」情報まとめ。実用燃費はカタログ値に近い、人気の売れ筋はRS【新車リアル試乗6-11 ダイハツアトレー 販売動向・燃費とまとめ編】

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  • 更新日:2023/01/25

■アトレーの販売動向と商品性、燃費を総まとめ・エブリイに対してどうだ?

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新型アトレー総まとめ!

アトレーのリアル試乗、第11回にして(長かった!)最終回の今回は、販売動向編と燃費の考察です。

●販売動向

ダイハツ広報の方にお願いし、新型アトレーの発表・発売から、昨年2022年11月末までの販売動向を出していただきました。

【新型アトレー販売動向データ(2020年12月20日発表・発売)】

1.販売台数(2021年12月20日~2022年11月30日)
3万1366台

2.2WD・4WD比率
約5:5

3.機種別比率

<2WD>
RS:約9割 X:約1割 アトレーデッキバン:公表せず

<4WD>
RS:約9割 X:約1割 アトレーデッキバン:公表せず

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4.ボディカラー比率
オフビートカーキメタリック:約3割
レーザーブルークリスタルシャイン:約2割
シャイニングホワイトパール:約2割

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5.人気メーカーオプション
9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ、視界補助パックが人気。

6.ユーザー層
釣り、キャンプなどアウトドアの趣味を楽しまれる方から、お仕事で使用される方まで、幅広い方にご使用いただいている。

発表・発売は2021年12月20日で、半導体不足での納車遅延がとっくに始まっており、造るほうも売るほうも先がちっとも見えない中での時期…クルマによって、でばかりか、同じクルマなのに機種によって納車時期が異なるという状況下にあっては、期間と数字を見ただけで「売れている」「売れていない」と判断することはできなくなりました。

それを踏まえて(いるのに)いわせてもらうと…

約1年というよりも、11か月強ですが、販売台数が3万1366台というのは、この時期のこの種のクルマとしては売れているほうだと思います。前にも書きましたが、2021年12月のアトレー以前、以後に出てきたクルマでもアトレーほど見かけないクルマがある中、ハイゼットカーゴも含め、街ですれ違うことの少なくないクルマです。

全国軽自動車協会連合会(通称・全軽自協)の数字を見ると、アトレーのワゴンモデルを廃止し、商用カテゴリーに移行したことは正解のような気がします。

というのも、コンペティターであるエブリイシリーズと販売台数を比較すると、旧型時代の2021年アトレーワゴンが4250台であったのに対し、エブリイワゴンは1万7053台と、ケタが違うほどダイハツが惨敗しています。

ところがバンともなると、末期モデルであるにもかかわらず、ハイゼットカーゴが7万台近い6万9132台であるのに対してエブリイバンは5万9506台と、1万台近い差でスズキを上まわり、アトレーモデルチェンジ後の2022年1月から11月に至っては全月連勝、ハイゼットカーゴ8万7458台に対して5万7275台と、スズキが思いっきり後塵を拝しています。

エブリイシリーズは2015年2月の発売なので単純比較はフェアではないのですが、売れていないならアトレーはワゴンを廃止し、いっそ商用カテゴリーに移してアウトドア志向も加味した商品力で勝負をかけようとしたのなら、いまのところ吉と考えてもいいでしょう。

★メーカーコメント

発売から約1年が経過した現在も販売は好調で、多くのお客様にご使用いただいて大変有難く思っており、今後もお客様に寄り添い、ニーズに合わせたクルマをご提案していきたいと思っております。

●エピローグ

筆者は新型アトレーが出た当初、商用バン1本化作戦に出た新型アトレーをナメていました。エブリイワゴンと旧アトレーワゴン…ワゴン同士でこれほどの大差があったとは思いませんでしたが、軽自動車メーカーのトップ同士なら、ワゴンのまま仕切り直して真っ向勝負に出なさいよと思ったものです。

モデルライフの差を無視するのはエブリイワゴンには気の毒ですが、現時点ではアトレーの勝ち。

考えてみれば、アトレーがACCにアダプティブ配光のLEDランプ、車線逸脱にハンドルアシスト機能も備えるのに対し、エブリイワゴンは自動ブレーキや前後誤発進抑制、車線逸脱、ふらつき、先行車発進の報知は備えるものの、ハイビームは2段式、ランプもいまだディスチャージ式にとどまっています。ACCどころか、単なるクルーズコントロールもなし…いまどきの要請を満たす安全&便利デバイスは、エブリイのほうが全体的に遅れているわけです。

