
ハクババレーは山並みや山麓の景色などさまざまな景観を楽しめるスポットが多い。写真は八方尾根の「HAKUBA MOUNTAINBEACH」(撮影:中西隆裕)
長野県の「HAKUBA VALLEY(白馬バレー)」は、北アルプス北部の後立山連峰の麓に広がる山岳リゾート。雪が豊富な環境からスキー場が点在し、春から秋にかけては各リゾートで自然景観を生かしたさまざまなレジャーが楽しめる。これらリゾートには3,000m級の雄々しい岩稜の山並みが間近に見える絶景スポットが豊富。なかでも山岳エリアならではの壮大さを感じられる3つのスポットと、絶景とともに味わえるグルメやレジャー情報を紹介しよう。
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■【白馬八方尾根】天空のビーチのような「HAKUBA MOUNTAINBEACH」

山にいるのに砂浜のリゾートを彷彿とさせる「HAKUBA MOUNTAINBEACH」
白馬バレーを代表する人気スキーリゾートといえば白馬八方尾根。雪のない時期でもゴンドラが運行し、標高1,400mのうさぎ平テラスまで上がり、「HAKUBA MOUNTAINBEACH(白馬マウンテンビーチ)」から白馬エリアの山並みを楽しむことができる。チェアやクッションなどが置かれたビーチラウンジは自由にくつろげる憩いの場所。ゲレンデの中腹に位置しているため開放的で、時期ごとに、新緑や紅葉の景観を楽しめる。また、眼下には山の間に沿って広がる白馬村の景色を一望できる。
■テイクアウトメニューをラウンジで味わう

ラウンジでくつろぎながら食べ応えのあるハンバーガーを味わおう
うさぎ平テラス内のカフェテリア「Yeti(イエティ)」のメニューはテイクアウトが可能。ラウンジで景色を楽しみながらゆっくり味わうのが格別だ。イチ押しメニューはボリュームたっぷりの「信州牛と国産豚のスモークチーズバーガー」。ほかにも「信州名物 山賊焼バーガー」など地元の名物を取り入れたメニューが揃う。
白で統一された爽やかなラウンジは“マウンテンビーチ”のコンセプト通り、山岳エリアにいながらビーチでくつろいでいる気分になれる非日常的な空間だ。
■山の中腹で「ととのう」体験も

標高1,400mの山の中でサウナを堪能するのも新鮮な体験
マウンテンビーチには、独立したスペースにサウナ&ジャグジーエリアも用意している。ジャグジー付きの貸切テントサウナ&ゴンドラ往復&ドリンク券付きのプランもあり、予約制で利用できる。
サウナストーンにアロマ水をかけるロウリュの蒸気によってテントサウナの中は心地よい香りに包まれ、心がほどけていく感覚がたまらない。じんわりと体を温めたらシャワーを浴びて、水風呂でクールダウン。
開放的なゲレンデを眺めながら外気浴でくつろいでいると極上の「ととのう」体験ができる。体が冷えすぎたらジャグジーで温まりながら景色を楽しめるので快適だ。
■【白馬岩岳マウンテンリゾート】白馬三山を堪能できる「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」

訪れる時期によってさまざまな絶景と出合える白馬随一の展望地
白馬バレーの絶景スポットとしてハズせないのが、白馬岩岳マウウテンリゾートにある「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」だ。ゴンドラ山頂エリアの標高1,289mに設置されたテラスは、北アルプスの絶景が広がる展望地。オールシーズン楽しめるテラスからは、訪れる季節によってさまざまな景観を見ることができる。
初夏はまぶしい新緑、秋は燃えるような紅葉、冬は凛とした冬景色が楽しめる。とくに晩秋の山が冠雪する時期は白い雪と、赤や黄色の紅葉、常緑種の緑による三段紅葉が見事。併設のカフェもあるのでドリンクや軽食を楽しみながら、ゆっくりと山岳景観を眺める快適なロケーションだ。
■「Hakuba DELI」で信州の野菜をたっぷり堪能

信州サーモンのスモークや白馬豚のローストポーク、信州野菜をふんだんに使ったメニューなど日替わりで楽しめるスタンダードプレート
ゴンドラ山頂駅の目の前にあるレストラン「Hakuba DELI(白馬デリ)」は、信州野菜を取り入れた手作りメニューが自慢。人気の「Hakuba DELI スタンダードプレート」は、日替わりで3種類のメニューから好みの一品をセレクトできる。ピクニックボックスに詰めることもできるので、リゾート内の好きな場所で味わうのもおすすめだ。ゴンドラ山頂付近は白馬村を見下ろすロケーションで、あちこちにウッドデッキやチェアが用意されている。
また、「Hakuba DELI」では、信州産の野菜で作ったピクルスや信州味噌を取り入れ素材の風味にこだわったドレッシングなど、お土産として持ち帰れる商品も多い。
■違った景色を楽しめる「白馬ヒトトキノモリ」

