「価値わかる人いない」審判員語る羽生結弦4回転半への懸念

「価値わかる人いない」審判員語る羽生結弦4回転半への懸念

  • 女性自身
  • 更新日:2021/05/03
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4月17日、国別対抗戦のエキシビション前日の公開練習で4回転半ジャンプ(4回転アクセル)に挑戦した羽生結弦(26)。

誰も成功させたことのない4回転半は、羽生がずっと「跳びたい」と話してきたものだった。公の場での4回転半練習は’19年12月の海外での公式練習以来で、国内での披露は初。今回は12本挑戦したが、回転が抜けるか転倒するかで1度も成功しなかった。

それでもフィギュアスケート評論家の佐野稔さんは「完成度は70?80%くらいでは」と本誌に分析。元フィギュアスケート選手で、現在は解説者や指導者として活躍する本田武史さんも「完成度は7割くらいですかね」と語るなど、期待を抱かせる内容だった。

試合での成功を見られる日が心待ちにされるが、あるフィギュアファンは4回転半の試合での扱いについてこんな話を――。

「ファンの間では“4回転半の基礎点が低すぎるのでは”とささやかれています」

4回転半の基礎点は、ISU(国際スケート連盟)によって12.5点と規定されているが、

「4回転ルッツが11.5点で1点違い。4回転のなかで比較的いろんな選手が飛ぶジャンプの一つであるトウループでも9.5点で、4回転半とは3点の違いしかありません。4回転半の基礎点はやはり低いのではないかという感覚はありますね」(本田さん)

元五輪代表で現在は日本スケート連盟のナショナル審判員でもある小川勝さんも、「もっと高い点数をつけていい」という意見。

「基礎点を決めている人のなかに、まだ誰もやっていない技術の価値がわかる人がいないのでしょう」

■ルッツとたった1点差…それでも4回転半に挑む理由

試合で跳んだときに、特別に高く評価されるわけではない現状。それでも挑み続ける理由を、あるフィギュア関係者はこう話す。

「“いちばん好きなジャンプであるアクセルを極めたい”という純粋な思いが一つにはあると思います」

さらに、「フィギュア界への影響も考えているのでは」と続ける。

本誌は前号で、デジタル技術を使った採点制度の導入を提言した羽生の早稲田大学の卒業論文が、学術誌に掲載されたことを報じた。

論文では“稚拙なジャンプ”を跳ぶ選手、すなわち離氷しない状態で回転数を稼いでから跳ぶ“ごまかし”をするスケーターの存在について触れているが、

「現役の選手がそのような指摘をするのは覚悟のいることです。自分も中途半端なジャンプを見せるわけにいかなくなりますから。

4回転半を成功させることで、“自分は4回転半でも完璧に跳んだ。スケーターは完璧な演技を目指すべきなんだ”と見本を示し、ごまかしが横行するフィギュア界を改革したい、という思いがあるのではないでしょうか」(前出・フィギュア関係者)

オフシーズンに入った羽生。4月22日のアイスショー「スターズ・オン・アイス」の公演後、次のようなコメントを発表した。

「一からまた(4回転)アクセルを作り直して、ちゃんと“羽生結弦のジャンプだ”って思ってもらえるようなジャンプにして、来シーズンに向けて頑張っていきたいなっていうふうに思います」

“これが羽生結弦のジャンプだ!”と胸を張れる日まで、闘いは続く。

「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載

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