黒部市宇奈月町の下立地区に伝わる信仰行事「おおべっさま迎え」が20日行われ、住人が「姿が見えない神」を自宅に招き、酒や料理でもてなしました。小丸記者のリポートです。
柳原欣一さん
「長い間どうもお疲れさまでした。どうぞお入りください」
「おおべっさま」は、福の神“恵比寿様”がなまったものです。下立地区の柳原欣一さんの家では、、姿の見えないおおべっさまを玄関から迎え入れ、手厚くもてなしました。
柳原欣一さん
「少しお休み下さい」
柳原恵美子さん
「お風呂がわきましたのでどうぞごゆっくりお入りください。こちらになります」
妻の恵美子さんは風呂場へ案内します。
「湯加減いかがですか?ありがとうございます」
腹合わせのタイや、二股大根などを御膳に供え、柳原さんはおおべっさまに酒を振る舞い、五穀豊穣への感謝を述べました。
柳原欣一さん
「お陰様で、お米も畑の野菜もたくさん作らせていただきました。ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします、さあどうぞ」
おおべっさま迎えは、40年前に「越中の田の神行事」として、国の「記録作成措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されていますが、地区では作法を伝承している人が少なくなっているということです。
柳原欣一さん
「ご先祖様も、その時その時のご苦労もあったと思うので、そういうことに思いを馳せながら、この行事をつないでいきたいなと思っています」
おおべっさまには2か月間滞在してもらい、朝食を振舞ってから見送るということです。