
濃厚でとろけるような甘みが魅力の高級食材・ウニ。そのウニに今、“ある異変”が起きている。
鳥取県琴浦町の海底に潜った漁師が見つけたのは、大量のムラサキウニだ。岩と岩の隙間などにビッシリと挟まっている。これは大漁……と思いきや、なんと漁師たちはウニを捕獲するのではなく、鉄の棒などを使って叩き割り始めた。一体、なぜなのだろうか。
鳥取県の日本海沿岸では、2〜3年前からムラサキウニが大量発生している。ところが、このウニの中身はスカスカで、全く売り物にならないという。
「ムラサキウニは海水温の上昇によって活動が活発になっていて、生えた(海藻の)芽生えを食べつくしてしまう」(鳥取県栽培漁業センターの西村美桜研究員)
ウニは海藻などを食べて育つが、温暖化の影響で大量に発生したムラサキウニが(海藻を)食べ尽くしてしまい、エサがなくなってしまった。このような状態を「磯焼け」と言う。影響は、地元の重要な海産物にも及んでいる。
「アワビやサザエが食べるエサである海藻がなくなっている」(鳥取県栽培漁業センターの西村美桜研究員)
磯焼けにより、アワビやサザエの漁獲量は減少。県は、磯焼けが発生している14地区で、今後2年かけてムラサキウニを駆除するとしている。(『ABEMAヒルズ』より)