明日海りお&望海風斗 宝塚退団後初共演!「男役との違いに戸惑うこともあるが、井上芳雄&浦井健治に支えられて」

明日海りお&望海風斗 宝塚退団後初共演!「男役との違いに戸惑うこともあるが、井上芳雄&浦井健治に支えられて」

  • 婦人公論.jp
  • 更新日:2022/06/24
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左から望海風斗さん、浦井健治さん、井上芳雄さん、明日海りおさん、マイケル・アーデン氏

2022年6月23日、ミュージカル『ガイズ&ドールズ』が、東京・日比谷の帝国劇場での上演を再開した。出演者の井上芳雄、明日海りお、浦井健治、望海風斗、演出家のマイケル・アーデン、各氏が6月9日の囲み取材に応じた際の様子をリポートする。

【写真】スーツが似合う井上さん、赤い制服姿が素敵な明日海さん

超豪華なメンバーだけでなく、ブロードウェイで最も注目を浴びる新鋭のマイケル・アーデン氏の演出も話題に。『ガイズ&ドールズ』は、1930年代のニューヨークを舞台にした、スカイ(演:井上さん)とサラ(演:明日海さん)、ネイサン(演:浦井さん)とアデレイド(演:望海さん)、2組の男女の恋物語。1950年にブロードウェイで初演されてから大ヒットとなり、1,200回のロングラン公演を記録したという伝説的な演目である。

日本でも何度も公演されているが、今回の日本公演は、アーデン氏が新たな演出を加えているという。

「妹のような関係の二人と舞台上で初共演。禁断の恋愛みたいなところも‥‥‥嫌いじゃない」(井上芳雄さん)

凄腕の超大物ギャンブラー、スカイ役を演じるのは、ミュージカル界のプリンスと呼ばれる井上芳雄さん。井上さんの妹である初輝よしやさんは、明日海さん、望海さんと宝塚89期生の同期生。初輝さんを通じて、以前から交流はあったというが、舞台上では今回が初の共演となる。

「僕の妹が(宝塚の)二人の同期なので、気持ち的にはずっと妹のような感じでいたんですけど、今回は仕事仲間になってしまって。でも公私ははっきり分けるタイプなんで(笑)」

と話した。明日海りおさん、望海風斗さんの対談が、『婦人公論』6月号に掲載されている。そこでは、お二人から見た井上さん像が語られていた。(以下引用は同記事から)

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明日海 井上さんは敬愛するお兄ちゃんであると同時に、偉大な舞台人としては遠い存在でもあり……。

望海 私は最初、花組で初輝と一緒だったので、初輝にくっついて、よくご飯をご一緒したりしていたんです。私たちは勝手にお兄ちゃんだと思っているけれど、舞台上の芳雄さんの《帝王感》はものすごいものがある。コンサートで共演した時に感じたんだけど、ひと呼吸しただけで自分の世界に変えてしまう。

明日海 井上さん、浦井さんとあやちゃんと……今から舞台上の空気の奪い合いになる予感。(笑)

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お二人から見た井上さんの存在感の大きさが伝わる。井上さんも、「同期の中でもすごくまじめで努力家な二人」だと、妹の初輝さんから聞いていたとのこと。さらに、現在の二人への思いを述べた。

「僕は男役から女優さんに代わる移行期間みたいなのが大好きなんですよね。何とも言えない、ちょっと男っぽいところが出ちゃったりとか。何年か経つと、当たり前だけど皆さん”立派な女優さん”になるからちょっと寂しいなって思ったりするんですけど。お二人はちょうどいい時期(笑)」

また、今回は明日海りおさんと恋に落ちる役とのことで、その心境について聞かれると、

「役柄上真剣にやってますが、(妹のように思っていただけに)一種こう「禁断の」みたいなところはあって。それはそれで嫌いじゃないかなって気はしますけど(笑)」

と軽妙なトークでその場をまとめた。

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初日の囲み取材で息ぴったりの会話をする浦井健治さんと井上芳雄さん

「家族のような温かさをギャンブラーチームで作れた」(浦井健治)

スカイのギャンブル仲間であり、ある「賭け」をスカイに持ちかける、ネイサン役を演じるのは、読売演劇大賞 最優秀男優賞などを受賞したミュージカルスター浦井健治さん。

「この作品の中で家族のような温かさをギャンブラーチームで作れたかなと思います。それは演出のマイケルさんが色々なことをしてくださったからこそ。何よりも、井上さんのスカイが空まで届くほどかっこいい。そんなスカイになっていますので、そこを注目してもらえれば」

と言うと、すかさず井上さんは「こういうセリフがあるんですよね。浦井君、本当にもうこれっばかり言うから」とネタっぽく受けるなど、息が合った返し。会場に温かい笑いが起こる。

意外にも、浦井さんと井上さんがミュージカルで共演するのは、2013年公演の『二都物語』以来約9年ぶりだという。

司会者から、9年ぶりの共演とのことで、お互いに成長を感じた点について聞かれると、井上さんは浦井さんに対して下記のようにコメント。

「(浦井さんは)変わらず一生懸命だなとは思いますが、その一生懸命度が増しているというか。経験を積んできたんだなと言う気はしますね。みんなのワイワイした輪の中からはちょっと外れていたりするところは、やっぱりこう”同志”だなって思うところはありますね」

その後、ネイサンの婚約者・アデレイド役の望海風斗さんとの、舞台上での掛け合いについて浦井さんに聞くと

「自分個人は望海風斗さんと一緒に、どれだけふざけられるか、楽しんでいけるか、ちゃんと(スカイとサラの恋の)スパイスとして演じていけたらなと思います」

と意気込みを語った。

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ゲネプロでサラ役を可憐に演じる明日海りおさん。赤い制服姿が凛々しい

