普段使うベッドは微生物が繁殖しまくっている「シャーレ」のようなもの、どうすれば清潔に保てるのか?

普段使うベッドは微生物が繁殖しまくっている「シャーレ」のようなもの、どうすれば清潔に保てるのか?

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  • 更新日:2021/07/20
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1日の終わりにベッドで毛布にくるまって枕に顔をうずめることは、心身共にリラックスできる至福の時間といえます。ところが、実は人が眠るベッドは多種多様な微生物が繁殖する「ペトリ皿(シャーレ)」のようなものだと、イギリス・ウエストミンスター大学で医療微生物学の講師を務めるマナル・モハメド博士が解説しています。

Your bed probably isn’t as clean as you think – a microbiologist explains

https://theconversation.com/your-bed-probably-isnt-as-clean-as-you-think-a-microbiologist-explains-163513

◆バクテリア

モハメド氏は、「私たちのベッドは多種多様な細菌種の宿主となることができます」と述べており、病院のベッドを調べた2013年の(PDFファイル)研究では、多くのサンプルからブドウ球菌が発見されたことを指摘しています。通常、ブドウ球菌は人間に害を及ぼしませんが、傷口から体内に侵入すると深刻な病気を引き起こす可能性があるほか、特定の種のブドウ球菌は人間にとって有害だとモハメド氏は述べています。

中でも黄色ブドウ球菌は伝染性が強く、皮膚感染症やニキビの悪化、肺炎などを引き起こす可能性があるとのこと。黄色ブドウ球菌は枕カバーなどに生息しているほか、いくつかの菌種は抗生物質に耐性を持っていることを示す研究結果も報告されています。

また、ブドウ球菌と並んで大腸菌やその他のグラム陰性菌も病院のベッドで一般的にみられる細菌です。グラム耐性菌は抗生物質への耐性が高く、尿路感染症・肺炎・下痢・髄膜炎・敗血症といった深刻な感染症を引き起こす可能性があるほか、大腸菌も非常に感染症が高く、尿路感染症や下痢などの原因になるとのこと。

もちろん、病院のベッドと自宅のベッドでは環境が違います。しかし、ブドウ球菌や大腸菌は人々の体内にも生息していることから、普段からトイレの後に手を洗わなかったり寝具の洗濯を怠ったりすれば、自宅のベッドでもこれらの細菌が繁殖する可能性は十分にあるそうです。

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◆虫

人は新陳代謝によって新しい皮膚細胞と古い皮膚細胞を入れ替えており、ベッドで寝ている間だけで1日当たり5億個もの皮膚細胞を排出しているとのこと。そのため、これらの皮膚細胞をエサとするチリダニ(ヒョウヒダニ)がベッドで繁殖しているというだけでなく、ダニ本体およびそのフンがアレルギーぜんそくを引き起こす可能性があるそうです。

また、英語で「Bedbug」と呼ばれるナンキンムシ(トコジラミ)もベッドで繁殖しやすい虫として知られており、人から吸血する際に注入する唾液が激しいかゆみを生じさせます。記事作成時点では、ナンキンムシが感染症を媒介するという証拠は確認されていませんが、かゆみは不眠やメンタルヘルスの不調などを引き起こすことがあるモハメド氏は述べています。

なお、ベッドリネンを約55度以上で洗浄・乾燥させるとチリダニは死滅するものの、ナンキンムシの駆除には専門家が必要になる場合があるとのこと。

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byMichael Hrabar

◆家庭内の細菌

人間の体に由来する細菌以外にも、衣類やタオル、トイレ、風呂、台所、ペットといった家庭内にあるものから、細菌がベッドに持ち込まれることがあります。(PDFファイル)風呂場キッチンタオルは黄色ブドウ球菌や大腸菌の温床となり得るほか、不適切な洗濯によってこれらの細菌がベッドシーツなどに拡散する可能性もあるそうです。また、淋菌への感染が原因となる性感染症の淋病(りんびょう)も、タオルや寝具を通じて感染する可能性があると研究で示されています。

微生物が繊維の上で生き残る期間は異なっていますが、黄色ブドウ球菌は綿の上で1週間、タオル地の上で2週間生き残ることができるほか、尿路感染症などの原因となる真菌は布地で1カ月間も生存し続けるとのこと。また、インフルエンザウイルスは布地の上で8~12時間ワクシニアウイルスは羊毛や綿の上で最大14週間も生き残るそうです。

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◆ベッドを清潔に保つ方法

ベッドの衛生状態を保つには、適切かつ定期的に洗濯をしてベッドリネンを交換することが必要だとモハメド氏は指摘。寝具を洗うのは毎週かそれ以上の頻度が望ましく、枕カバーを2~3日で交換することも推奨されるとのこと。細菌を殺すにはベッドリネンを40度~60度の高温で洗うことが効果的なほか、十分な洗剤を使用すること、使用前にリネンがしっかり乾いているかどうかを確認することも重要だとモハメド氏は述べています。また、寝ている間に蓄積した湿気が微生物やダニの繁殖を促進するため、湿気を飛ばすために毛布や布団を引き剥がし、シーツを空気に触れさせることも有効だそうです。

皮膚細胞のかけらや食物の粒子、真菌などが蓄積するのはシーツや枕カバーだけでなく、マットレスも同様ですが、マットレスを洗うことは困難です。そのため、マットレスカバーを使用し、カバーを定期的に洗うことで、微生物の繁殖を抑えることができるとのこと。また、マットレスやベッドの土台を毎月掃除したり、マットレスを頻繁に裏返したり、使い始めて10年が経過したマットレスは交換したりすることも役に立つとモハメド氏はアドバイスしています。

さらに、日常的な行動を変えることでも、ベッドの衛生状態を改善することができます。「就寝前にシャワーを浴びたり、昼寝や汗をかいた状態でベッドに入るのを避けたり、寝る前に化粧を落としたり、就寝直前にローション・クリーム・オイルの使用を避けたりすると、洗濯の合間にリネンをきれいに保つことができます。ベッドで飲食をしない、ペットをシーツに近づけない、ベッドに入る前に汚れた靴下を脱ぐことなども役に立ちます」と、モハメド氏は述べました。

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