元プロボクサーの細川バレンタインと申します。第40代日本スーパーライト級王者ですが、パンチの打ち方などを解説しません。元外資系金融機関営業マン、会社経営などを経験してきた特異な経歴を踏まえながら、ビジネスや教育についてYouTubeなどで発信を続けています。
◆成功している人のマインドの特徴とは?

細川バレンタイン
いきなりですが、皆さんにお尋ねします。人生における「成功」とはなんですか?
千差万別の答えがあると思いますが、お金持ちを成功者とみなしていない場面を見たことがないので、「お金持ち=成功者」というのが多くの方が抱く一般的な認識なのだと考えています。
私独自の答えは「成功=『幸せだ!』と感じて生きていること」です。具体的にどういう状態が幸せかというと、私の場合、「好きなことに没頭できている」になります。
なので、現代社会の「成功の定義」を踏まえながら、私の考える「成功」の状態も満たすためには好きなことに没頭しながら、お金持ちにならないといけません。
◆「好きなことだけで生けていけない」と信じていた過去
しかし、こういう話をすると、たいてい「好きなことだけで成功できるほど、社会は甘くないよ!」と言われます。特に会社員の方にそう言われることが多いように感じます。
実は大手外資系金融会社に勤めていた頃の私も「成功とはお金であり、好きなことだけで生けていけない」と考える一人でした。
そんな私も37歳のときに起業し、今年で立ち上げた会社は5年目になります。
◆「好き」にまつわる2つのことわざ

私が起業するきっかけとなったのは当時、会社の仕事に集中するために雑念を払い、「好きなことだけでは生きていけないのだ!」ということを自分に言い聞かせるために、2つのことわざについて考えたことでした。
①好きこそものの上手なれ
<意味>楽しんでやることによってうまくなるものであるということ、又は、あることに熟達するには、それを楽しめるようになることが肝要であるということ
②下手の横好き
<意味>ある物事が「下手」なのにもかかわらず、好きで熱心に取り組み続けること
この2つの有名なことわざを、皆さんもご存じだと思います。
◆「好き」と「成功」は両立しないのか?
私は「何事も上手にならなければ、人からお金はもらえない!」と考えていました。しかし、②のことわざは、①の対義のような意味であり、好きであったとしても下手なままでいることはありえます。
日本の先人たちも、それに気づいていたから、②のことわざができたのだと思ったし、「好きなことをするか? 成功する道を選ぶか? 誰もがどちらかを決めないといけないのだ!」と結論に至ろうとしていました。
ただ、ここで②のことわざの「横」という字が、すごく気になったのです。なぜ下手の「大」好きとか、下手の「超」好きではないのだろうかと思ったのでした。
そこで、「下手の横好き」の語源を調べることにしたのです。
◆中途半端にやっているからいつまでも上達しない

調べてみると、「横」というのは「本筋から逸れている」という意味があるようで、「本筋から逸れたことをするからずっと下手のまま」という意味であることを知りました。
本筋から逸れている「横」をやっているということは、好きなことに没頭せずに、中途半端にやっているということだから、当然、上手になるはずはないんです。
そして、実は①と②の2つのことわざ、もともとは対義的な意味としてできたわけではないということを知りました。
◆「好きか? 成功か?」の2択は完全に間違い
日本の先人たちは、ちゃんと気づいていたんです。
〇好きなことに没頭すれば、必ず上手になる
→好きこそものの上手なれ
〇好きな事を中途半端にやると、下手のまま
→下手の横好き
つまり、①と②のことわざは、実は同じことを言っているのだと私は理解し、「成功しながら、幸せになるには好きなことに没頭するしかない!」と確信したのです。
以前、私が考えていた、「好きなことをやるか? 成功の道を選ぶか?」の2択は完全に間違いでした。
「好きなことに没頭した延長線上に、人の役に立てるくらい上手な自分がいて、その結果としてお金もついてくる!」というほうがしっくりくると思ったのです。「好き!」こそ成功の合言葉だと私は考えています。
◆人の役に立つ自分を作るまでには時間がかかる

確かにいきなり今日、この瞬間から好きなことに没頭して、生きていけるわけではないです。人の役に立つ自分を作るまでには、どうしても時間はかかります。
なので、まず今やっていることのなかから「好き」な部分を見つけて、そこを中心に没頭してみるのはどうでしょうか?
好きなこと以外で人が本気になれることは絶対にないし、本気にならなければ、人の役に立つくらい上手になることもないのですから。
◆「好き」だからこそ自身の本気を引き出すことができる
あなたの本気を引き出すために自分自身の「好き」を大事にしてほしいと思います。
「好きなことだけで成功できるほど、社会はあまくない!」と考える、すべての皆さまに送りたい言葉があります。
「好きでもないことを嫌々やりながら、成功できるほど、社会は甘くないぞ!」
好きなことだけで生きている男、細川バレンタインより
【細川バレンタイン】
元プロボクサー。1981年、ナイジェリア人の父、日本人の母から生まれる。2006年、25歳でボクシングプロデビュー。外資系金融機関で営業マンを務めるかたわら、2017年に第40代日本スーパーライト級王者となる。2021年に現役引退し、現在はYouTubeチャンネルの運営、不動産事業、宿泊事業を手掛けている