大人目線で楽しむムーミンコミックスの奥深い世界。

大人目線で楽しむムーミンコミックスの奥深い世界。

  • カーサ ブルータス
  • 更新日:2021/10/17

October 14, 2021 | Culture, Art | casabrutus.com | text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano

2020年より〈松屋銀座〉を皮切りに日本各地を巡回し、反響を呼んでいる『ムーミン コミックス展』が、11月19日より〈そごう横浜店〉内の〈そごう美術館〉で開催に。大人が読む新聞マンガとして愛されたムーミンコミックスの奥深く、豊かな世界をじっくり楽しめる展覧会になっています。

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トーベ・ヤンソン(左)と、ラルス・ヤンソン(右)。イギリスの夕刊紙『イブニング・ニューズ』での連載は、当初、姉のトーベと弟のラルスの共同作業で製作。1960年からはラルスがひとりで連載を担当することに。

1954年~1975年までの21年間にわたり、イギリスの夕刊紙『イブニング・ニューズ』で連載された『ムーミンコミックス』。日本では子ども向けキャラクターのイメージもあるが、もともとは大人読者の1日の疲れを癒す娯楽として愛された。新聞らしく季節感を盛り込みながら、時事ネタや社会風刺がユーモアを交えて小気味よく展開され、読み物としてはもちろん、デザイン性にも富んだ作品となっている。
作者は、フィンランド生まれのヤンソン姉弟。連載当初は姉のトーベと弟のラルスの共同作業で製作されていたが、1960年からはラルスがひとりで連載を担当。展覧会では、それぞれの作品を章立てし、ふたりの作画や作風の違いも楽しめるようになっている。

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丸みを帯びた顔と体型がトーベの描くムーミンの特徴。トーベ・ヤンソン《まいごの火星人》(1957年)スケッチA ©Moomin Characters™

第1章では1954年~1959年の間、連載の絵とセリフを担当したトーベのコミックスにフィーチャー。画家でもあるトーベの作品は、1コマだけで見ても小説の挿絵のような芸術性がただよう。
紙質がよいとは言えない新聞紙に印刷するため、コミックスでは単純な線で描かれたが、展示されるドローイングやスケッチでは細かく重ねられたタッチや濃淡など、豊かな描線を間近で見ることができる。

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見て楽しい境界線(枠線)を多用したラルス。ボクシングのグローブやペン、音符やホースなどを効果的に使用した。ラルス・ヤンソン《10個のブタの貯金箱》原画(1974)©Moomin Characters™

第2章では、弟のラルスの原画179点を展示する。連載当初はテキスト英訳やネタ作りを担当し、姉のトーベのコミックス製作を支えたラルス。トーベの降板後は15年間もの間、ひとりで連載を継続した。
ラルスの描くムーミンはトーベより少しスリムな体型で、表情はくっきり。次のコマの場面展開が効果的で、マンガ的要素が強いのも特徴だ。今回の展覧会では、ラルスが描いた未邦訳の3話分の原画や『ムーミンたちの戦争と平和』の全点を展示する。
キャラクター設定画や習作、原画など、日本初公開含む約280点もの貴重な作品に出合える機会。コミックスをじっくり歩き読みながら、大人目線でムーミンの世界観を堪能してほしい。

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『ムーミン コミックス展』〈そごう美術館〉神奈川県横浜市西区高島2-18-1。そごう横浜店6階。TEL045 465 5515。2021年11月19日〜2022年1月10日。10時〜20時(入館は閉館の30分前)※12月31日は18時閉館、1月1日は9時~19時。会期中無休。事前予約不要。一般1200円(前売り1000円)、大学・高校生1000円(前売り800円)、中学生以下無料。

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