入院管理下の拒食症治療は高カロリー食で始めるほうが有効?

入院管理下の拒食症治療は高カロリー食で始めるほうが有効?

  • @DIME
  • 更新日:2020/11/21
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拒食症治療は高カロリー食で開始すべき?

食事摂取量が極端に少ない状態が長く続き、治療が必要となった患者に対し、すぐに高カロリーの食事をさせることは危険を伴う。

体液量や電解質の急激な変化が生じて、心停止などを起こすことがあるからだ。神経性食欲不振症(拒食症)患者に対する治療でも、低カロリーの食事から始めて、少しずつ摂取量を増やしていくという方法がとられる。

しかし、入院管理下であれば高カロリーの食事でスタートしても安全であり、治療期間も短くなるというランダム化比較試験(RCT)の結果が、「JAMA Pediatrics」10月19日オンライン版に掲載された。

論文の筆頭著者である米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のAndrea Garber氏によると、専門家の間ではこれまでにも高カロリーの食事で治療開始することで、患者の回復を早められるのではないかとの見方があったという。ただし、それを証明する質の高いエビデンスは存在しなかった。

Garber氏らが行ったRCTは、12~24歳の神経性食欲不振症の入院患者120人を対象とするもの。

治療開始時点の摂取カロリーを1,400kcal/日に設定し1日おきに200kcalずつ段階的に増やす従来法群と、治療開始時点で2,000kcalに設定する高カロリー群に分け、安全性や臨床経過を比較した。

治療中に9名が離脱し、111名(平均年齢16.4±2.5歳、女性91%)のデータが解析に用いられた。食事を食べ残した場合は、それに相当するカロリーの流動食を飲んでもらった。

その結果、高カロリー群では従来法群に比べて、治療開始後の早い段階で、徐脈や起立性低血圧の発生頻度が減り、有意に短い期間で臨床的安定性を回復した〔ハザード比1.67(95%信頼区間1.10~2.53)、P=0.01〕。

これに伴い、入院期間は4.0日(同-6.1~-1.9)短縮され、医療費は1万9,056ドル(同-2万8,819~-9,293)抑制された。

Garber氏はこの研究を、「神経性食欲不振症に対する異なるカロリーでの治療アプローチを比較した、初の大規模臨床試験」と位置づけ、「長年行われていた方法よりも、初めから高カロリーを摂取させるというアプローチが有用であることを裏付ける良質なエビデンスを、ようやく得ることができた」と述べている。

ただし同氏は「このような研究を行えるようになったのは、医療技術の進歩により患者の状態を常時監視し、緊急時は迅速に治療できるようになったため」と解説。患者や家族に対して、「家庭では決して試してはならない」と注意を促している。

全米摂食障害協会(NEDA)によると、神経性食欲不振症を抱える人たちは通常、摂取カロリーを極端に減らし、意図的に体重を減らそうとする。

また患者の中には、運動量を増やして体重を減らそうとする人もいるという。一般的な治療として、心理学および栄養学の専門家によるカウンセリングが行われ、状態が深刻な場合には入院治療が必要になる。

今回の報告を、米ノースウェル・ヘルス・シオセット病院のDina Hirsch氏は、「若年の神経性食欲不振症の治療ガイドラインの確立に寄与する重要なエビデンスだ。短期間に体重を回復させるプロセスが、臨床的に良好な結果と関連していることが示された」とコメント。

また、「患者の満足度を高めたり、外来治療での成功率の向上につながる可能性もある」と期待を示している。(HealthDay News2020年10月20日)

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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2771984

構成/DIME編集部

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