2000年前の哲学「ストイシズム」で感情をコントロールする

2000年前の哲学「ストイシズム」で感情をコントロールする

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2022/06/24
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ダグラス・J・ウィッテンは、調停人、仲裁人、交渉コーチ、そしてInnovative ADR International LLCの創設者だ。2003年に調停人となった後、ウィッテンは、職場や家庭でより良い交渉ができるよう支援することにそのキャリアを捧げている。ウィッテンは、ストイシズムの原則と、難しい会話の際に感情をコントロールするためのツールについて話すために、Negotiate Anythingに参加した。

感情マネジメントを難しくしているもの
感情のコントロールが重要なのは、より明確でより良い決断を下すためだ。また、最も生産的な会話は、理性によって導かれる。そのためには、特に緊張が高まっているときに、感情を健全なかたちでコントロールする必要がある。

交渉の準備をするときには、しばしば、私たちは完璧な戦略を立て、自分の動きを見極めることに全神経を集中させる。しかし、感情的引き金になるものへの準備も同様に重要だ。「それは私たちを動揺させるものではなく、私たちを動揺させるものへの反応のことなのです」とウィッテンは話す。

自分の中の調停者を見つける
「調停者マインドセット」とも呼ばれる、自分の中の調停者は、あなたの目の前にある状況の全体像を描く手助けをする客観的な第三者として機能する。

「人々が内なる調停者を呼び出すことができる限り、最も効果的に対立を解決できる立場にある、と私は考え始めたのです」とウィッテンは説明する。

状況を客観的に見るために脳を鍛えることができれば、感情的にも戦略的にも、より適切な対応ができるようになるという理論だ。

「私たちを傷つけるものは、状況そのものではなく、状況への私たちの反応なのです」とウィッテンはいう。「私たちの視点を変えることができれば、まったく同じ状況を見ても、違ったかたちでそれを感謝することができるのです」

交渉に限らず、客観的に考える力は、総合的な意思決定の向上にもつながる。私たちの人生の質は、意思決定の質にかかっている。もし決断力を高めることができれば、人生のあらゆる側面を向上させることができるのだ。

「これは、意思決定についての話であり、私たちができる最善の意思決定を得ようとすることです。そして、意思決定のための精神的な手がかりやモデルを持つことなのです」

感情管理のためのツールとしてのストイシズム
ストイシズムは2000年の歴史を持つ古代哲学であり、私たちが今日直面する最も困難な会話の多くに直接適用できる。

ストイシズムの核心は、受け入れることだ。自分でコントロールできないことを受け入れ、その代わりにコントロールできることにエネルギーを集中させるのだ。

「良いも悪いもなく、ただ認識があるのです。認識は私たちがコントロールできるものです」と、ウィッテンは語る。「このことは、特に正しい判断を妨げるような感情を管理するのにも役立ちます」

難しい会話や交渉になったとき、相手の言動をコントロールできないという事実を受け入れることが大切なのだ。あなたがコントロールできるのは、その情報をどう受け取り、どう対応するかだけだ。ここが、自分の力を取り戻し、湧き上がる感情をコントロールするところなのだ。

謙虚さの力
コントロールの正体とは、未知なるものへの恐怖心だ。その結果、私たちの多くはすべてを知ろうとする。交渉において最も重要なのは準備であり、そのプロセスでは、できるだけ多くの知識を得ることが目標だ。これは間違いなく貴重なことだが、相手のことをすべて知らない方がいいというメリットもある。

そうすることで、自然と客観的な状況判断ができるようになるだけでなく、リアルタイムのスキルも磨かれていく。情報が少ないほど、交渉人は、その場その場のスキルに頼らざるを得ない。相手のことをすべてを知らないことを受け入れることは、交渉が感情を排除するものではなく、むしろ、より良い解決策を導くために戦略的な感情管理を取り入れるべきであるという事実を強調し、相互の共感を築くことにもつながる。

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