中国に警戒せよ。スパイ防止法を整備しファイブ・アイズに参加すべき日本

中国に警戒せよ。スパイ防止法を整備しファイブ・アイズに参加すべき日本

  • まぐまぐニュース!
  • 更新日:2021/05/03
No image

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組み、いわゆる「ファイブ・アイズ」への日本の参加を巡り、加入国の対応が分かれています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、ニュージーランドが日本の参加に対し異を唱えている背景を解説。ここでもチャイナマネーの「好ましからざる影響」が発揮されていました。

【日本】いよいよ現実化する日本の「ファイブ・アイズ」入りと重大な懸念

ワクチン確保した日本、ついでに…英語圏同盟「ファイブ・アイズ」に加入するか

4月21日、山上信吾駐オーストラリア日本大使は、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドのインタビューで「日本の『ファイブ・アイズ』加入が進展している。私は近い将来について非常に楽観的だ」と述べたことが、アジア各紙で話題になっています。

ファイブ・アイズとは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏5カ国による機密情報共有の枠組みのことです。この5カ国はUKUSA協定というものを結び、英米をはじめとする諜報機関が世界に張り巡らせた情報網を互いに利用、共有するというもので、第二次世界大戦に英米で結ばれ、冷戦期に他の3カ国が加わり、今日に至っています。

第二次世界大戦中、あの有名なドイツの暗号機エニグマを英米共同で解読したことが、ファイブ・アイズの発端となったとも言われています。

そして現在、中国の脅威が世界的な問題になるなか、民主主義と人権といった価値観を共有する国々の連携が求められており、ファイブ・アイズの重要性が高まっているわけです。

日本ではあまり話題になっていませんが、前述の山上大使の発言は、韓国の中央日報や台湾の自由時報など、アジア各地の新聞が大きく伝えています。

日駐澳大使:日加入五眼聯盟有進展

日本のファイブ・アイズ参加を後押ししているのがイギリスです。ボリス・ジョンソン首相は昨年9月、日本のファイブ・アイズ参加を「自分たちのアイデアだ」と述べ、日本の参加は「(現在の日英関係を)さらに発展させるための非常に生産的な方法になるかもしれない」と指摘しました。

ジョンソン英首相、「ファイブアイズ」日本参加に前向き 機密情報共有枠組み

2017年8月、当時のイギリス首相だったテリーザ・メイ首相が来日し、安倍首相とのあいだで日英安全保障共同宣言を発表しました。これは「新・日英同盟」とも呼ぶべきもので、同じ海洋国家であり民主主義国かつ法治国家である日英が、グローバルな戦略的パートナーシップを構築し、さらに次の段階に引き上げることなど、17の項目で合意したという内容です。

英国は日本を最も重視し、「新・日英同盟」構築へ──始動するグローバル・ブリテン

そして先日、イギリスは同国最大級の空母「クイーンエリザベス」を中核とする空母打撃群をアジアに派遣し、年内に日本にも初寄港することを発表しました。

英空母「クイーン・エリザベス」 年内に日本初寄港へ

イギリスは2020年1月31日にEUから離脱(ブレグジット)しましたが、ヨーロッパ大陸から離れ、大英連邦に所属していた、あるいは現在も所属している国が多いインド太平洋地域へ軸足を移しつつあります。そのために、日本の情報網も積極的に活用していきたいということなのでしょう。

加えて、イギリスは香港問題で中国に約束を反故にされ、怒り心頭です。香港返還の前に中国はイギリスに対して「一国二制度」を50年間守ることを約束しましたが、2020年6月末に中国は香港に対して「香港国家維持法」を施行し、一方的に「一国二制度」を事実上破棄してしまいました。中国と対峙するためにも、日本の力が必要だということです。

しかし、これに対してニュージーランドが反対しています。ニュージーランドはファイブ・アイズの役割拡大についても慎重姿勢で、同国の外相は「ファイブ・アイズの権限拡大は不快だ」とまで発言しています。

