美貌の騎手・神村ひより、「馬のフィギュアスケート」に夢中な理由を語る

美貌の騎手・神村ひより、「馬のフィギュアスケート」に夢中な理由を語る

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  • 更新日:2020/10/16

馬術界に現れたヒロイン

神村ひより インタビュー 競技編

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【写真18枚】美貌の騎手・神村ひより、厳選カット

人馬一体となって演技し、その美しさや正確さを競う馬場馬術(ドレッサージュ)。騎手の指示を受けた馬はアリーナの中でステップを踏み、図形を描いて"踊る"。「馬のフィギュアスケート」とも称され、芸術的なパフォーマンスが見るものを魅了するスポーツだ。

その馬場馬術の世界に、将来を期待されるヒロインがいる。神村(じんむら)ひより、20歳。175センチの長身と長い手足を生かして馬に躍動感を生み出す演技を武器に、ジュニア世代の主要大会「全日本ジュニア馬場馬術大会」では、2019年までに年代別の3部門すべてで優勝を経験。今年11月下旬に開かれる同大会で6年連続優勝に挑む。注目の大会を前に神村を訪ね、彼女の人物像に迫った。

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全日本ジュニア馬場馬術大会で5年連続優勝中の神村ひよりと、馬のオテロ

馬術を始めたきっかけは幼少期の引き馬体験だった。家族で訪れた牧場やデパートの屋上で体験コーナーを見つけるたびに母親に何回もねだった。

「何度も列に並んで、ずっと乗っていました。もう、お母さんが困るくらいにひたすら。小さな頃から大きな動物が好きでしたが、特に馬の優しい目を見ていると、なんだか安心しました」

馬と触れ合うことが好きな娘に、母親が勧めたのが乗馬クラブへの参加だった。神村は習い事として乗馬を始めた小学1年時点で身長130センチ台後半と体格に恵まれ、年齢に対して早い時期から大きな馬に乗ることができた。初めの数年間は障害物を飛び越す障害馬術と馬場馬術の両方に取り組んでいたが、幼い少女は後者の奥深さに魅了されたという。

「正解が簡単にわからないところに引かれました。それぞれの馬が同じ動きをしているように見えるのにさまざまなポイントがあったり、選手ごとに重要視している動きが違ったりして、当時の自分のフィーリングに何か響くものがありました」

趣味の枠を超え、競技大会に参加するようになって間もない小学校高学年の時、神村はいっそうレベルアップできる環境を求めてクラブ移籍を決断。関西のクラブに所属していた時期には、毎週末、長時間かけて自宅のある東京との間を往復した。神村は微笑みながら、当時を振り返る。

「(東京から)新幹線や高速バスに乗って、ひとりで行っていました。私も『お母さん、一緒に来ないんだ』ってびっくりしましたよ(笑)。でも、今思うとその経験のおかげで単独の行動が怖くなくなりましたね」

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厩舎で馬の世話をする神村。「馬と触れ合っていると純粋に癒されます」

小学6年で、コーチの誘いを受けて、御殿場のアイリッシュ・アラン乗馬学校に入会。その後中学、高校と過ごし、スタッフとして勤務する現在に至るまで神村の成長を支えることになるこのクラブで、全日本ジュニアの上位を本格的に見据えるようになった。

しかし、神村は入会当初から群を抜いていたわけではなかった。繊細な生き物である馬と呼吸を合わせ、その持ち味を引き出すことの難しさに直面する毎日だったという。

「本当に少しずつ、少しずつでした。馬にいろいろなことを教わりながら、うまくいったり、失敗したりの繰り返しでした」

実際、小学6年の時の全日本ジュニアでは予選落ちを経験している。その悔しさを糧に、徐々に順位を上げていき、中学最後の全日本ジュニアで念願のチルドレン部門初優勝を果たしたのだが、それが「今までで一番うれしかったことのひとつ」だという。

職業として馬術の道へ進むことを意識するようになったのは高校時代。大学進学を望んでいた家族にはなかなか打ち明けられずにいたが、ある日思い切って父親に相談した。すると思いがけない言葉が返ってきた。

「『自分が今やりたいと思うことをやったらいい』と言ってくれました。同時に『その代わり絶対に成績を出し続けなさい』とも伝えられました。父もスポーツをずっとやっていた人なので気持ちをわかってくれたのかもしれません。私は少し驚きながら『や、やりますよ!』という感じでした」

そして神村は、中学時代のチルドレン部門に続き、高校ではジュニアとヤングの2部門も制覇。クラブに就職後の19年にもヤング部門を制し、父親との約束を有言実行してきた。

「全日本ジュニアでここまで連続優勝できているのは、温かく、時に厳しく指導してくれるクラブの先生やコーチ、そして大切な馬を貸してくれるオーナーら周りの方々のサポートのおかげです。恵まれた環境で練習できることに感謝し、トップレベルの舞台で活躍するコーチの背中を追いかけながら日々成長したいです」

家族とともに周囲の支えへの感謝を忘れない神村は現在、クラブでの仕事と自身のトレーニングに力を注いでいる。東京五輪出場を目指す林伸伍選手ら「先生」とその馬のサポートなどに取り組みながら、ヤング部門3連覇がかかる11月21、22両日の全日本ジュニアに向けて日中は練習、夜は映像で自分の演技を研究する日々だ。多忙な毎日だが、充実した表情を浮かべて目標をこう語る。

「11月の全日本ジュニアで去年より成長した演技を見せて、馬にウイニングランをさせてあげたいです。そして近い将来、プロも混ざる全日本選手権に出場していきます。国内最高レベルの選手たちの壁はまだまだものすごく高く感じますが、頑張って少しでも近づいていきたいです」

そうした目標達成とは別に、神村には目指している選手像がある。自らを夢中にさせ続ける競技の魅力を発信していける選手になることだ。

「馬場馬術は『面白くない』って言われてしまうこともありますが、奥深い競技で、理解されるまでに時間のかかるスポーツだと思います。なので、最初は選手自身に興味を持ってもらって、少しずつ競技の面白さを知ってもらえたら。『神村を見に来た』と言ってくれる人が増えるように、魅力的な選手になっていきたいです!」

【profile】
神村ひより Jinmura Hiyori
2000年、東京都生まれ。アイリッシュ・アラン乗馬学校所属。6歳から馬術を始め、2015年の全日本ジュニア馬場馬術大会のチルドレンライダー選手権で初優勝。高校時代にはジュニアとヤングの2部門も制覇。高校卒業後の19年にもヤングを制し、大会としては5年連続優勝を飾っている。オリンピックなど国際競技大会で活躍が期待される次世代の選手「JOC(日本オリンピック委員会)ネクストシンボルアスリート」に選出。

スポルティーバ編集部●取材・文 text by Sportiva

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