鳴り物入りの「Go To Eat」で客足は何割戻ったか?1~10月飲食店の集客動向を徹底分析

鳴り物入りの「Go To Eat」で客足は何割戻ったか?1~10月飲食店の集客動向を徹底分析

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2020/10/16

新型コロナウイルス感染拡大から約半年。各業態とも収益に大きな影響を及ぼしましたが、特に「飲食店の客離れ」は深刻だと言われてきました。「飲食店が大変」というイメージは大半の人が持っていると思いますが、この推移を、月別などで見られる機会は限られていました。

そんななか、飲食業界が抱える様々な問題(顧客管理、ドタキャン対策など)に取り組み、飲食店向け予約・顧客管理システムなどの開発・提供を行う企業「テーブルチェック」が発表した国内外の約5000店舗からの集客動向データ、グラフを元に、外食利用者がどう推移したかをみていきたいと思います。

来店件数が前年度比8割減となった飲食業界

今年春に発出された緊急事態宣言の間、多くの飲食店では休業を余儀なくされていました。この結果1店舗あたりの平均来店件数を前年同月比で見ると84.1%減。ある程度想像はしていたものの、飲食店の経営者にとって恐ろしい数字となりました。

また、5月25日に緊急事態宣言が解除となった後、多くの飲食店は6月1日より少しずつ営業を再開し始めました。自粛期間中、外食をできなかった消費者の需要の高まりもあり、多少持ち返したようですが、6月期を数字で見てみると、それでも前年同月比で52.8%減。まだまだ回復には遠い結果となりました。

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昨年同月と比較した5~6月の1店舗あたりの平均来店件数(左:5月、右:6月)。緊急事態宣言によって大きな影響があった5月は前年比84.1%減。解除後、少しずつ来店が戻りつつあった6月でも、前年と比べて52.8%減とまだまだ厳しい結果となりました(テーブルチェック調べ)

相次いだキャンセル

もっとも、来店件数が減った理由は、ソーシャルディスタンスを保つために座席を間引くなどの対応を強いられたこともあり、コロナ禍以前と同等の客席数を見込めなかったこともあります。前述の通り、消費者の外食への欲求の高まりはあったものの感染への懸念が飲食店、消費者双方にあったことがうかがえます。

また、6月2日に発動された東京アラートや、6月26日に新規感染者数が50名を超えるなどの際には、キャンセル率が上がる傾向もあり、消費者の新型コロナウイルスに対する不安がそのまま外食産業へ直撃していることもわかります。

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6月2日に発動された東京アラートの影響でキャンセル率がアップ。以降もグラフは大きく山を描いていますが、6月26日の東京都の新規感染者数50名を超えたあたりでさらに上昇。7月最初の土曜日となった4日のキャンセル率は15.2%となりました(同)

6月に意外と増えた「6~10名」の利用客

この時期に来店した人数を見てみると、意外と多かったのが複数名での来店でした。特に5月と6月で見比べて大幅に増えたのが「6~10名」といった大人数での利用。その増え幅は465.3%に上りました。

この背景には、春先に多く予定されていた歓送迎会などの宴会が、後ろ倒しになったこと、外出自粛中は友人らとのコミュニケーションが取りづらくなっていた反動からの利用が増えた可能性が考えられます。

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飲食店を利用した消費者のうち、特に5月と6月で著しく増加したのが「6~10名」での利用(同)

1店当たりの来店人数がもっとも多かった時期は

ここまでのデータを見ると、コロナ禍の数ヶ月間、飲食店の多くが苦境に立たされていたことがわかりますが、「ウィズ・コロナ」時代の生活様式がスタンダードになった夏以降は、来店者数も回復の兆しを見せはじめ、特に「Go To Eat」キャンペーンが始まった10月1日以降、コロナ禍で初めて来店件数が前年比を上回るという結果になりました。

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10月4日までに取得したデータから1ヶ月を暫定値として予測すると、10月は前年同月比で4.6%増の来店件数となります(同)

ただし、これはあくまでも来店件数のデータ。実際の来店人数を見てみると、それでもなお前年同月比に比べると、8割弱に過ぎません。

1店当たりの来店人数は、9月1日から10月4日までの日別での数値を見ると、シルバーウィークが最も多かったことが分かります。「Go To Eat」が始まった後も、その数値を超えていません。

今後順次発売開始が予定されている「プレミアム付き食事券」などによって、さらに来店人数が増えることが考えられますが、完全回復に今後どれだけ時間がかかるかは予測できないでしょう。

外食産業の底力に期待

ここまでのデータで考えられることは、時世を受けての上がり下がりはあるにせよ、外食産業は少しずつ回復に向かっているということでした。特に飲食店を経営する人の立場にたってみれば、日々の来店件数、来店人数に一喜一憂すると思いますが、こういった一定期間のデータを見ると、今日1日だけの結果が、全てではないこともわかります。

テーブルチェック代表取締役・谷口優さんに話を聞きました。

―テーブルチェックでは、来店件数、来店人数などのデータをどのように収集し、サービスとして提供しているのですか?

谷口 :飲食店向けの予約・顧客管理システムと、消費者向けの飲食店検索・予約ポータルサイトの開発・提供のサービスを行なっており、来店件数、来店人数のデータはこれらの管理システムから集計したものです。

―このような来店件数、来店人数のデータをどう活用すべきでしょうか。

谷口 :特に飲食店を経営されている方は、自店舗・自社の回復が早いのか遅いのかを、自社内のデータでしか比較できなかったと思います。しかし、弊社のサービスによって外食産業全体の動向を把握でき、比較しやすくなったことで、様々な対策に繋げられるのではないかと思っています。

歴史上、戦争があっても疫病が流行しても、外食産業は人をつなぎ、人生を彩り、豊かにする必要不可欠なビジネスであり続けてきました。苦しい時が続きますが、一消費者としてはもちろん、企業としても今まで以上に飲食店をサポートできるよう取り組んで参りたいと思います。

消費者の立場に立ってみても、以前のように自由に飲食店を利用できることは喜ばしいことです。感染防止対策を最優先にしながらも、1日も早い外食産業の完全回復を祈るばかりです。

(松田義人)

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