ツイッター・デビューから1カ月で大人気の泉明石市長が語る「これはあかん、失言や」

ツイッター・デビューから1カ月で大人気の泉明石市長が語る「これはあかん、失言や」

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  • 更新日:2022/01/15
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明石市の泉房穂市長(撮影・今西憲之)

「今まで家族や役所からツイッタをして失言、炎上したらと羽交い絞め、止められていたんです。こうしてはじめてみると、市政運営をする上で勉強、参考になることも多々あり、よかったです。今のところ大炎上はありませんね、プチ炎上くらいか」

【写真】自慢のうどんを平らげるお茶目な泉市長はこちらこう苦笑しながら話すのは、兵庫県明石市の泉房穂市長だ。

子どもや高齢者など社会弱者に寄り添った政策で、全国から注目を浴び、中核都市人口増加率全国1位、全国戻りたい街ランキングでは全国1位と結果も出している。

知事や首相、相手がどんな大物でも、舌鋒鋭く迫ってきた泉氏だが、SNSで自ら発信することはなかった。昨年12月21日から突然、はじめたのがツイッターだ。

アカウントを開設し、1カ月にも満たないうちに、泉氏のフォロワーは8万5千を超えた。2013年からツイッターをはじめている立憲民主党の泉健太代表のフォロワーは2万3千。(明石市長の)泉氏の方が3倍近く多いのとツイッターなどで話題になった。

「正直、まだツイッターの仕組みがわかっていないのですが、注目をいただいているのはうれしい。フォロワーの皆様には感謝です。8万5千が多いか少ないか、よくわかりません。しかし、弁護士時代の司法修習生同期の橋下くん(橋下徹元大阪府知事)は、270万でしょう。それとくらべたら全然です。まあ、芸能人ではないので、そんな気にはしてませんけどね」

なぜ、ツイッターをはじめたのか。理由を聞いてみると泉氏は以下の3点をあげた。

1 市長としての説明責任

2 明石市の政策を広く知ってほしい

3 自分も楽しみたい

1~3の理由を泉氏はこう説明する。

「1についてですが、市長としていくら説明してもすべて市民に真意、詳細な点まで届けることは難しい。その点、ツイッターは短くコンパクトに訴えられる。スマートフォンで手軽に見ることもできます。ツイートすると、コメントがつき、すべて読みます。市民の反応、意見もあるので参考にできます。2は、ツイッターをはじめた日、旧優生保護法で不妊や中絶の手術を強いられた市民とその配偶者を支援する条例を全国で初めて可決した。これを広く伝えたいという思いがありました」

明石市では子どもや高齢者の政策で全国初というものが数多くあるという。

「明石市でなくともできることばかりです。例えば、18歳以下の子供に配られる10万円の特別給付金。離婚して家庭で実際に子育てしているひとり親が受け取れず、元配偶者に渡ってしまう。または二重取りになる可能性があることがわかった。それを防ぐために、離婚した家庭にお知らせを送付し、対応したとツイートすると、徳島市や愛知県一宮市も追随してくれました。明石市は国の定める所得制限も撤廃したところ、これもたくさん支持するお声をいただきました。ツイッターの発信力を実感しましたね」

3については、日常のトピックや昔話をツイートして自分が楽しむのだという。

「先日も東大時代に駒場寮にいた思い出話をツイートすると、昔の仲間がいいねをしてくれました。あいつ元気なんや、よかったなと」

最初はツイートを自ら投稿せず、秘書にテキストデータを送って、チェックを受けていたそうだ。その背景には、2019年2月の「大炎上」騒動がある。

泉氏が部下に「火付けてこい」などと叱責している音声が流出し、ツイッターなどで拡散し、パワハラが問題になり市長辞任に追い込まれた。その後、同年3月の出直し選挙で当選した。

「最初はツイートの方法もよくわからず、秘書らがチェックし、炎上しないように気をつけていた。ツイートの反応がいいと、見ていると楽しいし、市政にも役立つことが多い。リツイートは必ずしも明石市民ではないことも理解しています。ツイッターを始めた週末の12月25日は土曜日で秘書らも休みだったので、やり方を教えてもらい、自分でツイートした。すると、ますます面白い。それ以来、自力でやっています」

火付けてこいなど過去の失言が再燃する危惧もあったが、杞憂だったという。市役所にツイッターに関する苦情もなく、激励がくることもある。

「おかげでまだ妻には止められていません。以前、ある知事さんが『政治家は揚げ足をとられないようにすべきだ』とお話されていた。炎上しないように、丁寧にやっています。朝の仕事前はランチのネタとか日常のトピック、昼間は市政に関する内容、夜は昔話、故郷・明石市のことなどを念頭に書いています。1日15前後、ツイートできるようにと心がけています」

最近のツイートで注目されたのが、泉氏のランチメニューだ。市役所の食堂の明細を公開し、連日、きつねうどんを食べているという内容だ。

1月11日のツイートにはきつねうどんの写真とともに<ツイッターを始めて22日目の朝(1月11日)。朝食の前なのに、すでに昼食のことを考えている自分がいる。#明石市 #明石市長 #きつねうどん #きつねラーメン>と書き込むと【いいね】が3500以上もついた。

「朝、市役所に出てきて仕事をはじめる。昼くらいはちょうどエンジン全開です。昼ご飯を何にしようかなどと考えるより仕事。そこでいつしかヘルシーなきつねうどんが定番になりました。まれにスパイスをきかせてと、カレーライスを食べることもあります。12時になると市長室の机にきつねうどんが置かれているのですが、たまに仕事に没頭しすぎて、麺が伸びてしまいってこともありますわ」

取材した日、記者がランチに同行すると、食堂できつねうどんが出てきた。3分ほどで泉氏はたいらげた。

「おいしいですよ、サッと食べれるのもいい」

ツイッターなどSNSは重要な選挙でも大きなツールとなっている。泉氏のツイッターが注目を集める中、今夏の参院選挙に泉氏が転身して出馬するのではないかとの噂も地元では広がっている。

1月8日に泉氏も<神戸市長選の記事に目が止まる。明石生まれ・明石育ちの私だが、国会議員時代の選挙区は神戸市だった。そういう事情もあり、これまでに二度(2005年、2009年)、政党や市民団体から神戸市長選への出馬要請を受けたことがある。即答でお断りしたが、神戸のことは、やはり気になってしまう。>と書いたことで、憶測が広がっている。

「よく市長から転出して赤じゅうたん踏みたいっていう方もいますわ。私はすでに衆院議員を1期やらせていただいているので、そんな気持ちはないです。明石市長として頑張ります。しかし、他の国のように大統領制度があれば…。日本は大統領制ではない。あ、これはあかん、失言や。明石市長として市民目線、市民感覚の政治をやっていきます」

(AERAdot.編集部 今西憲之)

今西憲之

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