
傘寿記念の座長公演を務めた池乃めだか(左から2人目)と、共演した(左から)烏川耕一、酒井藍、浅香あき恵(撮影・村上久美子)
7月3日に傘寿を迎えた吉本新喜劇のベテラン、池乃めだか(80)が19日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で、「傘寿記念座長公演」をスタートさせた。昨年、79歳でも経験しており。自身の最年長座長記録を更新。次の目標は「200周年やな」。ニヤリと笑い、“ちっさなおっさん”が吉本新喜劇に“でっかい”記録をまた刻んだ。
うどん店の店主にふんしためだかが登場すると、店員役の内場勝則、孫役の酒井藍ら共演者が「どこ?」。おなじみ、めだかが“ちっさい”ため、視界に入らないため、「み~さ~げて~ごらん~」と歌ってぼけ、早速会場をわかせた。
めだかは、今年2月に脳梗塞で手術、入院加療を経て復活。7月以降は、傘寿記念座長公演へ向けた取材も精力的にこなし、9月16日には新喜劇の後輩・小籔千豊が主宰するフェス「KOYABU SONIC」へも出演し、元気な姿を見せていた。
この日も、足取りはしっかりしており、声の張りも良く、聖地NGKの最奥まで響かせた。
出番後は「緊張した」と照れ笑い。「この日が近づくのに、毎日毎日、ドキドキ感があった。それで、とうとう本当に今日がやってきたというね。まずは肩の荷がおりたという」。ホッとした様子で笑った。
最近は「今日は何曜日やったかな? という日々を送ってるんでね。朝、目が覚めて、今日も生きとった思うてね」などと言い、終演後の取材も、めだからしく肩肘をまったくはらないスタイル。自己記録更新にも「忘却しとった」と笑わせた。
舞台出演にあたっても、セリフを完璧に覚えるというより「感覚」を体にしみこませるタイプ。それゆえ、出番直前まで雑談をしており、この日も、酒井藍、浅香あき恵、烏川耕一らによると「直前までゴルフの話をしてました」という。
貫くめだかスタイル。次の目標には「200周年」と即答して、煙にまいた。もちろん、その意味は「まあ、来年も、その次もと、1年1年積み重ねてね、そうやね」と、日々の積み重ねを怠らないというメッセージだ。
聖地NGKへの思いには「僕らの戦場っていうか、神聖でありながら、僕らのお城みたいな気持ち。もうずっと生きてる限り、ここで戦って、ここを守って、ここに骨を埋めようという気持ちですね」と、生涯現役への思い口にした。
NGKでの座長公演は25日まで。