世界初、細胞培養したフォアグラが研究室で作り出される。しかもうまいらしい(フランス)

世界初、細胞培養したフォアグラが研究室で作り出される。しかもうまいらしい(フランス)

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  • 更新日:2021/07/21
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キャビア、トリュフと並んでフォアグラは言わずもがな「世界三大珍味」と呼ばれている有名な食材だが、ガチョウやアヒルに大量の餌を与え肝臓を肥大させて作ることから、多くの倫理的懸念を引き起こしている。

しかし、このほどフランスのスタートアップ企業が、世界初の試みとして、単一の受精卵から細胞を抽出することにより、培養フォアグラを開発した。

この代替品は、見た目も食感も味も、本物のように美味しいそうだ。『Sifted』などが伝えている。

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Lab-Grown Foie Gras is Here to Take Away the Ethical Concerns

世界初の培養フォアグラが誕生

フランス・パリのスタートアップ企業『Gourmey』のCEO(最高経営責任者)および創設者のニコラス・モリン・フォレストさんは、フォアグラの倫理的な代替品をラボで作成したのは世界初の試みであると述べた。

通常、フォアグラはガチョウやアヒルに多くの餌を与えて無理やり太らせる強制給餌により肝臓を充血させ肥大させたものだが、この新製品はアヒルの卵から採取した幹細胞を使用して、実験室で作られたものだ。

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フランスは世界最大のフォアグラ市場を持っており、多くの消費者はグルメだ。

その中心地に拠点を置くGourmeyは、養殖肉のより持続可能な代替品を提供することを望む培養肉を作成する食肉会社同様、環境への影響を配慮し、食品をより倫理的にすることを目的として培養フォアグラを開発した。

メディアの取材で、フォレストさんはラボでのプロセスについてこのように話した。

培養フォアグラは、単一の受精したアヒルの卵子にある幹細胞を使って作成します。

環境が良好である限り、それは無期限に分裂して増殖する能力があるので、実験室では私たちが卵から幹細胞を隔離して卵の環境を制御しながら本物の環境と同じようにしていくわけです。

細胞は、アヒルに与えられるのと同じ栄養素(タンパク質、アミノ酸、脂質)を供給され、卵の中にあるかのように増殖していきます。

必要な細胞型になるよう栄養素を調整すると、細胞は反応します。そこで、筋細胞や脂肪細胞、または肝臓細胞を採取して、製品を作っていくのです。

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本物と違いがわからないほど美味しいという感想も

フォアグラで有名な地域アキテーヌ地方のミシュラン星を獲得したシェフが、この培養フォアグラを試食したところ、本来のフォアグラと見た目も似ているだけでなく、繊細な味わいで、違いがわからないと語ったという。

Gourmeyにとっての最終目標は、大量の作物とエネルギーを使用する世界的な肉の需要に応えるための、持続可能な代替品を提供し続けていくことだ。

フォアグラは、私たちの現在のノウハウの最初の応用にすぎません。同じ方法で、あらゆる種類の家禽肉製品を作成できます。

毎年、人類は地球上の人々の10倍にあたる720億匹の動物を消費しています。そのうちの690億匹は、家禽です。

最近の研究によると、再生可能エネルギーを使用して生産された細胞ベースの肉は、必要な土地と作物を削減することにより、従来の鶏肉、豚肉、牛肉の生産と比較して、地球温暖化の影響をそれぞれ17%、52%、85~92%削減することが判明したようだ。

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現在、Gourmeyはヨーロッパだけでなく、アメリカやアジアへのビジネス展開も検討中だ。

当企業は、自国のフランスよりも、規制の状況がわずかに進んでおり、セル(細胞)ベースの代替品に対する大きな需要がある海外市場を検討しています。

シンガポールは現在、細胞ベースの肉製品を市場に出している唯一の国です。アジアの他の地域は、アメリカと同様に規制の枠組みの作成が進んでいます。アメリカは、来年に規制する可能性がありますが、ヨーロッパが同じことを行うには最大5年かかる可能性があると推定されています。

特にアメリカは、カリフォルニアやニューヨークでは既にフォアグラの調理は禁止されているため、人々は代替品を求める傾向があり、私たちは本物のフォアグラとの価格を同等にしてプレミアム製品として培養フォアグラを市場展開していく方針です。

written by Scarlet / edited by parumo

追記:(2021/07/21)タイトルを一部訂正して再送します。

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