女性1000人が選んだ医療ドラマの名医ランキング

女性1000人が選んだ医療ドラマの名医ランキング

  • 週刊女性PRIME
  • 更新日:2021/12/02

ドラマの舞台として欠かすことのできない、医療の現場。10月から始まった秋ドラマにも、シリーズ7作目となる『ドクターX~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)、『ラジエーションハウスII ~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)と、医療ドラマが名を連ねる。しかも、この2作のようにシリーズ化されるケースは少なくない。

【画像】30位までのランキングを見る

視聴者の心に、どれだけ医療ドラマの医師の姿が入り込んでいるのか? そこで今回、全国40歳以上の女性1000人を対象に「実際に診察してもらいたいと思う、医療ドラマに登場する医師は誰ですか?」というアンケートを実施。どの医師の人気が高いのかをランキングにしてみた。(※30位までのランキングは記事の最後にあります)

“本当にあの医師がいたら……”という視聴者の妄想。そして、ドラマウォッチャー&コラムニストの吉田潮さんの解説で人気医療ドラマを振り返ると、医師に求める資質が見えてきた!?

あなたが選ぶMVD(Most Valuable Doctor)は一体、誰?

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女性1000人が選んだ医師は?

解説:吉田潮(よしだ・うしお)◎コラムニスト。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆し、『週刊フジテレビ批評』のコメンテーターも務める。著書に『親の介護をしないとダメですか?』などがある。

失敗しない人は無敵!? 誰もが納得の1位

栄えある第1位は、「私、失敗しないので」の名フレーズでおなじみ『ドクターX』で米倉涼子演じる大門未知子。

「大門さんににっこり笑いかけられて“大丈夫です。この調子でいきましょう”と言われたい」(兵庫県・68歳主婦)

「“必ず治します。失敗はしません”。未知子さんに言われたら誰に言われるよりも信用できると思います」(岡山県・64歳主婦)

「やっぱり、“私、失敗しないので”を生で聞きたいです」(千葉県・53歳パート)

といった声が寄せられるように、手塚治虫の漫画、ブラック・ジャックを彷彿(ほうふつ)とさせる、孤高、反骨の天才外科医に診てもらいたい人は多いもよう。“フリーの外科医”という設定だが、アンケート全体の約4割の人が大門未知子を挙げている。

前出の吉田潮さんは、「やっぱり医師である以上、手術症例数が大切」と1位の選出に納得の表情。

「同じ話題作でも『ブラックジャックによろしく』の妻夫木聡のような医者の卵となると、心細くて票が伸びづらいのでしょう。経験値がものをいう世界ですから、毎週のように手術をしている“手術オタク”大門未知子が人気、信頼を集めるのは納得。ドラマといえども、信頼できるかは大きなポイント」(吉田さん)

どんな状況でも命を救う!! というかイケメンだから??

その意味では、第2位にランクインした『コード・ブルー』の藍沢耕作(山下智久)も同じだろう。『ドクターX』にも言えることだが、医療従事者が「ありえない!」と口をそろえるような状況での緊急オペしかり、“どんな状況でも命を救う”天才的な姿勢に票が集まった。一方、山Pが演じるだけあって、こんな声が多いのも事実。

「藍沢に目を見つめられながら“任せろ”と言われてみたい」(福島県・44歳OL)

「“自分が必ず治す”なんて藍沢さんに言われたら……、それで昇天しちゃいそう(笑)」(埼玉県・52歳パート)

「駆けつけてきた藍沢さんに“もう大丈夫だから”とまっすぐに目を見て言われたい」(大阪府・37歳塾講師)

誰だってイケメンに診てもらいたい! ただ、吉田さんは「野暮なことは言いたくないけど」と前置きしたうえで、“メス”を入れる。

「『コード・ブルー』のテーマは緊急救命なので、おそらく山Pが駆けつけたときには意識がないと思うし、意識が戻ったときには総合病院のベッドの上でしょうから、違う先生のお世話になっているはず(笑)」(吉田さん)

もしも冥途(めいど)の土産になるなら、「山Pに!」という人もいるかもしれない。

技術よりも人格重視! もっとも万能な医者かも

第3位は、『Dr.コトー診療所』の五島健助がランクイン。

「“最大限まで頑張って、あとは運に任せよう”。これ以上は運しかない、というところまで診てくれるという感じがする」(大阪府・40歳会社員)

「五島先生の丁寧でわかりやすく、優しい口調で語りかけてほしい」(北海道・64歳無職)

吉岡秀隆が扮(ふん)する五島健助が無医村で奮闘する同ドラマ。先の2作とは違い、技術ではなく人柄が重視され、多くの支持を集めた。

「風邪も診断してくれるし、盲腸なども診てくれる。さらには、おじいちゃんやおばあちゃんの世間話にも付き合ってくれる。オールラウンダーという意味では、五島健助のような医師が一家に1台ならぬ、一村に1人いてくれたらありがたい。全医療ドラマの中で、もっとも万能な医者かもしれない」(吉田さん)

さらに、「丁寧でわかりやすい」という視聴者の意見に対しても吉田さんは、

「3分診療という言葉が叫ばれているように、機械的な説明が多い中で、患者と同じ目線で説明できる医師の存在は貴重」

と同意する。スペシャリストではないかもしれないが、人格者という意味では、天才医師とは違う「信頼」がある。

実際、医療ドラマの名作との呼び声高い『白い巨塔』が、ランキングでは旗色が悪い点は見逃せない。これまで、田宮二郎、唐沢寿明、岡田准一というように二枚目が演じてきた外科医・財前五郎だが、どれだけ顔と腕がよくても権威主義者であれば、視聴者の信用は得られないのだろう。国立浪速大学病院では政治力を発揮し、教授へと上りつめたが、全国の女性1000人が選ぶアンケートでは下位に沈んでしまった……。

優しくされたいけど、顔が……!?

