顔認識機能搭載のドローンを開発のイスラエル企業AnyVisionの野望

顔認識機能搭載のドローンを開発のイスラエル企業AnyVisionの野望

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/02/21
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米国の警察が空中のドローンから人々の顔を認識するテクノロジーの導入の検討を進める中で、高度な顔認識機能を備えたドローンの開発を進めているイスラエル企業が存在する。

その企業とは以前、マイクロソフトから資金提供を受けていたイスラエルのスタートアップの「AnyVision」だ。同社が2019年8月に米国特許庁に提出したドローンをベースとした顔認証テクノロジーの特許が、先日公開された。

この特許は、「Adaptive Positioning of drones for enhanced facial recognition(顔認識に適応可能なドローンのポジショニング)」と題されたもので、ドローンが撮影した画像から、顔認識を行うために最適なショットを見つけ出し、データベースに保存された顔と照合する技術の詳細が記載されている。

ドローンから人を認識する場合、顔を適切に撮影できる角度を把握することや、移動中やホバリング中に高品質の画像を取得することが求められ、静止画を用いた顔の照合よりも難易度はかなり高まることになる。

米軍の機関も、米軍特殊作戦司令部(SOCOM)やインテリジェンス先進研究プロジェクト活動(IARPA)などがこの問題に取り組んでいるが、民間企業が先にそれを実現する可能性が指摘されている。

昨年12月には、AnyVisionの幹部がイスラエルの防衛サプライヤーであるRafael社と提携し、SightXと呼ばれる新しいジョイントベンチャーを立ち上げていた。現地メディアに提供されたデモ動画では、SightXの小型ドローンに顔認識機能は無かったが、同社の幹部はその機能が間もなく実現できると述べていた。

AnyVisionのCEOのアヴィ・ゴラン(Avi Golan)はフォーブスの取材に、現時点で顔認識機能付きのドローンの製造は進めていないが、すぐに現実のものに出来ると話した。

「特許を取得できたことは非常に喜ばしい」と彼は話し、このドローンが将来的にスマートシティで活躍することを示唆した。ゴランによると、顔認識機能付きのドローンは、荷物が正しい相手に届いたかを確認する場合にも役立つという。アマゾンはすでに同様の技術で特許を取得しており、実験的なプロジェクトを進める可能性を示唆している。

ただし、ゴランはこのプロダクトを製品化するのは、ドローンと顔認証テクノロジーが、もっと広く世間に受け入れられてからにしたいと述べている。彼によると、AnyVisionは現在、米国の法執行機関とは連携しておらず、その代わりにカジノや小売業者などの民間企業との提携を選んでいると述べた。

軍事利用への懸念
AnyVisionは以前から、同社のテクノロジーの利用目的についての懸念に直面していた。マイクロソフトは2019年に7400万ドル(約78億円)を支払い、同社の株式を取得したが、昨年AnyVisionのツールがヨルダン川西岸の紛争地域で使用されたとの報道が出た後に撤退していた。

しかし、ゴランによると、マイクロソフトが撤退した主な理由は、AnyVisionの支配権を握れなかったからだという。マイクロソフト側も、西岸のパレスチナ人を監視するためにAnyVisionの技術が使用されたという報道を否定していた。

それでは、米国の警察が顔認識機能付きのドローンで警備を行うのは、いつになるのだろう?

カリフォルニア州のサクラメント警察署のドローン部門を率いる、マイク・ハッチンズ警部補は、「個人的には将来のある時期に、そのような技術が導入されるかもしれないと考えている」と話す。しかし、我々が日常的に利用する小売店や銀行などで空中のドローンが、人々の顔をキャプチャーするためには大きなハードルがある。

「我々は、人々のプライバシーの権利とテクノロジーのバランスを取ろうとしている。現代では、どこに行っても監視カメラで顔を撮影されるのが当たり前になり、そのデータを顔認識ソフトで照合可能になっている。しかし、我々は近い将来にこれらの2つの技術を組み合わせようとは全く思っていない。いつか現実になるとも言えない。そのようなことは起こり得ないかもしれない」とハッチンズ警部補は話した。

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