女子アジアカップ3連覇を狙う新生なでしこジャパン 前体制とは“北風と太陽”、池田体制の“新コンセプト”とは?

女子アジアカップ3連覇を狙う新生なでしこジャパン 前体制とは“北風と太陽”、池田体制の“新コンセプト”とは?

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  • 更新日:2022/01/15
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なでしこジャパンはアジアカップで大会3連覇を狙う【写真:©JFA】

【プレビュー#1】池田新監督が浸透させる「奪う」「相手の強みを消す」意識

昨年の東京五輪でベスト8に終わったなでしこジャパン(日本女子代表)は、高倉麻子前監督が退任。バトンを受けた池田太新監督の下、1月20日から開幕する女子アジアカップで大会3連覇へ挑む。

前任の高倉監督は、攻撃的なチーム作りを志向し、数多くの選手の組み合わせを試した。ベスト16に終わった女子フランス・ワールドカップ(W杯)から、東京五輪に向けて攻撃力の強化に舵を切ったが、ゴール数は伸びなかった。

フィジカルで勝る欧米の列強が敷くブロックを崩せず、オープンな展開になったグループリーグ第2戦のチリ戦でも1点止まり。一方で、犠牲にした守備力の低下は否めず、相手に渡ったボールを奪い返すのにも苦労する状況を招いた。得点力不足の原因は、決定力不足ではなく、決定機そのものが少なかったことによる。

池田監督は就任後まず、この部分に手を入れてきた。「奪う」というコンセプトを強く打ち出し、欧州遠征のアイスランド戦(0-2)、オランダ戦(0-0)では、相手ボールへの迫力ある寄せが、目に見えて増えた。良い形でボールを奪う回数が増えれば、それは日本のストロングポイントである攻撃力のアップにもつながる。

攻撃、特に最終局面の打開は、既成勢力に頼ることになる。やや乱暴な言い方をすれば「攻撃そのもの」ではなく、「攻撃のための準備」から始めているということだ。北風と太陽ではないが、先任者とは逆のやり方で、問題の解決に取り組んでいるように見える。

3連覇がノルマは酷だが、世界一返り咲きに向けては重要な一歩

もう1つ期待したいのが、対戦相手の強みを消すという部分だ。欧州遠征第一戦のアイスランド戦では、時間がそれほど多くないなかでも、スピードがあり、ロングスローもあるFWスベインディス・ジェーン・ヨンスドッティルの特長をチームで共有し、これに対するトレーニングも積んでいた。

試合前日のオンライン取材でDF熊谷紗希に、大きな特徴であるヨンスドッティルのロングスローへの準備を尋ねると、「右でも左でも投げてくると思うので、それに対して自分たちがどういう形で守るか。そして、相手のフリーマンを2人で挟んで配置できるようにトレーニングしてきた」との答えが返ってきた。

結果だけを見れば、警戒していたヨンスドッティルが2得点に絡み、池田ジャパンは黒星スタートとなった。だが、準備をしてできなかったことと、まったく備えていなかったことには、大きな違いがあると言えるだろう。

ともすれば、自分のチームの積み上げだけを考えたい親善試合の段階から、対戦相手ありきで考えるのだから、真剣勝負で注意を払わないわけがない。合宿初日のオンライン取材では、報道陣からグループリーグの対戦国の特長を訊かれて、言葉を濁していたが、それはしっかりとスカウティングができている裏返しにも感じられた。

今回より準備期間があった前回、前々回でも、薄氷を踏みながら、アジアの頂点へ到達した。チーム立ち上げから半年足らずの初動段階で、対外試合は2戦を消化しただけ。しかも、3回予定していたキャンプのうちの1回は流れている。

そうしたことを考えれば、大会3連覇をノルマとするのは酷だろう。しかし、世界一への返り咲きを見据えれば、ここで目標を低く設定することはできない。池田監督のチームが厳しい状況をクリアし、多くの経験値を得て、最後に笑顔で終えられる。そんな大会になることを期待したい。(西森 彰 / Akira Nishimori)

西森 彰

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