フェラガモ、不振のフレグランス部門の製造・流通を外部委託へ

フェラガモ、不振のフレグランス部門の製造・流通を外部委託へ

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/06/11
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イタリアの高級ブランド、サルヴァトーレ フェラガモは6月3日、フレグランス事業に関して、ニューヨークを本社とするインターパルファム(Inter Parfums)と独占交渉中であることを明らかにした。この交渉がまとまれば、フィレンツェに本拠を置く同ブランドの香水の製造および流通が、約20年ぶりに外部に委託されることになる。

ミラノのイタリア証券取引所に上場しているサルヴァトーレ フェラガモによると、全世界を対象とした独占契約は、フレグランス事業を「さらなる飛躍」に導くと同時に、フェラガモというブランドの伝統を守るものであることが必須条件となるという。この伝統には、全世界を網羅する厳選された小売流通ルートや、「メイド・イン・イタリー」というブランドのポジショニングが含まれる。

フェラガモは、革製品に関するイタリア伝来の職人技をセールスポイントとしており、最も知名度が高い製品は靴だ。2020年の実績で見ると、靴は総売上高の41%を占めており、革製品の割合はそれより少し多い42%超となっている。フレグランス(完全所有の別部門、フェラガモ パルファムが製造)が総売上高に占める割合は4.6%で、2019年の6.4%から1ポイント以上落ち込んでいる。

2020年に前年比で半減した、フェラガモのフレグランス売上高
新型コロナウイルスのパンデミックがフェラガモのフレグランス部門に及ぼした打撃は、他の製品セグメントと比べて格段に大きかった。新製品のリリース延期も、これに拍車をかけた。

2020年に同部門の売上高は前年比で半減し、4180万ユーロにまで落ち込んだ。これにより、カテゴリー別の売上ランキングではアクセサリーとアパレルに追い抜かれ、5位に甘んじる結果となった。とりわけ、コロナ禍の期間中、市場全体ではフレグランス自体の売上は底堅い動きを見せていたこともあり、この低迷が今回の決断の決め手となったとみられる。

リソースを効率的に利用するため、フレグランス部門をグループに完全統合する動きは、2020年の段階ですでに始まっていた。そして、製造の外注を視野に入れたインターパルファムとの交渉も、その直後に始まっていたことが判明している。

2021年1月には、18年間にわたってフェラガモ パルファムの最高経営責任者(CEO)を務めてきたルチアーノ・ベルティネッリ(Luciano Bertinelli)が退任。さらに5月1日には、同部門が正式に親会社と統合された。

フレグランス部門の運営は現在、フェラガモ パルファムで最高商業責任者(CCO)を務めていたテオドラ・セヴァスタキエヴァ(Teodora Sevastakieva)が担っている。フォーブス・コムではフェラガモグループに問い合わせたが、インターパルファムとの交渉が正式な契約に至った場合に、同部門が解散ないし縮小されるのか否かに関して、コメントは得られなかった。

一方、1982年創業のインターパルファムは、さまざまな価格帯のフレグランスについて豊富なノウハウを持っている。同社は、全世界で数多くのブランドと独占ライセンス契約を結び、香水や化粧品を製造している。

その提携先は、アバクロンビー&フィッチやコーチ、Guess(ゲス)のような比較的カジュアルなブランドから、ダンヒル、ジミー チュウ、カール・ラガーフェルド、ヴァン クリーフ&アーペルのようなハイエンドの高級ブランドまで多岐にわたる。インターパルファムはまた、ランバンのフレグランス部門や、フランスのブランド、ロシャス(Rochas)のオーナーでもある。

インターパルファムの売上は好調を維持しており、これはフェラガモ パルファムと好対照だ。2021年第1四半期の売上高は前年同期比で大幅増を記録しており、あと少しで2億ドルに届く状態だ。新型コロナウイルスの感染拡大が始まる以前の2019年同四半期と比較しても11%増となっている。

売上増が最も著しかった地域は、北米(56%増)とアジア(34%)だった。インターパルファムによれば、ロックダウンが解除され、店舗の営業が再開した地域で、業績が特に好調だったという。

インターパルファムのCEO、ジャン・マダール(Jean Madar)は5月中旬の発言のなかで、具体的な名前こそ挙げなかったものの、さらに多くのブランドのライセンスを取得したいと明言していた。

マダールは次のように語っていた。「当社では、成長ペースを加速するために、将来的なライセンス契約の締結に向けて積極的に動いている。その対象となるのは、フレグランス事業の活性化に向けて新たなパートナーを探しているブランドだ。もちろん、正式合意に至る保証はないが、当社のポートフォリオに価値あるブランドを加えることは、企業としての最優先事項だ」

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