3年前の台風19号で被災した長野市長沼地区の遊休農地でライ麦が栽培されています。
その麦から作られているのは、ストロー、
ライ麦で作ったストローです。
英語のstraw=「麦わら」を加工した、いわば、ホンモノです。
「いい感じ」
「麦みたいな香りがする」
「普通のプラスチックのストローより良かった、飲みやすかった」
「肌に優しいというか口に優しい感じがしました」
ライ麦が栽培されているのは、3年前の台風19号で深刻な被害を受けた長野市の長沼地区。
2021年11月、ボランティアが種をまきました。
麦わらストローの普及を目指し全国で展開する「ふぞろいのストロープロジェクト」の一環で、長沼地区の被災者支援チーム「ホープアップル」などが遊休農地対策として取り組んでいます。
(ホープアップル・太田秋夫代表)
「長沼地区には被災してそのままになっている農地がけっこうたくさんある、何とかそこを利活用できないかということから発想した」
種まきから7か月、ライ麦は順調に育ち、大人の背丈よりも高くなりました。
麦わらを傷めないよう、刈り取りは鎌を使う手作業。
220平方メートルの畑で、およそ40人が麦の収穫に汗を流しました。
「楽しい」
「ちょっと難しい」
「刈りがいがあると思いました」
長野市の塚田真由(つかだ・まゆ)さん。
麦わらの細い部分を使うフィンランドの工芸「ヒンメリ」の作家です。
塚田さんは2021年、市内の別の畑でもライ麦を栽培し、ストローを作りました。
(塚田真由さん)
「麦の太い部分をうまく活用できていなかったので、この部分をストローとして活用できたらと友人と提案し、ストローづくりに取り組み始めた」
加工は市内の福祉施設に委託。
1万本を製造して販売しました。
プラスチックゴミの削減だけではなく、福祉への支援にもつなげています。
ライ麦の栽培には、さらに、こんな効果も。
(太田代表)
「去年種をまいたところはそんなに草生えてないんです、遊休地でどんどん草が伸びて、それをどうするか非常に課題になっている、ライ麦をまくことによって、その対策に繋がるのではないかということをかなり強く感じるようになった」
環境保全と福祉への貢献、遊休農地の活用にもつなげるストローづくりのプロジェクト。
グループでは、ライ麦の穂を使ったパンやクッキー作りも計画しているということです。