「特別な魔法にかかったような、幸せ感があります」(明日海りお)

元宝塚歌劇団花組トップを務め、2019年に退団後は舞台だけでなく映像などに出演し、幅広く活躍している明日海りおさん。本作では、超堅物の救世軍軍曹サラ役で、スカイとの出会いによって揺れる女心を熱演する。

「本当に華やかなナンバー、わくわくするものがギュッと詰まっている。この世界観の中に自分も生きているんだと思って、特別な魔法にかかったみたいな幸せ感があります。マイケルを筆頭に、素敵な共演者の皆さんとああでもない、こうでもないと、何度も何度も作って壊して一つずつ積み上げた世界がようやく今日放たれ、皆さんにご覧いただけると思うと本当に楽しみです」

と作品に対する熱い思いを述べた。

男役として演じていた宝塚時代とは違うようで、井上さんに手を差し出すときに、手のひらを表にするか裏にするか迷うなど、些細なことが分からなくなることがあったそう。前出の『婦人公論』の対談では、女優としてのオファーを受けた時のことを、こう振り返っている。

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明日海 実は、宝塚音楽学校の予科生の時に、紫吹淳さんがトップスターだった月組で上演されていて(2002年)、観に行っていたから親しみがあって。マネジャーさんから「今度新たな演出でやるんですよ」と聞いた時は、「おお!」となり、次に「キャスティングのオファーをいただいているんですけど」と言われて、「え、私が出るの?」と。

望海 最初、男役だと思わなかった? ギャンブラーのスカイかネイサンか……。

明日海 思った(笑)。サラ役ということがわかった後も、もしかして先方は私のことをあまりご存じない? と疑いましたね。

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そんな明日海さんだが、今回の役を演じる中で、不安を抱えることもあったそう。

「自分らしくいられているだろうか。とか、その兼ね合いがすごい難しかったですけど、望海と一緒にいる場面は、あまり意識しすぎず自然体で(いられた)。自然体だけど女性らしくいられている気がします」

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ゲネプロにてネイサンの婚約者アデレイドを演じる望海風斗さん。圧倒的歌唱力で会場を包む

「本当にこのカンパニーの一員になれることがすごく幸せ」(望海風斗)

元雪組トップスターで2021年に宝塚歌劇団を退団した望海風斗さんは、ネイサンの婚約者アデレイド役を演じる。劇団時代からの圧倒的な歌唱力は、女性の役でも健在だ。

「本当にこのカンパニーの一員になれていることがすごく幸せなことだなと。この数年我慢することや、心を痛めるニュースが多い中で、こうして明るい作品をマイケルさんと共にみんなで作って、お客さんを迎えられる今が、どれだけ幸せなことか。自分のことはさておき、本当に素敵な作品に仕上がったので、早くお客様に見ていただきたいなという気持ちでいっぱいです」

ただ明日海さんと同じく、男役との違いに戸惑うこともあったそう。そんな時、宝塚出身の俳優とよく共演している井上さんと浦井さんが、自然にいられる空気を作ってくれたという。

宝塚音楽学校の同期生であった明日海さんとは、お互いを違うタイプと認めつつ、切磋琢磨し合った仲。89期生として入団後、違う組に配属となったが、それぞれの舞台は見て相手の積み重ねを感じていた。

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望海 入団後10年経ってもコツコツと積み重ねていく部分が全然変わっていないことに心打たれた。もちろん、輝きはさらに増しているんだけど、自分との闘いを淡々と持続できることがすごい。恐れ入りました、と胸の中でお辞儀をしていました。

明日海 私のほうこそ、あやちゃんの舞台を観続けながら、三番手、二番手、トップと、どの位置にいても、男役に対する熱さがまったく変わっていないことに感動した。寮の部屋で語り合った憧れの気持ちはそのままに、それでいて表現がどんどん細やかに深まっている感じで……。

望海 こんな話、あまりしてこなかったね。私たち、お互いの舞台を観に行った時は、楽屋を訪ねて、たわいない話をしていたじゃない? あの衣装、大変でしょ、とか。私たちだけにわかる「あるある」。すごく短い会話なんだけど、言い合うだけで元気になれた。あと同期だからこそ、「あの場面のここが気になった」と指摘したり。

明日海 同期だから言えること、かつ、同期にしか言えないことだよね。アドバイスがものすごく貴重でした。同じ熱量を持っていて、それでいて視点がちょっと違うという、なかなかいない条件の存在だから。(笑)

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明日海さんと望海さんとの共演が観られる、貴重な舞台でもある今回の『ガイズ&ドールズ』。

「音楽学校に戻ったような感覚で。懐かしい気持ちで一緒にお芝居出来ましたし、芳雄さんと明日海、スカイとサラがお芝居しているのを見て、すごいドキドキしました」

と気持ちを述べている。

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スカイ役・井上芳雄さんとサラ役・明日海りおさん。美しい立ち居振る舞い

良い俳優は国に関わらず、すぐに分かる(マイケル・アーデン)

演出のアーデン氏は、作品に対する4人の姿勢に対して絶賛した。

「良い俳優さんというのは国にかかわらずすぐわかる。仕事に対しての美学をこの4人から凄く感じますし、仕事に対しての誠心誠意が本当にカンパニー全体から凄く感じました」

最後に井上さんが、

「ブロードウェイの舞台を観ているみたい。自分はミュージカルやりたくてずっと続けてきてるんですけど。もしこれが最後の舞台になっても本当に満足。別に引退しませんけどね(笑)。それくらいここに居られてすごく幸せだなっていうくらいの作品が、皆様にお届けできるということ。本当にただただ無事に最後まで元気にいられることを祈っています」

と、囲み取材を締めくくった。

「婦人公論.jp」編集部

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