瀬戸康史が三谷幸喜の舞台に初参戦! 「芸達者な大先輩たちと仲良くなりたい」

瀬戸康史が三谷幸喜の舞台に初参戦! 「芸達者な大先輩たちと仲良くなりたい」

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  • 更新日:2020/11/22

三谷さんの作品は、作品に対しても役者に対しても愛が溢れている

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ジャケット62,000円、パンツ39,000円/ETHOSENS(エトセンス オブ ホワイトソース 03-6809-0470) その他スタイリスト私物

現在放送中のドラマ「ルパンの娘」にて、正義感あふれる和馬役で活躍中の瀬戸康史さん。

甘いマスクから、映像では真摯な男性役をやることが多いが、舞台ではとんでもなく振り切れた役をパワフルに演じており、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)、前川知大、河原雅彦ら数々の演出家に愛されている。

そんな瀬戸さんが満を持して、三谷幸喜さん演出の舞台に初参戦! 三谷さんが最も敬愛するニール・サイモン『23階の笑い』に出演する。稽古が始まったばかりの瀬戸さんに、本作への心意気を語ってもらった。

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――瀬戸さんは、今回『23階の笑い』で三谷幸喜さんと初タッグを組まれます。お会いになるのも初めてだったそうですね?

プライベートな場所で一方的にお見かけしたことはあり、柔らかそうな方だなと思っていたのですが、今回初めてお話しさせていただいて、やっぱりお優しい方だなと感じました。

作品に入る前は、ナイーブになることが多いですが、今回は偉大な三谷さんとやらせていただくプレッシャーよりも、楽しみのほうが大きかったですね。

――三谷さんの作品についてはどんな印象を持っていましたか?

舞台も映画も、共通して愛があるなと思いながら観ていました。作品に対しても役者に対しても愛が溢れている。

どんなに小さな役だったとしても、思いを込めて描かれていらっしゃると思います。

――たしかに、最初は嫌な人のように感じても、物語が進むにつれてチャーミングに見えてくることが多いですね。

そうなんです。演じるほうとしては、気持ちが上がりますし、頑張ろうという気持ちになりますよね。

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今作はセリフがないときの芝居がすごく大事になる

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――『23階の笑い』は1953年、人気コメディアンのマックス・プリンスのニューヨークにある事務所が舞台。マックスとそこに集まる、個性あふれる放送作家たちの物語です。

僕の演じる役はルーカスといって、そのなかで一番若い新人の作家。向上心があり、はやくこの事務所になじみたいと思っている男です。

三谷さんご自身も昔、放送作家をなさっていて、ルーカスと同じように先輩の放送作家たちと事務所に通い、台本を書いていたそうです。

いまのテレビ業界のあり方など、三谷さんなりに考えていらっしゃることがあり、この作品の上演にあたり、いろんな思いが詰まっていると稽古初日に話してくださいました。

――本読み(出演者が脚本を読み合わせる稽古)はいかがでしたか?

これは放送作家たちの会話劇で、いろんなところにギャグがちりばめられているんです。

アメリカの戯曲なので、アメリカン・ジョークが山ほどあり、三谷さんは日本人向けに上演台本を調整してくださっているのですが、読み合わせでは、「ここもギャグだったんだ!」と初めて気づくようなポイントがたくさんありました(笑)。

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――瀬戸さんはKERAさん作・演出の舞台などコメディ色の強い作品にも出演されていますが、ニール・サイモン&三谷幸喜作品とはまたスタンスが違うのでしょうか?

そうですね……。たとえばKERAさんの『陥没』(2017)などはアホな子の役だったので、台本のまま素直に演じることが笑いにつながりました。

でも今回は、登場人物たちが、相手を笑わせようとして面白いことを言い合うんです。

計算された笑いというか、「ウケるだろ?」と思いながら言ってみたことが滑って笑われる場面もあって、さじ加減が難しそうです(笑)。

――なるほど!

それから、オフィスが舞台なので、他の人が話している間、無言で作業をしなければいけない場面も多い。

そういうセリフのないときの芝居がすごく大事になるような気がしています。

ちゃんと舞台の上で登場人物たちが生きていないと、お客さんは冷めてしまいますから、責任重大ですよね。

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芸達者な大先輩たちと仲良くなれたら

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――放送作家という仕事に就いている人々は、俳優の瀬戸さんの目にはどんなふうに映っていますか?

俳優もスタッフさんも同じ。表舞台に出ている人だけが偉いわけではなく、作家さん、照明さんや音響さん、衣装さんなど、皆さんがいなければ作品は完成しないということを常々思っています。

ただ、放送作家さんについてはクレイジーな方が多いような(笑)。「よくそんなことを思いつくなあ」といつも驚かされます。

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――人気コメディアンのマックス役には小手伸也さん。マックスの仲間の放送作家たちには、浅野和之さんや梶原 善さんら三谷組の常連の俳優さんもご出演。共演者の方々についてはどのように思っていらっしゃいますか?