「チャバティ白馬」ではスコーンやティーラテのほか、オリジナルのソフトクリームを味わえる
山頂エリアからリフトで一段下がった場所にある「白馬ヒトトキノモリ」も眺望の良いスポットだ。北アルプスの山々を仰ぎながら唐松沢氷河を観察することができ、のどかな白馬村の田園風景がより近くに見下ろせる。テラスや山頂エリアとはまたちがった景観が新鮮だ。
このエリアには三角屋根が目印の「チャバティ白馬」が建ち、焼き立てのスコーンやこだわりのティーラテが味わえる。併設のテラスから景色を眺めながらティーブレイクを楽しむ時間が心地よい。
「白馬ヒトトキノモリ」にも各所にベンチやテーブルが用意されているので、ドリンクやスコーンを持ち出して好きな場所でくつろげる。
■【つがいけマウンテンリゾート】広大な高層湿地を散策できる「栂池自然園」

木道を通って湿原を散策。秋は足元いっぱいに草紅葉が広がり、周囲の木々も色づいて華やかになる
つがいけマウンテンリゾートの山麓からゴンドラとロープウェイを乗り継いでアクセスする「栂池自然園」は、中部山岳国立公園に含まれる自然豊かな環境。標高1,900mにもなる高所に日本に有数の高層湿原が広がり、約5.5kmの遊歩道を周遊しながら希少な植物を観察できる。
整備された木道を歩きながら点在する複数の湿原をめぐることができ、天気の良い日は湿原の向こうに白馬三山などの後立山連峰の山並みを見ることができる。自然園の最奥にある展望湿原まで行けば、白馬岳の大雪渓をより近くから見ることができる。奥まで行かず、入場口から近い「みずばしょう湿原」や「わたすげ湿原」を周遊するだけでも自然景観を十分楽しめる。
高山植物の宝庫である園内は、雪解け時期のミズバショウの群生からはじまり、初夏に向かってチングルマやニッコウキスゲなど多種多様な花がリレーをするように次々と咲いていく。秋の気配が近づくと、木道の周囲に草紅葉が広がり、10月初旬は周囲の木々が色づく紅葉の最盛期だ。
■屋内レジャーが豊富な「ビジターセンター」

遊びの多いビジターセンターは天候に左右されることなく楽しめるうれしい施設
栂池自然園の入場口の手前にたつ「ビジターセンター」は、自然園の自然についてより深く学べるうえ、屋内レジャーも楽しめる施設。タッチパネルを使ってクイズ形式で植物や動物について知ることができるコーナーや、園内の風景を背景に写真を撮れる「フォトスポット」など、遊び感覚で自然園のことを知れるのが楽しい。
また、自然園の自然を映し出した場所でスラックラインを楽しんだり、ボルダリングを体験したり、アクティブな遊びも体験できる。天候が悪くても楽しく過ごせる設備が豊富なうれしい環境だ。
■ゴンドラリフト&ロープウェイの空中散歩でも絶景を楽しめる

ロープウェイで森の上を越えてぐんぐん山を登っていくと気分が高揚していく
栂池自然園は、つがいけマウンテンリゾートの山麓から栂池ゴンドラリフト「イヴ」で20分、さらに栂池ロープウェイを乗り継いで5分の長い空中散歩を楽しめる。天候に恵まれると、ゴンドラの搬器の中から北アルプスを一望でき、特にゴンドラの26番目の支柱からの眺めが見事だ。絶好のフォトスポットでもあるので支柱を数えながら絶景を写真に収めよう。
■個性あふれる「白馬バレー」の絶景スポットをめぐろう

リゾートごとの自慢の景色をあちこちめぐって「白馬バレー」を満喫しよう
ダイナミックな山岳景観が広がる「白馬バレー」は白馬三山だけでもリゾートごとに見え方が変わり、季節によってもさまざまな景観を楽しめる。それぞれのリゾートのとっておきのロケーションとともに、こだわりグルメや遊びも満喫し、「白馬バレー」の自然をたっぷり体感していこう。
・■【画像】夏でも雪の残る不思議スポット「栂池自然園」の風穴
栗山 ちほ