続く第4位は、産婦人科を舞台とした『コウノドリ』の鴻鳥サクラ(綾野剛)。合理的でクールな四宮春樹(星野源)とともに命の尊さを描く。

「言葉でなく、1日中そばでピアノを弾いて癒してほしい」(神奈川県・45歳会社員)

「鴻鳥先生に優しくされたいけど、顔が綾野剛……。妊娠についていろいろなことを話すのが、恥ずかしくなるかも」(大阪府・46歳主婦)

吉田さんは、「過去のトラウマ体験によって現実的なことしか言わない星野源の役どころは、とても共感できた」と話す。

「産婦人科は不妊治療など、精神的にデリケートな領域を扱う。必要以上に温かい言葉を投げかけられるよりも、現実的なアドバイスをくれるほうが重くならないと、女性である私自身思います。また、産科医療のシビアな現実を、きちんと患者に伝えようとする描写も好感が持てた」(吉田さん)

実際の医療現場では、「絶対」、「完治する」といった言葉は使われない。万が一の際、言質を取られないためだ。裏を返せば、ドラマだからこそ「100%」、「絶対に」といった言葉が飛び交うわけだが、「それでもそういった言葉を使わない『コウノドリ』のリアルな世界が支持を集めたのではないか」と吉田さんは分析する。

可もなく不可もなくでもいい? 求ム! 未来人の医者

TOP5、その最後に滑り込んだのは、医療ドラマと言っていいか迷うところではあるが、『JIN―仁―』の南方仁(大沢たかお)。

「南方に“僕が支えますから”なんて優しく言われたい」(兵庫県・75歳主婦)

「南方さんに“僕も全力で闘いますから。あなたも全力で”なんて言われたら……。キュンキュンしちゃいます」(愛知県・40歳主婦)

ドラマの中では坂本龍馬ですら心酔してしまうのだから、読者が魅(み)せられてしまうのも仕方がない。限られた資材や情報だけで応用してしまうアイデア力は目を見張る反面、吉田さんが「江戸時代では名医かもしれないけど、現代では普通レベルの医者かもしれない」というように、実はどの程度の実力の持ち主なのかは不明だったりする。

おまけに、原因不明の頭痛持ちでもあるため、診察中あるいは手術中に突然、「ウウゥゥ!」などと倒れ込まれたら厄介だ。人柄は申し分なしだが、瑕疵(かし)がないとは言い切れない。

だが、「南方仁のような未来人の医者がいたらなぁ」と吉田さんは妄想を働かす。

「例えば、今から200年後の世界から医者がタイムスリップしたとします。可もなく不可もなくの腕前でも、新型コロナウイルスに何が効くかは知っているだろうし、がんの治癒法も知っているかもしれない。そういう意味では、南方仁のような医者がいたら……」(吉田さん)

たしかに、未来人ならこのコロナ禍を鎮められるはず!

なぜ女医が少ない? もっと評価されてほしい作品は?

6位以下でも、医師に対するアツい思いをぶつける視聴者も多い。『医龍』の朝田龍太郎(坂口憲二)には、

「“焦らず、ゆっくり治していきましょう”と朝田龍太郎に言われたら、ずっと病院にいてもいい」(大阪府・50歳パート)

『救命病棟24時』の進藤一生(江口洋介)には、

「進藤さんに“あんちゃんがついているから”と言われたい」(東京都・49歳主婦)

という具合に、みなさん思い思いに妄想を爆発させる。

BSテレ東で放送されていた『神酒クリニックで乾杯を』、MAKIDAIが主演を務めた『町医者ジャンボ!!』などなど、マイナーな(失礼!)作品に思いをはせる人も少なくない。

また、先のクールで話題をさらった『TOKYO MER~走る緊急救命室~』がすでに高支持を集めているように、6位にランクインした鈴木亮平演じる喜多見幸太も注目のひとりだろう。

こうして人気を集めている作品(とその主人公)を見てみると、そのほとんどがシリーズ化されているものだとわかる。視聴者が感情移入できるような人格者、あるいは魅せられるようなスーパードクター、こういった医師が人気を集め、視聴率とも結びつくといえそうだ。

その反面、女医が少ないのは気になるところ。女性だけにアンケートを募ったこともあるが、吉田さんは、

「女性のドクターを主人公に置く作品は、医療の世界だけではなくヒューマンドラマに寄ったり、ケアの部分に寄ったりする傾向が強い。そういう意味では、大門未知子は異質(笑)」

と話し、女性の名医が登場するドラマもたくさんあると続ける。

「私個人は、天海祐希を信用しているので、『トップナイフ─天才脳外科医の条件─』はもっと票を伸ばしていいと思ったし、ランキングの中には入っていないものの、松下奈緒と木村佳乃が出演した『アライブ がん専門医のカルテ』はもっと評価されてほしかった。もし、私ががんになったら、この2人に診てほしいと思えるドラマでした。

災害時は、鈴木亮平にお願いしたいし、産科は星野源のお世話になりたい。TPOに応じて各ドラマの先生に診てほしい(笑)」(吉田さん)

これだけ医療ドラマが人気を集め、個性豊かな医師がいるのであれば、いつかマーベル作品の主人公格が集結する『アベンジャーズ』のようなオールスター医療ドラマが見てみたい……そんな妄想すらしてしまうほど、やっぱり医療ドラマは面白い!

(取材・文/我妻アヅ子)

初出:週刊女性2021年11月30日・12月7日合併号/Web版は「fumufumu news」に掲載

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