「慰安婦賠償判決」がまったくのデタラメである理由

「慰安婦賠償判決」がまったくのデタラメである理由

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  • 更新日:2021/01/13
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文在寅政権下、韓国の反日の度合いは増している(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

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慰安婦への犯罪は朝鮮人を含む民間人の仕業

李 宇衍(落星台経済研究所研究委員)

故裵春姫(ぺ・チュンヒ)など12人の元日本軍慰安婦が日本政府を相手取って原告1人当たり1億ウォン(約948万円)の損害賠償金を要求した訴訟。韓国ソウル中央地方裁判所民事第34部は1月8日、原告の主張と要求を全面的に受け入れ、原告勝訴の判決を下した。言うまでもなく、この判決はでたらめだ。

まず、この判決は「反人道的不法行為に対しては主権免除が適用されない」という筋が通らない論理を根拠としている。原告らは「(日本国政府が)組織的、計画的に慰安婦制度を設けて運営し、慰安婦を動員する過程で植民地として占領していた朝鮮半島に居住する原告らを誘拐、拉致して朝鮮半島の外に強制移動させ、原告らを慰安所に監禁したまま常時、暴力、拷問、性的暴行に晒した」と述べ、裁判所はこの主張を認めた。しかし、日本政府や軍がそのような不法行為を行なった証拠はない。

慰安婦を動員する過程で誘拐や拉致があったとしても、それは朝鮮人を含む民間の仲介業者や斡旋業者の仕業だった。「日本軍部の組織的、強制的な慰安婦動員の証拠」だと誤って伝えられた「軍慰安所従業婦等募集に関する件」という文書は、慰安婦を募集する上で誘拐や拉致など不法行為があってはならないという指示だった。慰安婦募集の過程であったとされる不法行為は、日本政府や軍ではなく民間人によって行われており、解放以後の韓国と同じである。つい最近まで韓国では若い女性を拉致・誘拐し、性売買業に従事させる犯罪がたびたび発生した。

慰安所内での暴力行為も同様だ。そうした不法行為の主体も慰安所経営者や管理人であり、日本政府や軍ではなかった。むしろ、日本の軍人が慰安婦を暴行すると処罰の対象になった。慰安所は性売買業という業種の特性上、慰安婦と経営者や管理人の間の意思疎通が大切で、多くの朝鮮人が慰安所の経営や管理に参加した。慰安婦に対する暴力行為は、今日の性売買業の事業主による性労働者暴行と類似している。今日、性産業に従事する者を暴行したら警察が検挙して処罰するように、一種の公娼である日本軍慰安所で、仮に軍人が慰安婦を暴行したら、日本軍がその兵士を処罰することになっていたのだ。

つまるところ、慰安婦に関連する「人道に反する犯罪」があったのであれば、それは朝鮮人を含む民間人が行った犯罪であり、日本政府の犯罪ではなかった。日本政府がそのような犯罪行為を行ったという証拠はまったくない。したがって、慰安婦問題に関連して、日本政府が「主権免除」の対象になるか否かを争う必要すらないのだ。慰安婦を動員する過程で警察や軍人などの不法行為があった根拠としてたびたび元慰安婦たちの“証言”が取り上げられているが、彼女らの証言も信頼できず、証拠として採択できない。「証言」の一貫性がないからだ。

韓日協定当時、慰安婦は問題にもならず

一部の慰安婦は、自分の意思に反して、日本の警察や軍人によって「強制連行」され、慰安婦にされたというが、それは初期の証言には見られない。例えば、両親など家族による人身売買や知人の就職詐欺で慰安婦になったという証言だ。

現在も生存し「強制連行」されたと主張する元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏は、初期には「国民服に戦闘帽を被った男が服の包みを一つ渡し、その中にワンピースと皮靴があるというので、包みを覗いてみると、確かに赤いワンピースと皮靴が見えた。それをもらえる子供心がどんなに嬉しかったのか分からない。 そのためほかのことは考えられず、すぐについて行くことになった」と証言した。

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ソウルの慰安婦増(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

