プーチンが“すべて暴露”した「地球環境問題」と「脱化石燃料」の不都合すぎる真実

プーチンが“すべて暴露”した「地球環境問題」と「脱化石燃料」の不都合すぎる真実

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/09/23
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ロシアによるウクライナ侵攻で1989年来の束の間の平和が崩れて東西冷戦に逆戻りし、グローバル化のボーナスがことごとくオーナスに転じたばかりか、西欧消費国側が仕掛けた脱化石燃料のリープフロッグ謀略もパラドックスと化した感がある。

いまや温暖化など環境問題の解決に向けた脱化石ブームのウラで起きていた“不都合な真実”がすべてめくられた――。では、誰が何のために何をしていたのか。そんな世界中にはりめぐされた「複雑系の因果関係」をレポートするのが、流通ストラテジストの小島健輔氏だ。

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不都合な真実を暴露した photo/gettyimages

インフレとカントリーリスクが世界を席巻

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、1989年11月9日の東西ベルリンの壁崩壊に発する東西冷戦の終結という現代史における束の間の平和をいとも簡単に葬り去った。

プーチンが開いたパンドラの箱には、東西冷戦終結以来、溜まりに溜まった東西間・南北間・貧富間・先進消費国対後進資源国の格差と矛盾が詰め込まれていた。

33年間にわたって世界が享受して来たデフレと経済成長というグローバル化のボーナスが一瞬にして急激なインフレとカントリーリスクというオーナスに転じ、西欧消費国側が化石燃料供給国側(OPEC+ロシア)に対して仕掛けた脱化石燃料というリーフプロッグ謀略のプロパガンダも同時に崩れた。

ウクライナ戦争がロシアと西欧諸国(NATO)の代理戦争と化して総力消耗戦となり、化石燃料と火薬の大量消費で二酸化炭素が爆発的に発生している。

兵器とインフラの消耗で巨大な有効需要が生まれているのは、正しく戦争が即効的な有効需要政策であることを実証しており、西欧消費国側が仕掛けた化石燃料インフラの強制償却というリープフロッグ謀略の必要性にも疑問符が付いた。

西欧消費国側は償却するはずの化石燃料インフラに頼るか原発に頼るかの選択を迫られており(日本も同様)、脱化石燃料のリープフロッグ謀略はパラドックスと化した感がある。

※リープフロッグ(カエル跳び)現象…インフラ蓄積の薄い新興国は償却負担が軽く、技術革新による設備更新が加速度的に進むこと。固定電話網の普及以前に携帯電話が普及し、ATMの普及以前にスマホのネット決済が普及した中国の事例が引き合いに出されることが多い。

地球温暖化はリープフロッグのプロパガンダ…?

西欧消費国側が仕掛けた二酸化炭素を元凶とする地球温暖化説は、化石燃料文明の既存インフラを全面償却して、クリーンエネルギー文明を構築する巨額投資で停滞する西欧経済を活性化せんとする世紀のリープフロッグ大謀略だった。

産業革命以来のインフラ蓄積の厚い西欧消費国は途上国のようなリープフロッグ現象が期待できず、戦争に匹敵する大規模な既存インフラ償却という有効需要政策を必要としていた。

リーマンショックに対策して先進各国の中央銀行が大量供給した低金利資金も大半がBRICsに流れ、中国やインド、ブラジルやロシアの急激な経済成長をもたらして習近平やプーチンの権力獲得に貢献し、今や西側世界はその清算を強いられている。

「SDGs」の大合唱のウラで…

もとより地球温暖化説も二酸化炭素元凶説も科学的裏付けの怪しいプロパガンダであり、気候学者や地質学者など専門家の多くは疑念を呈している。

地球温暖化説は時間の物指し次第で逆(寒冷化)とも取れる未検証な説で、数十年というレンジでは温暖化に見えても数千年というレンジでは顕著に寒冷化しており、最終氷河期終了(1万1600年前)以来の最暖期だった8000年前に比べると平均気温は2度から3度、水面も4〜6メートル低下している。

二酸化炭素元凶説も産業革命以降の工業発展によるものではなく8000年前の焼畑農耕に発すると見る学者も多く、生態系が繁栄するにも一定レヴェルの二酸化炭素濃度は必要だ。

地球史を振り返れば現在の二酸化炭素濃度は低く、生態系を活性化させ自然の自浄力を高めるには現在より多少高い方が望ましいという見方もある。

科学的には怪しい二酸化炭素元凶地球温暖化説がSDGsの潮流に乗って西側世界の大合唱となっていったのは、行き詰まった西欧文明を既存インフラの強制償却によって再生せんとする政財界の利害が一致したからで、敢えて逆らうメリットは学者や化石燃料資本などに限られたからと思われる。

ICEV(内燃機関動力車)からEV(電気動力車)へ全面転換することが社会全体のエネルギー効率を高め環境を改善するか冷静に検証すれば極めて怪しいが、トヨタ自動車など現実を見た理性の声もポピュリズムの大合唱にかき消されつつあるのが現実だ。

欧米のポピュリズムがどれほどのものか、ディーゼル信仰から一転してのEV信仰は検証なきカルトと言っても良いだろう。

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脱化石ブームとは何だったのか photo/iStock

分断と対立には誰にもメリットが無い

現代史を振り返れば、第二次大戦の荒廃からの復興ボーナス(人口増とインフラ再建)が73年のオイルショックで終わって停滞期に入り、89年のベルリンの壁崩壊を契機とするグローバル化ボーナス(コストダウンと市場拡大)で新たな発展を享受したものの、08年のリーマンショックを契機に先進国経済が伸び悩む一方、BRICs諸国は爆発的に成長して力関係が激変した。

世界市場は拡大を継続したもののグローバル化はインフレ輸出というオーナスに転じ、コロナとウクライナ侵攻で分断と対立の東西冷戦に逆戻りし、劇的なインフレとカントリーリスクというオーナスが西欧諸国に繁栄の清算を強いている。

そんな中で化石燃料文明のインフラを強制償却してクリーンエネルギー文明を構築するというリープフロッグ大謀略は過ぎた重荷となり、専制国側に加えてOPECなど産油国側も対立関係に追いやるリスクとコストに耐えなくなった。

消耗する大国

ウクライナ侵攻のNATOによる代理戦争化、経済制裁と資源制裁の応酬でロシアもNATOも消耗しており、西欧側は化石燃料文明のインフラを強制償却する必要も余裕も失ったのではないか。

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ウクライナの悲劇は終わっていない photo/gettyimages

ロシアや中国など専制国VS.米国を軸とする西欧先進国という対立の構図はインフレとカントリーリスクが増大するだけで、化石燃料インフラを強制償却する余裕が無くなった以上はどちらにもメリットが無い。

一刻も早くウクライナに平和が戻って再び世界にデタントが訪れ、分断と対立の構図が解消されることを願うばかりだ。

さらに連載記事『レジ袋有料化は「エコ」じゃない…? 日本人は知らない「不都合な真実」』では、日本で巻き起こった“レジ袋有料化”の不都合な真実についてレポートしよう。

(株)小島ファッションマーケッティング代表 小島健輔

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