本当に大先輩の芸達者な方ばかり! 一癖も二癖もあるようなキャラクターたちの会話劇なので、チームワークが良くないと、きっと成立しません。皆さんと仲良くなりたいなと思っています(笑)。

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――2017〜8年は、『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』(前川知大脚本・演出)、『陥没』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出)で共演した山内圭哉さんに、出番直前に舞台袖で背中をさすってもらうなど、緊張をほぐしてもらったとおっしゃっていました。

そうなんです(笑)。あの1年は山内さんとの共演が続いていて、お兄ちゃんのように優しくしてもらいました。

――その前には『マーキュリー・ファー』(フィリップ・リドリー作、白井晃演出 2015年上演)というハードな内容の舞台で、兄役だった高橋一生さんに励ましてもらったと話しておられました。今回はどなたに慰めてもらいそうですか?(笑)

ええ? 誰でしょう?(笑) 皆さん大先輩で、松岡(茉優)さんだけが年下。彼女とはお互い10代だったころから知っているんですよ。だから、彼女に甘えるのはちょっと恥ずかしいですね(笑)。

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いまの時代は、僕みたいなざっくりした性格のほうが生きやすいのかも

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――今年の5月には、コロナ禍により出演予定だった舞台が稽古中に中止が決定するなど、残念な経験もされています。自粛中はどうされていたのですか?

ずっと絵を描いていました。僕にとって、無心になれることは絵を描くこととゲームだけなんです。

映画を観ていても小説を読んでいても、どこか仕事脳を使ってしまって、休めているのかわからない状態になってしまいます。

仕事とは全く別のことをするほうが、リフレッシュできていいですよね。

――俳優さんはお仕事柄、常に心をニュートラルな状態にする技を持っているように思います。不安なことの多いいま、なにかコツがあったら教えてください。

ニュートラルになれるかどうかって、性格によるものなんじゃないですか(笑)?

比較的ニュートラルでいられる人もいれば、波のある人もいる。僕は自分では、あまり波はないほうだと思っていますけど。

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――トラブルがあっても、すぐに乗り切れるほうですか?

そうですね。

仕方がない。これもひとつの運命なのかな、と思えるタイプです。いまの時代は、もしかしたら僕みたいなざっくりした性格のほうが生きやすいのかもしれないですね(笑)。

――瀬戸さんのような安定した人がそばにいると、周囲の人々も落ち着いていられそうです。

今回、『23階の笑い』の脚本を読んで改めて感じたのは、「笑い」や「幸せ」の種は実はそこらへんに落ちていて、そこに目を向けるか向けないかで日々の生活は大きく変わるんじゃないか、と。

この物語の登場人物たちは、いろんなところにアンテナを張って、面白いものを常に探している。そういう生き方はすごく幸せなだと思ったんです。

この作品に出ることは、ずっと前に決まっていましたが、世の中が沈んでいるいま、これを上演する意味はあるのかもしれませんね。

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瀬戸康史(せと・こうじ)

1988年生まれ、福岡県出身。2005年デビュー。2017年舞台『関数ドミノ』にて、第72回文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。最近の主な出演ドラマに、「透明なゆりかご」(18 NHK)、連続テレビ小説「まんぷく」(18-19 NHK)、「私の家政夫ナギサさん」(20 TBS)、映画に『寝ても覚めても』(18)、『事故物件 怖い間取り』(20)など。舞台では、河原雅彦、前川知大、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、寺十吾らの演出作品に出演してきた。現在、「ルパンの娘」(フジテレビ)に出演中。

シス・カンパニー『23階の笑い』

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舞台は1953年、ニューヨーク57丁目通りのビルの23階にある、バラエティ番組「マックス・プリンス・ショウ」の事務所。マックス(小手伸也)は人気絶頂のコメディアンだ。毎週土曜に生放送される番組のため、日夜、個性あふれる放送作家たちが集い、台本づくりに勤しんでいた。憧れのマックスの現場に加わることになった新人作家のルーカス・ブリックマン(瀬戸康史)は意気揚々としていた。政治問題もコントに盛り込むマックスたち。テレビ局の上層部は視聴率獲得を理由に難癖をつけ始める。

公演期間:2020年12月5〜27日
会場:世田谷パブリックシアター
作:ニール・サイモン
翻訳:徐賀世子
演出・上演台本:三谷幸喜
出演:瀬戸康史、松岡茉優、吉原光夫、小手伸也、鈴木浩介、梶原善、青木さやか、山崎一、浅野和之
企画・製作:シス・カンパニー

シス・カンパニー

電話番号 03-5423-5906(平日11時〜19時)
http://www.siscompany.com/23f/
※11月22日(日)より一般前売発売開始

文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
スタイリスト=田村和之
ヘアメイク=小林純子

黒瀬朋子

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