ところが、数年後には「寝ていたときに軍人に捕まった」と言葉を変えた。このように一貫性のない発言を証拠として採択することはできないのだ。

ソウル中央地裁は、元慰安婦の損害賠償請求権は「1965年の韓日協定の適用対象に含まれていないため、請求権が消滅したとはいえない」と述べた。1965 年の請求権協定ですべての問題が「完全かつ最終的に解決」されたことは再論を要しない。韓日協定当時、韓国や日本が慰安婦問題をともに解決しなければならない外交的な問題という認識さえしなかった。

つまり、両国間でいかなる方法であれ、解決しなければならない問題、あるいは日本が行なった不法行為として損害賠償をすべき問題だと認識しなかったということだ。当時の制度や認識において「人道に反する犯罪」どころか、一般的な犯罪行為でもなかったものを、今になって日本の歴史的、反人道的悪行と規定し、遡及して罪を問い、損害賠償を求めることはできない。

まず当時、韓国と日本では日本軍慰安婦の存在は知られていなかった。それを“犯罪”と認識していなかったのである。

1951年朝鮮戦争当時、韓国軍は士気を高揚させ、性的欲求が解消できなくなったことによる副作用を予防する目的で、「特殊慰安隊」を設立した。韓国陸軍本部が1956年に公式編纂した「6.25事変後方戦史」の記録だ。韓国陸軍は、日本軍慰安婦をモデルにしたに違いない。

また、当時も米軍慰安婦、連合軍慰安婦が存在した。軍人を相手にする慰安婦と慰安所の存在は、戦争という特殊な状況で、貧しい女性たちと性を買おうとする莫大な数の若者たちがいたという一般的な条件が結合されて発生した、ただ当たり前のことだった。

韓国政府が韓日国交正常化に向けた約15年の交渉の過程で、一度も日本軍慰安婦問題を提起しておらず、韓日協定に激しく反対した学生と野党もその問題を全く提起しなかったのも同じ理由からだ。

繰り返しになるが、韓国が被害を受けた問題として日本に何らかを要求をすべき事項、日本政府の不法を指摘し、賠償を要求する事項ではなかったのである。 日本では、1991年に韓国人元慰安婦の金学順が初めにカミングアウトをして韓国と日本でビッグイシューになってから今まで、自分が日本軍慰安婦だったと明らかにした日本人女性はただ1人もいないという事実も参考に値する。

韓国の三権分立はたわごと

日本軍慰安婦問題で“最終的かつ不可逆的な解決”で合意した2015年の「韓日慰安婦問題合意」に対して、韓国裁判所は、訴訟を提起した12人の原告らが合意の適用対象に含まれないとした。12人の原告のうち6人は、2015年の日韓合意に基づいて日本政府が出資し、設立された「和解・癒し財団」から1億ウォンずつをすでに受領しているという。 12人の原告のうち、一部が和解癒し財団から慰労金を受領したことは明らかな事実だろう。このような状況で、これらの原告らが2015年の合意内容の適用対象に含まれないなど、一体何を言っているのか分からない。

このようなでたらめな主張をする表面的な論理が何なのか、これまでの韓国の裁判所の行動を見れば推測できる。

2011年に出た韓国憲法裁判所の慰安婦問題関連の判断と、2018年における最高裁判所の戦時労働者(徴用工)に対する判決がそれである。これらを統合すると「強制・強要された慰安婦動員と性奴隷生活は不法だが、2015年合意では、その不法性が明示されず、不法行為の損害賠償も行われなかった。したがって、原告らは損害賠償金を請求することができる」という論理だろう。

ここで我々は、2015年の日韓合意のような外交的約束の効力は、その約束をした政府だけでなく、立法府と司法府にも及ぶという点を想起しなければならない。そうでなければ、どの政府が他国政府と外交協約など約束するのか。 韓国政府は「三権分立」を云々するが、それがたわごとである理由も同じだ。日本政府が再び韓国政府と外交的合意をしないと言ってもおかしくない状況に陥ってしまった。

李 宇衍

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