
大熊町の特定復興再生拠点区域の解体工事現場から、作業員が放射線量を測っていない鉄くずなどを無断で持ち出して、売却していたことがわかりました。
【山澤渉記者】
「大熊町の図書館の解体工事現場です。この現場から、業者が鉄くずを無断で持ち出した疑いが持たれています。」
帰還困難区域に設定された、特定復興再生拠点区域では、先行して建物の解体や除染などが行われています。
環境省などによりますと「大熊町図書館・民俗伝承館」の解体工事現場で、2023年4月から6月ごろにかけて、下請け企業の作業員らが、放射線量を測定せずに鉄くずなどを無断で区域外に持ち出して売却していたということです。
帰還困難区域などの解体工事で出た廃棄物については、指定の仮置き場に集められた後に、放射線量を測定することなどが法律で定められています。
放射能濃度が1キロ当たり100ベクレル以下などの基準を満たせば再利用されますが、それ以外は、中間貯蔵施設や専用の処分場へ搬出されることになっています。
この問題で、伊藤信太郎環境大臣は「受注者が適切に工事や仮置き場の管理ができるように、指導監督して参りたい。」と述べました。
警察は「相談を受けて捜査を進めているが、捜査に支障をきたすため詳細は差し控える」としています。