アルト試乗の最終回でも書きましたが、筆者は安全デバイスの効用性は認めながらも、ACCなどの使用頻度と価格をてんびんにかけ、場合によっては価格が安いほうを選びますが、安全デバイスは新しいほど商品力が高いに決まっています。

今後、安全デバイスの充実度は中古車査定額をますます左右していくでしょう。

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エブリイワゴンの計器盤。

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エブリイワゴンもじっとしていられなくなる。写真は最上級PZターボスペシャルで、車両本体価格は178万3100円

最上級機種同士の車両本体価格を比べると、エブリイワゴンPZターボスペシャルの178万3100円(2WD・4AT)に対してこちらアトレーRS(2WD・CVT)は167万2000円…これだけ安全デバイスに差がありながら、アトレーのほうが11万1000円安いときた(どちらも税込み)。

要するに、排ガス規制などが甘い商用カテゴリーに移行して低価格化できるマージンを安全デバイス充実に振り向け、さらにライバルより11万1000円安にまで抑えた挙句の167万2000円なのです。なるほど、ライバルより安全デバイスが進んでいて11万円も安いなら、筆者だってバン化によるリヤシートスライド&リクライニングなしに譲歩してアトレーを選びたくなります。

このアトレーは、筆者から見ると、買わない理由と買う理由とが同居する、実に惜しいクルマでした。

試乗本編の繰り返しになりますが、買わない理由はフロントシートの背もたれ角、ルームミラー位置の不満。買う理由はとライト性能のすばらしさ。

フロントシート角が、いちばん最初の固定角でも寝かせ過ぎ。同時にルームミラー位置が高すぎる。運転中はこの2点に必ずつきあわなければなりません。

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斜め前方への照射に冷淡なクルマが多い中、非常に役に立ったサイドビューランプ。これだけでアトレーを買いたくなる

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上4つのハイビーム配光も巧みだった

その傍ら、いつもこの「リアル試乗」でライトのLED化に反発している筆者でさえ、その自説を彼方に追いやったほど、アトレーのLEDライトの高機能ぶりに感嘆。いま旧ジムニーシエラに乗っている筆者がもしセミキャブ軽1BOXを検討するとしたら、このライトほしさでスズキから人生初のダイハツに乗り移るでしょう。11万1000円も安いのだから選ばない理由はありません。

このふたつの要素で新型アトレーを買い控えたひと、買ったひと、それぞれいると思いますが、この時期にしてせっかく売れているクルマなら、このシート角やルームミラー高さについては大急ぎで対応しないともったいないと思うし、実際この声は開発側に届いているようです。

改良された暁には、再度アトレーを採り上げたく思います。

クラス初のCVTのカタログ燃費は、アトレー全車、2WD、4WD問わず、ともに14.7km(WLTC総合)。最重量級のアトレーRS4WDは1トンを超える1020kgで、660ccにとってはつらいのは理解するにしても、最初、いまどきなら17~18km/Lあたりまで届いてくれよと思ったものです。

ところが…続きはしんがりの「燃費報告」の項で。

さて、アトレーがここまでくると、競合のスズキがだまっているはずがありません。追って出てくるであろう次期エブリイシリーズでどう巻き返してくるのか。

いまやこのカテゴリーは、事実上、アトレーとエブリイだけになってしまいましたが、軽セミキャブ1BOXの利便性を捨てられないファンは少なくありません。ミラやアルトと同じ専有面積でこれだけ広い室内を持つクルマを造っているのは日本だけ、いや、ダイハツとスズキだけ。

みんなで大事にしていきたいものです。

次回は…まだ決まっていません。

新年のお楽しみということで。

(文:山口尚志モデル:城戸ひなの 写真:山口尚志/ダイハツ工業/スズキ)

【燃費報告】

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おもしろい燃費結果が出ました

今回は都合上、給油を2回行いました。

本来、この「リアル試乗」で決めている試乗ルートをひとめぐりする間に燃料を維持しなければならないところ、赤城山走行終了時の燃料残量で臆病風に吹かれ、給油をしたためです。そのおかげでおもしろい結果が出たので、今回はふたつに分けて掲載します。

