
中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺の大門。(資料写真、太原=新華社配信)
【新華社太原11月21日】中国山西省太原市に明代の崇善寺がある。明初に晋王として現在の山西省一帯に封じられた洪武帝(朱元璋)の三男、朱棡(しゅ・こう)が母の馬皇后を弔うために建てた。現在は全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財)に指定されているが、地下水位の上昇により明代から残る主要建築の大悲殿に傾斜や沈下、柱脚の腐食、壁の剥落などの被害が発生し、文化財保護の専門家らが修復を進めている。
同省古建築・彩塑壁画保護研究院の路易(ろ・い)院長によると、大悲殿の柱は最大で23ミリ沈下し、25.6ミリのずれが生じていた。地下水位の測定では地下2メートル前後で水が出たことから「水害」が傾斜や沈下の主な要因と判明した。

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の観音菩薩像。(3Dスキャン画像、資料写真、太原=新華社配信)
専門家らはワイヤーで建物全体を北側に引っ張ることで傾斜を修正。腐食した柱脚は、外側を新たな木材に取り替えて鉄のたがで締めつけ、内側はつけ根に厚い石を置くことで湿気による侵食を防いだ。建物の湿度を下げるため通気口も増やした。
殿内に安置されている金箔貼りの大型泥塑菩薩立像3体は仮設の覆いで保護。修復作業の影響を低減するとともに、今後の塑像修繕に向けた作業場所を確保した。(記者/王学濤、唐詩凝)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿で屋根を修繕する文化財保護職員。(9月25日撮影、太原=新華社記者/王学濤)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺で大悲殿を測量する文化財保護職員。(9月25日撮影、太原=新華社記者/王学濤)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の普賢菩薩立像。(資料写真、太原=新華社配信)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の千手千眼観世音菩薩立像。(資料写真、太原=新華社配信)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺の大悲殿。(資料写真、太原=新華社配信)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の文殊菩薩像。(3Dスキャン画像、資料写真、太原=新華社配信)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の普賢菩薩像。(3Dスキャン画像、資料写真、太原=新華社配信)

中国国宝級寺院の崇善寺、地下水被害で修復作業 山西省太原市
崇善寺大悲殿の千手千鉢文殊菩薩立像。(資料写真、太原=新華社配信)