日本代表戦、異例の中継なし シリア戦放送権料の高騰などが影響

日本代表戦、異例の中継なし シリア戦放送権料の高騰などが影響

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  • 更新日:2023/11/22
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日本代表・森保一監督

【ジッダ(サウジアラビア)21日=山下幸志朗】日本代表は2026年W杯アジア2次予選B組第2戦でシリア代表と対戦。サポーターの注目度も高いW杯につながる大事な一戦だが、放送権料などの条件で折り合わず、国内ではテレビ中継はおろか、ネットでの生配信すら行われない異例の事態となった。

応援したくても、応援できない。W杯予選の中継が行われないという異例の事態に、国内では落胆が広がった。

「最後の最後まで粘って交渉をしていく。変な形でチキンレースのようにお金をつり上げるとかそういうことに乗っていくつもりは全くない」

白星発進した16日のミャンマー戦後、日本協会の田嶋幸三会長はそう説明していたが、条件面で調整が難航し、最後まで折り合わなかった。日本は代表人気が高く、相手側にとっては〝ドル箱〟。そのため、高額な放送権料を要求されやすいという背景がある。だが、赤字では放送が成り立たず、テレビ局側は見送らざるを得なかった。

当たり前のように行われていた中継が岐路に立たされている。2022年W杯カタール大会の最終予選は、テレビ局が敵地での放送を断念。本大会出場を決めた昨年3月のオーストラリア戦(アウェー)も、日本協会は地上波での放送が実現するよう直前まで奔走したが、有料の映像配信サービスDAZN(ダゾーン)に限られた。

今回もギリギリの交渉は続けられていた。試合の放送権に関わるアラブ首長国連邦の代理店PRO社の最高経営責任者を名乗るユセフ氏が20日、ジッダ市内で行われた前日会見の場で取材に応じ、「先週、日本側からの契約オファーを承諾したが、2日前に破談になった」と明かした。減額にも応じる用意はあったと主張するが、中継されない事実は変わらない。

シリアが内戦下にあるため、中立地開催となったこの試合の会場がジッダに決まったのは1カ月前。あまりの遅さに田嶋会長は「ありえない」と苦言を呈していた。2週間前には試合開始時間も繰り上がるなど、ドタバタだったことも大きい。

2次予選は3月の北朝鮮戦、6月のミャンマー戦と敵地の開催はあと2試合を残すが、こちらも中継がどうなるかは不透明。日本協会は難しい対応を迫られている。

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