ベテラン記者コラム ポール・マッカートニーさんが懸けた大相撲の「懸賞」に発展性はないのか

ベテラン記者コラム ポール・マッカートニーさんが懸けた大相撲の「懸賞」に発展性はないのか

  • SANSPO.COM
  • 更新日:2021/11/25
No image

大相撲九州場所12日目、日馬富士と栃煌山の取り組みで掲げられた、元ビートルズのポール・マッカートニーさんの懸賞旗

大相撲九州場所(福岡国際センター)は、昼間は上着が不要なほどの小春日和が続き、8日目を過ぎて折り返した途端に寒気に覆われ、終盤戦に入った。それでも、ふた昔以上も前はよくみぞれや雪が舞っていたことを思えば、隔世の感がある。

昨年11月の本場所は新型コロナウイルス感染拡大防止のため福岡市内ではなく、東京開催(両国国技館)に変更され、九州場所は2年ぶりの開催。今場所も観客の上限は収容人数の50%に当たる3735人で実施されているが、残念ながら10日目まで1度もこの数字には届いておらず、2000人台が6日もある。

そんな2階席を見上げながら、8年前の「ポール」コールが耳によみがえってきた。

平成25年11月14日。公演のため来日していた元ビートルズのポール・マッカートニーさん(当時71)が、九州場所5日目に来場。ナンシー夫人と十両の取組から弓取り式まで見届け、席を立つと館内に「ポール! ポール! ポール!」の大声援と手拍子が起こった。相撲好きのマッカートニーさんは、5年の来日時にも九州場所を観戦しており、20年ぶりの来場だった。

案内役を務めた玉ノ井親方(元大関栃東)はこのとき、マッカートニーさんが懸賞について強い興味を示したことを覚えていた。「あれは勝った力士が全部もらうのか。負けてしまった力士は全くもらえないのか」と質問してきたという。

よほど、気に入ったのだろう。すると、マッカートニーさんの懸賞が12日目、13日目と千秋楽のいずれも結びの一番に5本(当時1本6万円)ずつ懸けられることになった。懸賞旗はマッカートニーさんが当時発売したアルバム「NEW」を宣伝する図柄で、館内アナウンスで「ポール・マッカートニー、NEW発売中」と5度、連呼された。

日本相撲協会では、初めて懸賞を出す場合には1日1本ずつで合計15本が基本。終盤だけに懸ける急な打診に応じたことについて、「特別な配慮をした」と説明する。世界的スーパースターの希望に、臨機応変に対応した。

特例としてでも、できるのであれば、こうした著名人や芸能人のイベントや学術的な催しなどと懸賞で連携し、本人を館内へ招き、宣伝効果を高めていくアイデアにつなげることはできないだろうか。実際、マッカートニーさんの場合は、協会が前日に来場を発表し、告知。翌日の15日に福岡市内で公演を控えていたため、名古屋や大阪から訪れていたファンが急きょ、大相撲観戦にも足を運んでいた。

今場所の2階席にマッカートニーさんが現れたら-。果たして空席はあったろうか。(奥村展也)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加