猫だったら入らなくてもいい? 飼い主が知らない「ペット保険」の意外な落とし穴

猫だったら入らなくてもいい? 飼い主が知らない「ペット保険」の意外な落とし穴

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/09/23
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犬2.6歳、猫3歳。これは1980年における犬猫の平均死亡年齢である(日本獣医師会/須田沖夫「家庭動物(犬猫)の高齢化対策」より)。当時はペットの健康を管理するという意識が希薄だった。主食が残飯で栄養失調になったり、室外飼育によって感染症にかかったりすることが多く、早世してしまうケースが多かったようである。

時代が進むにつれ、犬猫の主食は栄養価の高いペットフードとなり、室内飼育が定着した。定期的に健康診断を受けさせたり、高度医療を求めたりする飼い主も少なくない。

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長生きするほど病気のリスクが高くなる

家族の一員として大切に扱われるようになった犬猫は、今やどちらも15年程度は生きる。愛犬・愛猫と過ごせる期間が長いのは喜ばしいことだが、問題も出てくる。高齢になると病気を発症しやすくなることだ。ガンや心臓病、腎臓病など深刻な病気にかかるケースも多い。

診療費が100万円!

ペットには社会保険がないため、医療費は全額自己負担となる。診療費が数十万円かかることも珍しくない。実際、当方の知り合いであるカメラマンは、ガンを発症した猫の放射線治療で50万円程度かかった。また、付き合いのある猫カフェのオーナーは、猫の尿管結石を摘出する手術で100万円請求された。

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ペットの医療費は、思いもよらぬほど高額になることがある。そんなときに重宝するのがペット保険だ。医療費の50%もしくは70%が保険金として支払われる。なかには全額補償してくれる商品もある。

日本のペット保険は1995年に販売が開始され、以降、加入者が増え続けている。ただし、加入率は7〜10%に留まる。欧米の加入率は30%程度と言われているので、日本のペット保険市場は今後も拡大しそうだ。

近年はペットショップで犬や猫を購入する際、ペット保険を契約するケースが多い。たとえばペット保険最大手のアニコムは、加入経路の約8割がペットショップだ。これから家族となる犬や猫を前にペット保険のメリットを説かれれば、つい契約してしまうものだ。

しかし、深く考えずに加入すると後悔するリスクが高くなる。

ペット保険は契約を継続しても、ペットの年齢が上がるにつれて保険料が高くなる。契約時だけでなく、高齢になったときの保険料も確認しておかなければならない。

月額保険料が1万円を超えるケースも

たとえば楽天ペット保険の場合、0歳時の保険料は月額1770円と比較的リーズナブルだが、10歳時は5970円、12歳時は8160円、15歳時は1万630円となる(「ペット保険2020 中型犬 通院つき50%プラン」の場合。2022年6月30日時点の保険料)。

ペット保険は「1年契約」であることも知っておこう。たとえ「終身」と記載されていても、人間の医療保険で使われる終身とは意味が異なる。

人間の保険の場合、「終身」とは生涯に渡り保障が続くことを意味する。一方、ペット保険での「終身」は何歳になっても更新できるという意味で使われる。しかも保険会社によっては「終身」を謳っていても、ペットの健康状態に問題があると更新しないこともある。

実際、ブログやSNSには「更新を断られた」という投稿が散見される。更新を拒否される理由で多いのは、「慢性疾患」の発症だ。

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慢性の病気にかかったらアウト!?

たとえば慢性腎臓病は根治することができず、継続的な通院が必要となる。当然、保険料の支払いも多くなり、更新を拒否されやすい。契約者からすれば「病気になったときのために契約したのに、いざ病気になったら契約できなくなるとは、何のための保険なのか」と納得できないのではないだろうか。

過去には、猫が慢性疾患を発症し、翌年度からその病気が補償対象外となったという体験談がSNSに投稿され、該当するペット保険会社が炎上したケースもある。ただし、先述の通りペット保険は1年単位の契約だし、約款に「審査の結果、契約条件を変更する場合がある」といった記載がされているはずで、ペット保険会社に非があるとは言い切れない。

ペット保険は持病があると新規契約できない可能性が高い。たとえ契約できたとしても、持病は補償対象外になることがほとんどだ。

つまり病気を発症してそれまで契約していたペット保険の更新ができなくなると、以後、その病気の治療費は全額自己負担することになる。ペット保険には加入限度年齢があるから、ペットが高齢の場合、ペット保険に加入することすらできなくなる。

もちろん、すべてのペット保険会社がペットの健康状態を理由に更新を拒否するわけではない。契約前に約款をチェックすることが重要だ。

安易な契約だけは避ける

ペット保険は加入しておくともしものときに安心だが、一概に「入るべき」とは言えない。筆者には獣医師の友人がおり、ペット保険について次のように語る。

「猫は犬より飼育数が多いと言われているけれど、動物病院の経営を支えているのは犬。猫よりはるかにケガをしやすいし、誤食や遺伝性疾患も多いから。そういう意味では、犬を飼っているならペット保険に加入するのが合理的。猫はケガや病気が少ないからそこまでペット保険の必要性を感じないけれど、遺伝性疾患が多い品種だったり、かかりつけ医の診療費が高めだったりするなら、加入したほうがいいと思う」

ペット保険は安易に契約せず、本当に加入すべきかどうか熟慮してほしい。また、契約前に先々の保険料や補償内容、そして更新拒否される可能性がないかを、しっかりと確かめることが大切だ。

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