娘の結婚、息子の教育......批判されてばかりの「秋篠宮家」、そんなに悪いの?――2019年 BEST5

娘の結婚、息子の教育......批判されてばかりの「秋篠宮家」、そんなに悪いの?――2019年 BEST5

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/05/23

過去に文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。皇室部門の第5位は、こちら!(初公開日 2019年12月22日)。

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眞子さまの自由恋愛、佳子さまの人生模索、紀子さまの孟母のようなご活躍……娘の結婚、息子の教育……批判されてばかりの秋篠宮家。「でも、何が悪いの!?」。そんな疑問を持つ2人の論客が徹底討論する。

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皇室ジャーナリストの山下晋司さん(左)、国際政治学者の三浦瑠麗さん(右)

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たとえ皇族であっても、お2人の合意があれば結婚できる

――令和になって天皇皇后ご夫妻の人気が上昇する一方で、秋篠宮家へのバッシング報道が続いています。きっかけとなったのは、2018年2月に発表された眞子さま(28)の「2年間の結婚延期」です。父親として対応が注目されている秋篠宮さまは、19年11月30日の54歳の誕生日に際しての会見で、「次の2月で2年経つわけですね。何らかのことは発表する必要がある」とおっしゃいました。一方で、小室さんは21年まで帰国しないとの報道もありましたが、お2人はこの問題をどうお考えになっていますか。

山下 眞子内親王殿下のご結婚は、たとえ皇族であっても、私たちと条件は同じです。憲法第24条「婚姻は両性の合意のみに基いて成立」の規定通り、お2人の合意があれば結婚できる。私はこの問題については、眞子内親王殿下ご自身がどう判断されるか、それに尽きると思っています。

三浦 そうですよね。私はお2人の関係について、特に意見はありません。というのもお相手の小室圭さんという方を直接存じ上げないので、論評しようがない。眞子さまについても同様です。ただ、この問題に対する世の中の意見には、色々と言いたいことがあります。

山下 確かに、17年12月に『週刊女性』が小室さんの母親・佳代さんと元婚約者との金銭トラブルを報じて以来、マスコミの書きぶりは酷くなる一方ですね。

三浦 記事を見ると、小室さんへの反感を煽っているポイントは2つあると思うんです。1つ目は、小室家の上昇志向が強すぎるというもの。これはお母さまが、息子をインターナショナルスクールに通わせたり、米国に留学させたり、「身の丈に合わない教育を授けている」というトーンです。私は親の愛ゆえだと思うんですけれど。お母さまがブランド志向で、ミーハーだとかいう批判も書いてありますね。

2つ目は、小室家が貧乏だとか、小室さん自身の収入が少なくて内親王と結婚するにはそぐわないとか、「家格の違い」を批判するものです。

山下 小室さんはICU(国際基督教大学)卒業後、就職した三菱UFJ銀行を2年弱で辞め、その後は一橋大大学院に通いながら奥野総合法律事務所のパラリーガルをされていましたが、その年収が低いのではないかと報じる記事もありました。

結婚に反対しないと場がしらけてしまう

三浦 収入が低い人と結婚するのはそもそも悪いことなのでしょうか。しかも、小室家は普通のミドルクラスです。また、小室家のように早くに夫を亡くした母子家庭であれば、外からは分かり得ない相当な苦労があったはずです。専業主婦だったお母さまが、正社員として就職することは困難でしょう。

もしも、男性が早くに妻を亡くして男手1つで子供を育てあげたら、たとえ籍を入れてない女性がいて、子育てや親の介護を手伝わせていたとしても、むしろ美談です。逆をやると、女は悪者にされますね。

山下 私は、小室家報道は明らかにプライバシーの侵害だと思っています。

三浦 ええ。この問題では、日本社会に潜んでいる「差別感情」や「女性憎悪」が、まるで正当なものとして表に出てきてしまっているんです。識者のコメントを見ても、それぞれの方の人となりが表れています。

山下 メディアもそれを望んでいるんでしょうね。たとえば批判的な論調で盛り上がっている場で、私が先ほどのように「ご本人が結婚したいのなら、されればいいんじゃないですか」と発言すると、一気に場がしらけてしまいます(苦笑)。

