総額40万円で葬儀はできる? お金のない夫婦の限界値

総額40万円で葬儀はできる? お金のない夫婦の限界値

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/09/15

厚労省の調査によると、世帯主が50代の場合、貯蓄額は平均1049万円ほど。ただ、一方で貯蓄ゼロ世帯は14.8%もあり、実に6世帯に1世帯が「貯金ゼロ」というのが現実だ。そんな彼らを待つ老後とは、いかなるものなのか。平均収入だった年金生活者の限界値に迫る。今回は葬式編だ。

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平均余命まで毎月1500円積み立てれば、およそ33万円に。健康保険の7万円をプラスしたら葬儀に40万円捻出できる(©akiyoko/AdobeStock)

年金だけで暮らす夫婦の家計簿をファイナンシャルプランナーの大西真人氏が作成。平均年収436万円を想定、厚生年金ありの場合、月の手取り収入は15.5万円。うち貯金できるのは毎月1500円×2人分で3000円。葬儀・墓の費用の限界値は、約18年分の貯金33万円と、国保加入者が受け取れる葬祭金7万円を足した額で40万円となった。

◆葬儀は人生の集大成。これまでの生き様が現れる

65歳を超えると嫌でも気になるのが自分の最期、つまり葬儀だ。限界値から算出した予算40万円で、一体どれだけのことができるのか。

「一般的な葬儀の平均額は約200万円。人並みにお坊さんにお経を読んでもらい、葬儀で供養し、火葬、戒名をつけてもらった場合の価格です。ここからお墓を買えば更に200万250万円かかり、合同墓でも50万円くらい必要となるでしょう」

そう語るのは一級葬祭ディレクターの佐藤信顕氏。40万円だと、一目で一般的な葬儀ができないことはわかる。

◆40万円で可能な方法は?

そもそも、この40万円の金額で供養をすることはできるのか。

「40万円では葬儀を行うことは不可能ですが、直葬し、骨にした上で散骨や合祀を行うことは可能です。その場合、直葬の費用が20万30万円、散骨や合祀の費用が5万10万円なので、骨にして送ってあげることはできますね」

意外にも40万円あれば、最低限の弔いは可能だとわかったが、それは病院で亡くなった場合の話。例えば、自宅や路上で変死した場合、病院や警察までの搬送費が親族持ちになるなど、亡くなった環境で費用が変わるので注意は必要だ。

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◆金額とは別の問題点も

また、ミニマムで済ませようとした場合、金額とは別の問題が生まれてくると佐藤氏は懸念する。

「亡くなった側はそれで終わりかもしれませんが、残された側はその後も死者との思い出を抱えて生きていかなければなりません。

散骨は安く済みますが、その後の想いを寄せるシンボル的な存在がないのは結構辛いケースが多いんです。亡くなった本人に貯金がなくても、残された親族がお金を出し合って合同墓や納骨堂に入れるなどしてくれることもありますね」

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◆死んだ後の世話は自分ではできない

むろん死んだ後の世話は自分ではできない。そして、その人の供養には、これまでの生きざまが反映される。

貯金ゼロ円であっても、親族はもちろん、知人とも友好な関係を築いておきたい。

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佐藤信顕氏

【一級葬祭ディレクター 佐藤信顕氏】

佐藤葬祭代表。葬儀や葬式の専門家として、自身のYouTubeでも葬儀の専門的な内容を発信。著書に『遺体と火葬の本当の話』(二見書房)など

<取材・文/タカダショウゴ>

―[[貯金ゼロ円]の老後]―

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