NZ、ファイブアイズの役割拡大に「不快感」表明

ニュージーランドにとって中国は最大の貿易相手国で、今年1月には中国とFTAを強化する改定協定に署名しています。

また、ニュージーランドはファイブ・アイズに加盟しているため、アメリカが主導するファーウェイ機器の通信網からの排除に同調しており、中国からその嫌がらせとして、中国観光客のニュージーランド渡航禁止といった仕打ちを受けています。

加えて2019年2月には、ニュージーランド航空が中国に提出した着陸申請書類に「台湾」という表記があったことで、上海への着陸を拒否される事件がありました。中国民用航空局は各国の航空会社44社に対して、台湾の表記を「中国台湾」に改めるよう要求しているなかでの、露骨な嫌がらせでした。

こうした経済的な締付けにより、ニュージーランドは態度を中国寄りにせざるをえなかったということでしょうが、ファイブ・アイズにとっては亀裂が入る由々しき事態です。

ニュージーランドでもオーストラリア同様、中国系国会議員が中国から巨額資金を受けていた疑惑があり、そのことを論文で発表した大学教授は、パソコンが3台も盗まれたり、脅迫状を送りつけられるといった被害にあっているそうです。

(チャイナスタンダード)親中政界工作、豪・NZに矛先 与野党に巨額献金、意見誘導

かなり以前に私がニュージーランドとオーストラリアを訪れた際、すでに中国政府によるさまざまなスパイ活動を耳にしていました。近年、ニュージーランドの日本人の話では、中国からの移住者が多くなり、法輪功の活動さえ難しくなったそうです。その他、南太平洋の国々も中国による浸透工作の標的になっています。

こうした状況もあって、イギリスは日本を新たなファイブ・アイズのメンバーとして組み入れたいと思っているのでしょう。また、イギリスがEU離脱したことでヨーロッパの情報が手薄になったことから、フランスなどをファイブ・アイズに加えようという動きもあるようです。

ただし、日本の場合で最大のネックとなるのが、スパイ防止法がないことでしょう。日本がスパイ天国であることはすでに常識です。機密情報がほんとうに守れるのか、他国にとっても懸念が絶えないでしょう。親中派の国会議員も多くいます。

そのため、当分のあいだは「ファイブ・アイズ・プラス」として参加することになるのではないかと言われています。

スパイ防止法というと、すぐに「国民が政府の監視下に置かれる」「うっかり内緒話もできない」などと言う人がいますが、安全保障や最先端技術の機密情報が盗まれ、さらには価値観を同じくする西側諸国の輪に加われないでいいのでしょうか?

ニュージーランドはカネの力で中国に屈せざるをえなくなりつつあります。チャイナマネーで国会議員が中国に有利な政策を行うことになれば、それは民主主義の崩壊であり、国民主権の崩壊でもあります。すでに香港はそうなってしまいました。オーストラリアでも中国が親中派議員を送り込んで国政に影響を及ぼそうとしている動きを非常に警戒しています。

日本では親中派や媚中派によるスパイ防止法潰しが行われてきました。一部の人間に対する浸透工作は進んでいます。この獅子身中の虫をいかに取り除くのかということが最重要課題の一つだといえるでしょう。

私は日本が早くファイブ・アイズに参加し、「シックス・アイズ」として中国監視網の輪に加わるべきだと考えています。時間はあまりありません。そのための環境整備を急ぐべきです。

No image

最新刊

バイデン政権がもたらす新たな米中危機 激震する世界と日本の行方

好評発売中!

image by:防衛省 海上自衛隊- Home | Facebook

こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー

対米戦略に国連中心主義を持ち出した中国の欺瞞/「中国の台湾化」が世界を救う(9/30)

人民解放軍の「文攻武嚇」PRのお粗末ぶり/習近平が目指す全体主義の正体(9/23)

強まる弾圧と狭まる習近平包囲網/歴史を知らない韓国人が歴史を説教する厚顔(9/16)

9月15日から、ついに世界で敵と味方が明確になる/中国と絡むと映像作品も政治になる(9/09)

安倍首相辞任、次期総裁選びと親中派の焦り/世界の民主主義国が台湾を訪れて連帯を示し始めた(9/02)

チベット人の自由と権利のために戦った女戦士の死/世界が辟易し始めた韓国のご都合主義とOINK(8/26)