結婚について、日本がいかに古い価値観に縛られているか

三浦 小室家への反感には、アイドル的な存在を引きずり降ろそうとする感情も垣間見えます。1989年に秋篠宮さまと紀子さま(53)のご婚約が内定したときにも、紀子さまが玉の輿を狙って近づいたんだという声があったそうですね。

山下 私は当時、宮内庁の官房総務課で報道を担当していましたが、一般の方から「あの人(紀子さま)はダメだ」という苦情電話を受けたことがあります。「学習院での評判、ご存知なんですか?」とガナリ立てる人もいましたね。私は「ご結婚は皇室会議で厳正に決めたことですから、問題ありません」と対応した覚えがあります。

三浦 それほど激しかったんですか。加えて、今回の件に関しては男女で異なる基準が用いられていることが気になります。紀子さまは綺麗な方です。同様に、小室さんもイケメンと報じられた。英語もできて、眞子さまを気遣う人だと言われています。

女性は収入など度外視して、外見や気遣いばかりで評価するのに、なぜ男性の場合は収入が問題となるのでしょう。ヨーロッパの王族が気働きのきく美しいキャビンアテンダントの女性と結婚しても、玉の輿と言われるだけで、これに違和感を抱く人はあまりいません。眞子さまと小室さんの性別が逆だったらと考えると、結婚について、日本がいかに古い価値観に縛られているかが分かります。

皇族として、国民の理解を得るにはどうすべきか

――ご両親である秋篠宮さまと紀子さまがなぜ事態を収拾しないのか、という苛立ちも国民にはあるようです。実際、秋篠宮さまは「娘と話せていない」ことをお認めになっています。

山下 秋篠宮殿下も、世間の批判を理解されていると思います。だからこそ、18年の誕生日会見で「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、納采の儀というのを行うことはできません」とおっしゃった。

一般の結納にあたる「納采の儀」ですが、法的には行わなくとも問題はありません。それでも皇族として「国民の理解を得てほしい」「そのためにはどうすべきか」と、娘自身に一人前の大人として、考えさせようとしておられるように見えます。

三浦 皇族に「渡る世間は鬼ばかり」的なものを投影してはいけないんじゃないですか。女性皇族は自由に職業を選べるわけでもないのに、結婚後は「一般人」として実家から独立してやっていかなければなりません。大変な人生の転換を要求しておきながら、皇室にいる間は縛るというのも変な話です。

一時金は今後の品位保持のために支払われるもの

山下 「税金である一時金を払うのにふさわしい人と結婚してほしい」という意見も多くあります。ただ一時金は国が決めることですから、本人の意思で行う結婚とは切り離して考えるべきです。女性皇族は皇籍離脱しても一生、「元皇族」として見られます。だから「今後の品位保持のためにお支払いしましょう」というのが一時金なのです。

黒田清子さんには1億5200五十万円が支給されました。これが(眞子さまを含む)内親王の限度額で、女王はその7掛けです。一生分ですから、月額で換算すれば15万~20万円程度です。

三浦 眞子さまの結婚生活が不幸せなものになってほしくないという声もあるようですが、憲法上も離婚は個人の選択の自由です。一般人だってそうですが、うまくいかなければ離婚すればいい。過去に皇族で離婚された方は、いらっしゃるのでしょうか。

山下 少なくとも1947年の新憲法施行後に結婚された方にはいらっしゃいません。また結婚して皇籍離脱してしまうと、離婚しても皇族に戻ることはできませんので、実家でご家族と暮らせないという現実もあります。

小室さんは男女平等について不見識だから批判されるのでは

三浦 小室さんについては、直接存じ上げないので論評できないと冒頭申し上げましたが、私は1つだけ理解できないことがありました。それは17年9月の婚約内定会見の時に、眞子さまが小室さんを太陽に喩えたのに対し、「私のことを月のように見守ってくださる存在」と答えたことです。「原始、女性は太陽だった」を引き合いに出すまでもなく、女性を太陽の力でのみ輝く月に喩えるのは時代錯誤ですからね。

