アートで「命や死」考えて 南三陸の震災伝承館、10月1日開館

アートで「命や死」考えて 南三陸の震災伝承館、10月1日開館

  • 毎日新聞
  • 更新日:2022/09/23
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「死」や「命の尊厳」をテーマに表現してきたクリスチャン・ボルタンスキー氏の作品「MEMORIAL」=宮城県南三陸町の「南三陸311メモリアル」で2022年9月22日午後3時7分、百武信幸撮影

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町の被災の記憶と教訓を、町民の証言とアートで伝える震災伝承館「南三陸311メモリアル」が、10月1日に開館する。被災者の体験から「あなたならどう命を守るか」を問う防災プログラムが特徴。建物は建築家の隈研吾氏が設計し、世界的な現代美術家クリスチャン・ボルタンスキー氏の作品も展示される。

【写真】東日本大震災11年 被災地は今

施設は南三陸さんさん商店街に隣接し、交通ターミナルや新たな観光施設と合わせ、道の駅「さんさん南三陸」としてオープンする。町は津波で町職員ら43人が犠牲になった旧防災対策庁舎の周囲を震災復興祈念公園として2019年に整備しており、道の駅整備を復興事業の集大成と位置づける。

報道陣向けの内覧会が22日に開かれた。入り口では震災の状況や被害実態が紹介され、展示ギャラリーでは防災対策庁舎の生還者ら、延べ89人のインタビュー映像を見ることができる。

ボルタンスキー氏の「MEMORIAL」と題した作品は、積み上げられた「箱」が、あの日、命とともに消えた無数の記憶を思わせる。伝承施設にアート作品を置く例は少ないが、町や展示担当者は命や死について思索を促す作品の展示を検討し、ユダヤ系フランス人で、ホロコーストをテーマにした作品も多い同氏に依頼。2021年に急逝したが、残した設計図を基に完成した。

スクリーンに囲まれた「ラーニングシアター」では、児童をどこに避難させるか判断を迫られた戸倉小の当時の校長らの証言を例に「屋上か、高台か」という判断を参加者に問いかけたり、隣の人と話し合う時間を設けたりと、被災者の経験を基に考えさせるプログラムもある。

この他、写真家の浅田政志氏が8年かけて撮影した住民の生き生きとした写真や、町の復興に寄せられた支援へ感謝を込めた展示などもある。【百武信幸】

毎日新聞

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