署名偽造「許可得て代筆」 スタッフ正当化 書き写しの男性証言

署名偽造「許可得て代筆」 スタッフ正当化 書き写しの男性証言

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/02/22
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3人が書き換え作業の場所としている佐賀県青年会館(撮影・岩崎さやか)

愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動中に多数のアルバイトが佐賀市内で署名を偽造していた問題で、参加していた福岡県内の男性2人が西日本新聞の取材に応じ、愛知県民の名簿書き写しについて新たに証言した。「これ(書き写し)は知事を辞めさせるためのもので、良いことだ」などとスタッフが説明。口外しないように誓約書も書かされたという。

アルバイトを使った署名偽造問題は16日、中日新聞と西日本新聞が報道。その後、2人が本紙に連絡を寄せた。最初に証言した男性も含めた3人によると、場所は佐賀市の佐賀県青年会館で一致し、時給は900~950円。証言によると、作業は昨年10月中旬から下旬の少なくとも10日間ほど行われていた。運動に協力する広告関連会社(名古屋市)から、リコール関連のはがき配布を請け負った下請け会社(同)が書き写させた。

福岡都市圏に暮らす40代男性は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休職中、大手人材派遣会社に登録し、3回参加した。

いずれも午前10時から午後9時までのシフト。運動を主導した美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らの写真が印刷された署名簿に、住所、名前、生年月日などが書かれたリストから書き写した。男性よりも短時間の勤務の人もいたという。

この男性によると、スタッフの一人が「(リストにある)皆さんの代わりに、許可を得て代筆しています」と業務を正当化。男性は「報道を見てまさか、と思った。申し訳ない気持ちだ」と漏らした。

「コロナ禍でも、会議室は100人ぐらい来ていた。みんなが黙々と書いていて、異様な雰囲気だった」。同じく福岡都市圏から参加した20代男性はこう振り返る。会場にスタッフとして30代くらいの男女が6、7人いたのを覚えている。

男性は登録するアプリの求人通知を見て1日だけ参加。アプリには「交通費1000円支給★未経験者大歓迎!佐賀市で名簿の書き換え作業!!」との表記があったという。

下請け会社から送られてきた「労働条件通知書」では「もくもくと作業をするのが得意な方にお勧めです。データをお渡しするので、それを元に修正を行っていただく業務です」と説明。この日は愛知県犬山市の約250人分の個人情報をリストから書き写し、後日、同社から賃金が振り込まれた。

同アプリの運営会社は西日本新聞の取材に「事前に把握していなかった。署名偽造に協力するアルバイトだったとすれば、何も知らずに勤務されたワーカーの方々に申し訳なく思う」と答えた。

会場がなぜ佐賀市だったのかなどの疑問は残ったままだが、下請け会社側は取材に「何もしゃべらないように代理人弁護士から言われている」と話した。 (竹次稔、福間慎一)

西日本新聞

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