日ハム近藤健介はどうやったら打ち取れる? データも“お手上げ”の弱点のなさ

日ハム近藤健介はどうやったら打ち取れる? データも“お手上げ”の弱点のなさ

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  • 更新日:2020/11/20
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日本ハム・近藤健介【写真:石川加奈子】

規定打席に到達したシーズンではいずれも打率.300を超えている

今季、最高出塁率のタイトルを2年連続で獲得した日本ハムの近藤健介外野手。卓越した選球眼は健在で、オリックスの吉田正尚外野手やソフトバンクの柳田悠岐外野手らリーグを代表する強打者たちを抑えて出塁率.465をマークした。

近藤が持つ魅力は、選球眼だけではない。2018年から3シーズン続けて打率3割を超え、今季もリーグ3位の打率.340を記録。打撃技術の高さもリーグ屈指だ。得点圏での貴重な一打も多く、勝負強さも随所で発揮。主砲の中田翔内野手が休養などで4番を外れた試合では、代役として4番を務める機会もあった。

打率や出塁率のみならず、セイバーメトリクスの観点で用いられる各種の指標でも、近藤の打撃成績は秀でている。今回は、具体的な長所や特徴を指標をもとに分析。得意とするコースや球種なども紹介し、安定した打撃を続ける理由をデータの面から迫っていきたい。

まず、近藤の年度別や通算の成績を見ていきたい。

初めて規定打席に到達した2015年以降、年間打率が.300を下回ったのはわずかに一度だけ。通算でも打率.309、出塁率.412とそれぞれ大台を超えており、リーグを代表する好打者の一人といえる。怪我に苦しめられるシーズンも少なくはないが、これまで規定打席に到達したシーズンではいずれも打率.300を超えている。

年度別の成績では、規定打席未満ながら打率.400超えの数字を記録した2017年が目を引く。2015年にもリーグ3位の打率.326という好成績を記録していたが、2017年を境に打撃は進化。2018年からは3年連続で規定打席に到達して打率.300超えを果たし、出塁率もそれぞれ.420以上を記録。2019年には3桁を超える四球を記録するなど、そのチャンスメーク能力は際立っている。

続けて、近藤の打撃をセイバーメトリクスの観点から分析。出塁率と長打率を足して求める「OPS」、三振数を打席数で割って求める「三振率」、四球を打席で割って求める「四球率」、出塁率と打率の差を示した「IsoD」といった各種の指標に着目した。

高いミート力を持つ近藤は、キャリアを通じて三振率は2013年の.175が最も高い数字に。規定打席に到達した上で三振率.117という数字を記録した2015年をはじめ、主力に定着してからの三振率は安定して低く抑えられている。

今季のOPSは.934…超一流の打者の領域に

その一方で、直近4シーズンにおける四球率はすべて.150を上回っている。とりわけ脅威的なのが2017年。実に4打席に1度以上の割合で四球を選んでいたことに。今季の四球率も.1905と、およそ5打席に1回に近い割合で四球をもぎ取っている計算になる。

近藤は打順としては3番打者を務めることが多く、四球で出塁して後続のポイントゲッターにつなぐ打席も多い。だからこそ、状況を冷静に見極め、2ストライクから際どいコースの球を見逃し、三振のリスクを負う判断を行うことも少なくはない。

それにも関わらず、直近4シーズンで3度、四球率が三振率を上回っており、チームへの貢献度の高さを物語っている。

また、OPSも2015年以降の5度、一流打者の基準とも言える.800を超えている。中でも2017年には、OPS1.124という驚異的な数字に。今季は長打率の面でも例年に比べて数字を伸ばしており、OPSも.934と超一流の打者の領域に近づいてきている。

また、IsoDでも2017年以降は4年連続で.100を上回り、選球眼の良さが表れている。2017年以降はいずれも打率.300を上回っているにもかかわらず、さらに.100以上も高い出塁率を記録し続けていることになる。早打ちせず、じっくりとボールを見極めながら安打と四球を量産する打撃スタイルが簡潔に示された項目と言えよう。

続けて、今季の近藤が記録している、投球コース別の打率についても見ていきたい。

唯一真ん中高めのゾーンは苦手としているが、それ以外のストライクゾーンの関しては打率.290以上を記録。中でも、低めのコースはいずれも打率.400前後の数字を叩き出している点が驚異的だ。それでいて、外角高めのストライクやボールゾーンの釣り球、外角高めに大きく外れる球に対しても打率.400以上で、高めを苦手にしているという気配もない。

低めへの強さは、ストライクゾーンに限ったものではない。ボール球でも、5つのゾーンのうち4つで打率.333以上を記録。本来リスクが低いとされやすい低めのゾーンだが、近藤に対しては結果球として用いるのは厳禁と言えよう。

内角に対しては.300以上と内角攻めも苦にせず、ど真ん中の甘い球に対しても逃すことなく対応。外角に対しても全て打率.290以上と良い成績を残しているだけに、唯一の弱点と言っていい真ん中高めを克服することができれば、さらなる成績の向上も見込めるかもしれない。

真ん中高めという明確な弱点は存在するものの、ストライクゾーンの内外で得意なゾーンを数多く持つ近藤。バッテリーにとっては打ち取るための組み立てが難しいと言える。多くの四球を記録しているのは、選球眼に加えて相手が慎重な攻めをせざるを得ないほどの弱点の少なさも手伝ってのことかもしれない。

フォーク以外の全ての球種に対して打率3割以上…抜群の対応力

最後に、今季の球種別打率についても見ていきたい。

フォーク以外の全ての球種に対して打率.300以上。抜群の対応力を示している。フォークのみ極端に苦手としているが、それ以外の7つの球種は全て得意と形容してもいいほどだ。

カットボール、スライダーの2球種は特に得意としており、ともに球種別打率は.400を超えている。全体の割合として左投手よりも多い右投手がこの2球種を用いる場合、左打者の近藤にとっては内に食い込んでくる球になる。そういった球種を打ち込んでいる点も、先述したインコースへの強さを支える要素となっていることだろう。

カットボールへの強さも含め、ストレートやシンカー・ツーシーム、シュートといった速球系の球種に対しては、すべて打率.300以上の数字を記録。加えて、チェンジアップとカーブといったブレーキの効いた球に対しても優れた数字を記録しており、緩急どちらにも対応できている。

コース別の打率と同様、明確な弱点こそ1つ存在するものの、それ以外の球種に対しては極めてハイレベルな数字を記録。ほとんどの球種に対応できることを考えれば、フォークを持たない投手にとっては決め球を設定するのにも難儀するところだ。やはり、打者としての穴の少なさ、打ち取りづらさはリーグ屈指のものがあるだろう。

コース別の打率、球種別の打率ともに穴が極めて少なく、指標の上でも安定した数字を残し続けている近藤。レギュラー定着以降は安定して高打率を記録し続けているが、柳田や吉田正、現レッズの秋山翔吾外野手、西武の森友哉捕手ら好打者たちの壁に阻まれ、首位打者や最多安打を獲得したことは一度もない。抜群の対応力を活かしたシュアな打撃を勝負どころでも発揮し、来シーズンは初の栄冠を勝ち取れるかに注目したい。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」望月遼太

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