山下 皇族を月に喩えるとは何事か、という批判の声がかなりありましたね。

三浦 いや、私は皇族だからではなく、男女平等の時代の公式会見として、いささか不見識だと思いました。逆に言うと、小室さんはそういう保守的な価値観を出してしまうからこそ、「でも稼げてないじゃないか」という批判も呼び込んでしまうのではないでしょうか。

なぜ佳子さまは「働いて当然」なのか

――姉である眞子さまと小室さんのご結婚を応援する立場を表明されているのが、次女の佳子さま(24)です。華やかな容姿もあり人気を集めていましたが、19年3月にICU卒業にあたって発表した文書で「結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思います」と述べたあたりから、世間の風向きが変わってきました。

最近は、就職も留学もしなければ、姉の眞子さまに比べて公務の数も少ないと批判的に報じられています。一方でダンスには熱心に打ち込まれ、10月にはダンス大会にも出場されました。

山下 皇室担当記者からも、宮内庁に対して「(佳子さまは)最近、何をされているんですか?」という質問が飛んでいるそうですね。

三浦 文化人の中にも佳子さまが就職をせずに、働かれないことを疑問視する人がいますが、私には何が問題なのか、よく分かりません。これまで「雅子さまは外務省で働いていたから、皇室に適応できないんだ」という批判が散々あったわけです。それなのに、なぜ、佳子さまは「働いて当然」となるのか。

ダンスがお好きなら、続けられれば良い

山下 確かに、最近は、高円宮家の承子女王殿下がユニセフの職員として勤務されていたり、眞子内親王殿下が博物館学の研究をもっと進めたい、ということでインターメディアテクに勤務されるなど、独身の女性皇族で働いている方は多くいらっしゃいます。ただ私は、佳子内親王殿下はダンスがお好きなら、このままダンスを続けられれば良いと思います。そこに報酬が発生するかどうかはどちらでもいいのではないでしょうか。

――佳子さまは幼い頃にフィギュアスケートをされていましたが、その頃は「まあ、お可愛い」と皆、目尻を下げていた。ところが長じてヒップホップダンスを始めると、「皇族なのに」という好奇の目に晒されるようになりました。ただ踊りの種類が変わっただけなのにお気の毒です。

山下 結局「働かない」というのは、皇族として国家国民のために尽くすような行動をしてないと思われてしまうんです。でも、そもそも皇族の仕事には法的根拠がありません。国民の価値観の変化によって、あり方も変わってくるものです。

もっと長い目で見守ってさしあげるべき

三浦 日本人は気が短すぎます。佳子さまはまだ20代半ば。もっと長い目で見守ってさしあげるべきです。たとえば研究者のキャリアを考えたとき、30歳までに博士号を取れたらすごいんです。35歳くらいまでは非正規の研究者。しかも、女性だと子供を産むときに立ち止まることになる。日本人は皆、焦ってしまいます。でも、同じ研究者でもイタリア人の友人などは、35歳までは海外を放浪したり色々な経験を積んで、「これからが職業人生だよ」と(笑)。

山下 海外の王族を見渡しても同様ですね。

三浦 眞子さまの話でも少し触れましたが、私は今の「女性皇族」という存在は、構造的な問題を孕んでいると思うんです。皇族でいる間は「公務」を要求され、結婚後に一般人となれば、突然、立派な稼ぎ手を選んで専業主婦をやるか、何か自立した「職業」を見つけなくてはいけなくなる。

※記事の続きは「週刊文春WOMAN 2020年創刊1周年記念号」でご覧ください。

三浦瑠麗(国際政治学者)

みうらるり/1980年生まれ。東京大学政策ビジョン研究センター講師を経て、山猫総合研究所代表。乙武洋匡氏との対話集『それでも、逃げない』(文春新書)が好評発売中。

山下晋司(皇室ジャーナリスト)

やましたしんじ/1956年生まれ。元宮内庁職員。総務課報道室では昭和天皇の崩御や、秋篠宮の結婚などを担当。現在はBSテレ東『皇室の窓スペシャル』の監修も務める。

photographs(Miura,Yamashita):Takuya Sugiyama

(「週刊文春WOMAN」編集部/週刊文春WOMAN 2020年 創刊1周年記念号)

「週刊文春WOMAN」編集部

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