知らないと大損する...コロナ禍の休業手当「もらえない人」が陥る、大きな落とし穴

知らないと大損する...コロナ禍の休業手当「もらえない人」が陥る、大きな落とし穴

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/04/07
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コロナ禍による経済活動への影響が長期化する中、勤め先からの休業手当を手にできず困窮する人が続出。国は休業支援金の支払いを実施しているものの、それさえも手にできない人が抱えている問題は何なのか、労働問題のプロに聞いた。

給付金受給を阻むのは……

コロナ禍の影響が長引く中、事業者の都合で休業を余儀なくされているのに休業手当はナシ。ならば国の支援を頼ろうと、休業支援金の申請手続きをしたものの、支給要件確認書を作成するために必要な事業主の協力が得られない……。

最後の望みである休業手当が受け取れないまま困窮している人が少なくないという。

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厚生労働省は、事業主の協力が得られない場合はその旨を支給要件確認書に記載すれば申請できるとしているが、事業主を完全にスルーできるわけではない。後日労働局から事業主に問い合わせがあるからだ。

協力を拒否している事業主が労働局からの問い合わせを快く思うはずがないと考え、申請をあきらめてしまうのだ。

支給要件確認書には、「はい」「いいえ」で答える15の項目があり、それぞれに細かな留意点が記載されている。

過去に不正受給があったかなどを問うものなどで、真っ当な事業所であれば問題のないことなのだが、「あれこれ詮索されるのでは?」と二の足を踏む事業主があるのも事実。

休業手当をもらうのは法律で定められた当然の権利

「働く意思があるのに事業主の責任で休業となった場合、給料の支払いを求めるのは労働者の権利。仕方がないと、簡単にあきらめてはいけません」

そう話すのは、『働く人を守る! 職場六法』の著者で40年以上にわたって労働問題に取り組んできた弁護士、岩出誠氏。

労働基準法第26条には「会社都合で休業する場合には、平均賃金の100分の60の手当を支払わなければならない」と定められ、賃金不払いがあった場合、事業主には30万円以下の罰金を設けて賃金を支払うように求められている(労働基準法第120条)。

そもそも事業主が支払うべき休業手当を政府が払ってくれるのだから、その申請に協力しないのはもってのほか。労働者の当然の権利として主張することができることを知らないまま、休業支援金すら申請できず困窮している人たちに向けて、岩出氏は次のように話す。

「法律を知らないために不利になる人が圧倒的に多いということです。言い換えれば、法律を知っていれば、自分自身を守ることができる可能性が大きくなるのです」

休業手当を請求できない人も

休業手当について、法律ではどのように定めているのだろう。

事業主から業務命令として一方的に自宅待機を命じられた場合、労働者は賃金の全額の支払いを求めることができる(民法第536条第2項)。

ただし、就業規則などに、この民法第536条第2項について排除するという締結がある場合は、労働者はその権利を放棄していることになるので、請求する事はできない。

知っておくべきは、どんな場合でも休業手当を請求できるわけではないことだ。請求できるのは、事業主が休業を避けるために最善の努力をしたとはいえない場合。また、天災などにより休業を避けることができない場合には、事業主は休業手当を支払う必要がなくなる。

では、コロナ禍の影響による休業はどうなるのか。

感染病対策として政府が出す外出自粛要請に応じての休業の場合、例えば、東京都の緊急事態措置では、「職場への出勤など、生活の維持に必要な場合を除き、原則として外出しないこと」などの協力要請となっていて、職場への出勤は明確に協力要請の対象外になっている。

「要請に基づいて休業していると会社が主張しても、会社は労働してもらうことができるのに自らの経営判断によって休業したのであり、あくまで会社都合とみなされます。しかしながら、コロナ禍による休業での賃金未払いについては判断が難しく、その救済措置として前述の休業支援金があるのです」(岩出氏)

賃金不払いがあった場合には、行政官庁、または労働基準監督官に申し出ることができる(労働基準法第104条)。申し立てにより雇用条件が悪くなると恐れて沈黙するケースがあるため、今回の措置では事業主の協力が得られない場合も申請できるようにしているのだ。

労働基準法は労働者を守るための法律。「コロナ禍により深刻化する労働問題に立ち向かうために、自分を守る法律を知っていただきたい」と岩出氏は話す。

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『働く人を守る! 職場六法』岩出誠:著

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