ドル経済圏から追放される中国の焦り/台湾に受け継がれる日本人の自然観(8/19)

なぜいま中国は香港民主活動家を次々逮捕するのか/香港潰しの次に中国は確実に台湾を狙う(8/12)

反日親中メディアの終焉/李登輝元総統との思い出と台湾が抱える課題(8/05)

銅像で相手を貶めるのは中華の文化/ようやく中国の本質を理解したアメリカ(7/29)

いよいよ日本企業も中国企業との取引が生死を分けるときがきた/三浦春馬氏の死に衝撃を受ける台湾(7/22)

中国にとって国際法とはなにか/「台湾鉄道の父」を日本人から中国人に変えようとする姑息な動き(7/15)

日本も本気で中国のスパイ対策に乗り出すべきとき/徴用工問題の報復を恐れる韓国が狙うWTO事務局長(7/08)

次は台湾を狙う中国と、滅びゆく香港の力を結集する台湾/三峡ダム決壊が招く中国分裂(7/01)

朝日新聞が「中国の宣伝機関」としてアメリカに認定される可能性/ゲームの中で展開される反中闘争(6/24)

もう歴史問題で韓国を相手にしても意味がない/ついにウイグル化がはじまった香港(6/18)

中国に近づいてやっぱりバカを見たインドネシア/台湾で国民党独裁からの民主化を描いたドラマ解禁(6/10)

中国のアメリカ暴動への関与疑惑が出はじめた/コロナで中国は旧ソ連と同じ道を辿るか(6/03)

中国制定の「香港国家安全法」が日本の護憲派を殺す/親中カンボジアの「中国に近づきすぎたツケ」(5/27)

中国の恫喝はもう台湾に通用しない/世界が注目する蔡英文の総統就任スピーチ全文(5/20)

「元慰安婦」から反日利権を暴露された韓国慰安婦支援団体/中国から台湾に逃げてくる動きが加速(5/13)

アメリカが暴露した中国の悪質な本性/韓国瑜へのリコール投票に見る「コロナ後の台湾」の変化(5/06)

世界からの賠償要求5500兆円!中国は破産するか/他国へも情報統制を求める中国の卑劣(4/30)

「アベノマスク」も被害。今度は不良品マスクを世界に拡散する中国/フルーツ天国・台湾は日本人がつくった(4/22)

コロナ発生源の中国が今度は黒人に責任転嫁/台湾発「WHO can help?」が世界に問いかけること(4/16)

もう国民が国内旅行を楽しむ台湾と、緊急事態宣言の日本(4/08)

台湾の民主化とともに歩んだ志村けんさん/死者数の嘘が暴かれ始めた中国(4/01)

欧州の新型コロナ感染爆発は中国共産党員が原因だった/国内では隠蔽、海外では恩の押し売りを続ける中国(3/26)

習近平の「救世主化」と天皇利用への警戒/小国発展のバロメーターとなる台湾(3/18)

【台湾】新型コロナ対策で注目される台湾の若きIT大臣が日本に降臨!?(3/11)

新型コロナへの対処法は「中国断ち」をした台湾に学べ/新型肺炎の責任を日本に押し付けはじめた中国(3/05)

『韓非子』の時代から何も変わっていない中国(2/26)

「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(2/19)

新型肺炎のどさくさで反体制派狩りをする習近平の姑息/戦後日本の軍事研究忌避が新型肺炎の感染拡大の一因(2/12)

新型肺炎が世界にとって思わぬプラスとなる可能性/疫病のみならず他国に厄災をばら撒く中国(2/05)

WHOを操る疫病発生地・中国の魂胆(1/29)

「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(1/22)

中国の目論見がことごとく外れた台湾総統選/ご都合主義の中国が民主主義と人類を危機に陥れる(1/15)

黄文雄メルマガスタッフの台湾選挙レポート(1/13)

文化が残らない中国の宿命/中華にはびこる黒道治国と台湾総統選挙を左右する「賭盤」(1/08)

謹賀新年のご挨拶―激動の年の幕開け(1/01)

MAG2 NEWS

黄文雄『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加