中村勘三郎と坂東玉三郎の名演再び 「月イチ歌舞伎」で非日常へトリップ

中村勘三郎と坂東玉三郎の名演再び 「月イチ歌舞伎」で非日常へトリップ

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  • 更新日:2021/06/16

映画館で名作歌舞伎が観られる「月イチ歌舞伎」

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中村勘三郎と坂東玉三郎が出演する6月のシネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網』。

3度目の緊急事態宣言発令から1か月超、ようやく制限付きではありますが、東京や大阪で映画館が再開しました。これを待ち望んでいた映画ファン、エンタメファンも多いのではないでしょうか。

「映画館に行くなら、めいっぱい“非日常”に浸りたい!」という方におすすめなのが、月替わりでシネマ歌舞伎を上映する「月イチ歌舞伎」。人気の歌舞伎作品を、故・中村勘三郎や片岡仁左衛門、坂東玉三郎をはじめとする歌舞伎界を代表する出演者の豪華競演で見ることができるのです。

セリフが分からないからといって敬遠するのはもったいない。現代の言葉づかいで演じられる作品もたくさんありますし、豪華絢爛な衣装や独特の音楽、そして指先まで神経の行き届いた細やかな演技を見るだけでも楽しいはず。

江戸時代より綿々と続いてきた歌舞伎は、もともと庶民の娯楽。ストレスフルな毎日をリセットしてくれる、歌舞伎の“エンタメパワー”を享受しましょう!

◆6月『鰯賣戀曳網』

まず6月に上映される『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』は、シネマ歌舞伎今年の新作。実は劇作家として歌舞伎も手掛けていた三島由紀夫の作品です。2009年1月の「歌舞伎座さよなら公演」にて上演された舞台が、シネマ歌舞伎として蘇りました。

物語の筋はシンプル。おちゃめでユーモラスな鰯の行商人、鰯賣猿源氏と、秘密を抱えた気品溢れる美しき遊女、蛍火が出会い、恋が成就するまでを描きます。このふたりを愛嬌たっぷりに演じるのは、中村勘三郎と坂東玉三郎。息の合った掛け合いが見どころです。

緻密で時に難解とも評される三島由紀夫の小説のイメージとは打って変わって、この『鰯賣戀曳網』を包み込むのは大らかで和やかなムード。難しいことは考えなくてOK。主役ふたりのラブラブっぷりを愛でればよいのです。映画館を出る頃には最高にハッピーな気持ちになっていることでしょう。

シネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網』

上映期間 2021年6月4日(金)~6月24日(木)
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/45/

◆7月『籠釣瓶花街酔醒』

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7月『籠釣瓶花街酔醒』。

7月のシネマ歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』で見られるのは、中村勘三郎、坂東玉三郎、片岡仁左衛門の3名による豪華競演。ただこちらはハッピーなだけでは終わらない、最後にゾッとするようなオチが待っている作品です。

舞台は吉原。中村勘三郎演じる上州佐野の絹商人・佐野次郎佐衛門は、坂東玉三郎演じる吉原一の花魁、八ツ橋の花魁道中に遭遇し、あまりの美しさに魂を奪われます。吉原に通い詰める佐野次郎佐衛門ですが、実は八ツ橋には、片岡仁左衛門演じる繁山栄之丞という浪人者の恋人がいて……。

序盤の見どころは、何と言っても花魁道中の美しさ。八ツ橋の微笑をたたえた一瞥に、観ている私たちも心を射抜かれるはず!

そんな華やかな場面からスタートする『籠釣瓶花街酔醒』ですが、物語のベースにあるのはかの有名な「妖刀村正」伝説。八ツ橋への恋心をくじかれた佐野次郎左衛門による、終盤のサスペンスな展開も見ものです。

シネマ歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』

上映期間 2021年7月23日(金)~7月29日(木)
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/20/

◆8月以降も注目作品がいっぱい!

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8月『大江戸りびんぐでっど』。

8月以降のラインナップも要チェック。まず8月の『大江戸りびんぐでっど』は、宮藤官九郎の作・演出による新作歌舞伎。くさや汁を浴びた死人が“ぞんび”として生き返るという衝撃的な設定で、歌舞伎座の花道をぞんびが埋め尽くした斬新なエンタテインメント作品です。

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9月NEWシネマ歌舞伎『四谷怪談』。

9月はさらなる進化を遂げた怪談噺の最高傑作『四谷怪談』がシネマ歌舞伎に登場。串田和美の野心的な演出に、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、中村扇雀らが集結したコクーン歌舞伎が、ドラマティックな映像作品として新たに生まれ変わりました。

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10月『ふるあめりかに袖はぬらさじ』。

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2022年1月『京鹿子娘五人道成寺/二人椀久』。

10月以降も華やかさにあふれる作品が目白押し。どれも上演当時大評判になった舞台を映像化したものですから、それぞれに異なった魅力を発見することができるでしょう。

コロナ禍の影響もあり、歌舞伎の楽しみ方は舞台やテレビ放送だけでなく、シネマや配信など多様に広がりました。身近にある“非日常”に、ぜひトリップしてみてください。

●コラム「春風亭一之輔さんが語る歌舞伎の魅力」

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人気落語家の春風亭一之輔さんは、忙しい寄席の合間を縫って毎月歌舞伎を観に行く歌舞伎通。「見た目の華やかさですとか、現れたときのあっと言わせるインパクトは、歌舞伎にはかなわないなと思います」とその魅力を話す一之輔さん。シネマ歌舞伎の良さを伺うと「セリフがスッと入ってきやすいし、またアングルにも工夫があって、“この顔が見たかった”という表情をリアルに見られて面白いですよね」と分析。一足先に鑑賞した新作シネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網』を振り返り、「勘三郎さんや玉三郎さんが現れただけでお客さんがウキウキしたのが、シネマ歌舞伎の画面越しにもわかりました。」と笑顔を見せました。
2021年の上映予定作品のうち、気になっている演目はキャスティングの豪華な『籠釣瓶花街酔醒』や舞台未見の『大江戸りびんぐでっど』。「今年の上映ラインナップには無いですが、落語家としては『人情噺文七元結』や『らくだ』も気になります。特にシネマ歌舞伎になった、中村勘三郎さん、坂東三津五郎さんの『らくだ』は贅沢。あとは『人情噺文七元結』のおかみさん役は落語でもとても難しい役なので、先代の中村芝翫さんが演じられているのは観てみたいですね」と、落語家ならではの目線も印象的でした。

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「月イチ歌舞伎」2021

https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/tsukiichi/index.html

●シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』追加上映が決定!
東劇:7月16日(金)~7月29日(木)
MOVIX亀有、MOVIX昭島、109シネマズ二子玉川、なんばパークスシネマ、109シネマズ箕面、MOVIX八尾、MOVIX堺:7月16日(金)~7月22日(木)

文=CREA編集部

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