■1回目給油
★燃費:13.3km/L(カタログ燃費:14.7km/L(WLTC総合))
★走行距離:246.3km(給油量・18.53L)

【経路内訳】
一般道:東京都練馬区~新宿区~江東区、群馬県前橋市・高崎市内 計131.5km
高速道:首都高11号線・台場IC~都心環状線C1左まわり~5号池袋線・早稲田IC 計13.8km
関越自動車道 下り:練馬IC~北関東道・前橋南IC 計90.3km
山間道:赤城山1往復 計32.2km

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■2回め給油(ほぼ高速のみ)
★燃費:15.6km/L(カタログ燃費:14.7km/L(WLTC-H高速道路モード))
★走行距離:184.8km(給油量・11.88L)

【経路内訳】
一般道:群馬県伊勢崎市、前橋市、東京都練馬区内 計19.6km
高速道:北関東道・前橋南IC~関越自動車道下り・昭和IC、昭和IC~練馬IC 計165.2km

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■1回目+2回めのトータル値
★燃費:14.2km/L(カタログ燃費:14.7km/L(WLTC総合))
★総走行距離:431.1km(総給油量は30.41L)
★試乗日:2022年12月18(日)~19(月) 期間中、晴れときどき雨、クーラーはほとんどOFF、ほとんど2WD走行、そしてほとんどアイドリングストップはOFF(停車時でもエンジン停止しない。)。

【所感】
1回目給油のカタログ燃費(WLTC総合)に対する達成率は約90.5%。2回目給油では、給油スタンドから高速入口、高速出口からスタンドまでの19.6kmを含めて約106.1%(WLTC-H高速モードに対し)と、カタログ値を上まわった! トータルではWLTC総合に対して約96.6%。

本文では新開発CVTの割にカタログ燃費値はいまひとつと書いたが、通例ならカタログ値に対する乖離が2割減になるところ、他のリアル試乗のときとおおかた同じルート、走り方をしたにもかかわらず、全体でカタログ値に限りなく近づき、ましてやほとんどの間、アイドリングストップOFFで走った(青信号発進や右折発進のタイミング遅れが嫌なため)のにもかかわらず90.5%とは…こと高速走行ではカタログ値を超えたのに驚いた。見かけ上のカタログ値が良くても乖離が大きければ意味がないわけで、ほどほどの値でもそれに近い実用燃費を稼ぎ出せるほうががっかり感は少ないことを実感させる新型アトレー&新開発クラス初のCVTであった。

燃料タンク容量は38Lで、1回め給油量は18.53Lで、そのときの残量は19.47L、燃料計上の残量は3/8ほど。続く2回めは同じく11.88L、残量26.12Lで、メーターは5/8ほどを指示。総給油量は30.41L…計算上、何も臆病がって2回め給油をする必要はなかったというオチでした。

【試乗車主要諸元】

■ダイハツアトレー RS(3BD-S710V型・2021(令和3)年12月型・4WD・CVT・レーザーブルークリスタルシャイン)

●全長×全幅×全高:3395×1475×1890mm ●ホイールベース:2450mm ●トレッド 前/後:1305/1300mm ●最低地上高:160mm ●車両重量:1020kg ●乗車定員:2名(4名) ●最小回転半径:4.2m ●タイヤサイズ:145/80R12 80/78N LT ●エンジン:KF型(水冷直列3気筒DOHC・インタークーラーターボ) ●総排気量:658cc ●圧縮比:9.0 ●最高出力:64ps/5700rpm ●最大トルク:9.3kgm/2800rpm ●燃料供給装置:EFI(電子制御燃料噴射) ●燃料タンク容量:38L(無鉛レギュラー) ●モーター:- ●最高出力:- ●最大トルク:- ●動力用電池(個数/容量):- ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):14.7/13.3/15.7/14.7km/L ●JC08燃料消費率:19.0km/L ●サスペンション 前/後:マクファーソンストラット式/トレーリングリンク車軸式 ●ブレーキ 前/後:ディスク/リーディングトレーリング ●車両本体価格:182万6000円(消費税込み・除く、メーカーオプション/ディーラーオプション)

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山口 尚志

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