関節リウマチが治る病気に...パラダイムシフトを引き起こした「MTX」とは?

関節リウマチが治る病気に...パラダイムシフトを引き起こした「MTX」とは?

  • 幻冬舎ゴールドライフオンライン
  • 更新日:2022/08/06
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【前回の記事を読む】リウマチ治療の第一人者が語る、医学界の「歴史的快挙」とは

広島県にリウマチ学を移植する

リウマチは治る―関節リウマチ治療のパラダイムシフト

2010年を過ぎた頃より面白い現象が起きている。MTX、アラバ、プログラフなどの従来薬を使った治療法でバイオを上回る治療効果が出始めたのである。使う薬剤は以前と同じであるが使い方が上手くなったのに加え、患者が関節リウマチを恐れなくなり、患者自身が病気を良くしてくれていると感ずる現象が生ずるようになった。

関節リウマチはストレス病の代表であったが治療を通してストレス病、メンタル病であることが実証されたのである。Bio freeでBioに匹敵する治療効果を求めて私は孤軍奮闘している。

目下の成績はBioの効果と変わらないし、副作用も軽微であり、回避可能である。いやむしろ有効率から見ると優れている。医療費はBioに比べて激安である。

関節リウマチはストレス病の代表であることに変わりはなく関節変形が最大のストレスであり、経済的負担もそれに勝るとも劣らないストレスである。ストレスを除き、安価でかつ効果的なBio freeのMTX(メソトレキセート)を中心とした治療法は、Bioに匹敵する治療法であり、これらの試みを通してデータを蓄積する事で将来必ずや多くの患者に福音をもたらすと信じ私は毎日の診療を続けている。

リウマチはストレス病で、患者自身がストレスフリーの状態となっており、自ら治す力を持っている。これらをベースにして従前の薬で十分治療できますと話しても、理解してもらえないことが多い。悲しいことである。世界の70億人の0.5%の内60~70%の患者は経済的理由からBioの恩恵の外にいるのである。即ちメーカー主導で安価な治療法を消去してしまってはならないのである。

事業活動はあざなえる縄の如し

開業して、4~5年過ぎたころ当時使っていたMTXというリウマチの特効薬の効果が予想以上に良くなってきた。投与量を増やし、我々がその薬剤をうまく使いこなせるようになったが故である。

加えて1998年頃、たまたま目にした英文ジャーナルにTNFα抗体がアメリカのFDA(食品医薬品局)を通過し、患者に使用できるようになったという記事を目にした。その効果は劇的で、患者のリウマチ状態はかつて経験したことのないほど改善し、かつ骨破壊を防止するどころか修復までするとの記事であった。

治験段階で、学会、医学ジャーナルには関連情報が流されず、我々はその存在を知らなかったわけである。まさに青天の霹靂であった。それを契機に関連情報が次々と報告されるようになり、MTXの効果は良くなる上に、関節リウマチ治療にパラダイムシフト(革命的変革)が起こり、関節リウマチが治癒するとの情報が一気に噴出してきた。2000年前後のことである。

患者さんにとっては大変な朗報である。しかし、10人近くいた入院予約待機者はそれを契機に減り続けたが、借入金は大部分残っていた。私自身深刻な危機感を覚えた。2~3年は猶予がある、病院が元気なうちに何か新しい事業をはじめねばならないと考え、日夜思いを巡らせる日々が続いた。

遡ること2~3年前のある日の午前中、病室の詰所の窓から外を眺めていると3台の大型バスが列をなして西条インターより、市内に入ってきているのを目撃した。観光バスではない。看護師を呼んで、あのバスはなんだと聞くと、「広島市内の健診会社のバスです。よくこの前を通ります」という。

この時はああそうかという思いで聞き流していた。病院があまりに忙しく他のことに気を回すゆとりもなかった。またその必要もなかった故である。

パラダイムシフト:その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが根底から変化すること。

山名 征三

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