ロックダウンが続くパリ、中村江里子が語る「穏やかなおうち時間のコツ」

ロックダウンが続くパリ、中村江里子が語る「穏やかなおうち時間のコツ」

  • 女子SPA!
  • 更新日:2021/05/01

東京など4都府県で、5月11日まで3度目の緊急事態宣言が出されている日本。一方、フランスでも3回目のロックダウンが行われています(少なくとも5月初めまで)。

新型コロナによる死者数は、フランスではすで10万人を超え、日本の約10倍。そんな中、自由を愛するフランスの人々はステイホーム期間にどんな暮らしをしているのか。『パリのおうち時間』を上梓した中村江里子さん(52)に聞きました。

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中村江里子さん。ステイホーム中には、大好きな整理整頓ですっきり

中村江里子さんは、パリで3人の子育てをしながら、東京-パリを往復して雑誌やテレビで活動。コロナ禍以降は来日することができず、パリからオフィシャルブログインスタグラムで情報発信しています。

洗練されたライフスタイルと華やかな交友関係も目を引きますが、なにより堅実で穏やかなその日常に気持ちを寄せる読者も多いようです。ロックダウンが続くフランスはどんな様子なのでしょうか?(以下、「 」内は中村江里子さん)

◆イギリス変異株の感染スピードがものすごい

──新型コロナウイルスの感染者が高止まりしているフランスで、4月3日から始まったロックダウン。国内はどのようになっていますか?

「この記事が掲載される頃にはまた、いろいろなことが変わっている可能性も多々あるのですが…(取材は4月20日)。現在、同じ規制でフランス全土は3回目のロックダウン中です。イギリス変異株の感染拡大のスピードがものすごくて。学校の春休みを1週間早めてロックダウンがスタートしました。

自宅から10キロ以内の移動ならば、外出許可証の申請は必要なくて身分証明書の携帯のみで移動が可能ですが、10キロを超える移動については外出許可証の申請が必要になります。ただし、基本的には移動は禁止。仕事や家族の看病などの特別な理由にかぎって、申請書を携帯して移動が可能ということです」

◆レストランの店内営業は去年10月からずっと禁止

──街の様子はどうですか?

「飲食業やホテルなどの宿泊施設、美術館、映画館は昨年の10月末からずっと休業しています。また、コンサートや舞台なども当然ストップしていて、イベントなどもありません。生活必需品以外のお店は、これまでは休業になったり、営業したりという状況でしたが、いまは完全に休業中です。ですから、外に出ても行くところはないんです。

病院や生活必需品のお店など、すべての施設はマスクをしていないと入れませんし、大きなスーパーマーケットなどではセキュリティの方がいて、マスクをしていないと注意をされます。また、入り口には消毒用のジェルが必ず設置されています。病院の対応についてはそれぞれのようで、私が知るかぎりでは、検温などはなく、事前に体調報告を義務付けているところもあったり、なかったり。

また、歯科医院での抜歯の際に、親は待合室で待つように指示されたりすることもありますが、日本の友人たちから聞く、入退院、外来受診に関する日本の病院の規制よりは、ゆるやかなように感じます」

<ステイホーム中に、大好きな整理整頓をしている中村さん。「私の特技がもっとも発揮される」と笑うのが、書類の整理だそうです。昨年は夫のバルトさんから「あなたのおもちゃ!」と、スキャナーのプレゼントをされ、嬉しくてすべての書類をせっせとスキャンして、パソコンにデータ保存したと言います。>

◆仕事での移動でも緊張してドキドキ

──スポーツジムやお子さんたちのお稽古事などもお休みですか?

「スポーツは屋外のもの以外すべて禁止なので、トレーニングジムや子どもたちのスイミングスクールはお休み。ですから、長男と次女はおよそ1年、プールに入っていません。プライベートレッスンはオッケーなので、私が習っているボクシングは、コーチはマスクをして窓を開けて行っています。公園など屋外のスペースを利用してレッスンを行っている人の姿も目にします」

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おうち時間にアイロンかけするのも大好きとか

──江里子さんとご家族はどう過ごされているのでしょうか。

「フランスでは4月3日~5日はイースターの連休だったのですが、この間は地域を超えての移動はOKで、移動禁止は5日の夜から。そこで、私たち家族も移動可能な期間に南仏の田舎の家に移動しました。イースターの連休後の数日は、子どもたちはオンライン授業となり、その後、春休みに。

私は10日にパリで仕事があって、現地にいなくてはならなかったので、主催者の方に特例外出許可証を作成していただき、さらに自分でも外出許可証を申請し、パリと南仏を往復しました。駅や空港には警察官の方の姿もあって、規則に違反して移動をした人は135ユーロ(約1万7600円)の罰金を科せられます。事前に申請をしていて問題ないとはいえ、私もなんだか緊張してドキドキしました。

その後、いまは南仏で春休み中。子どもたちは学校の宿題やテストの準備をしながら、もちろん、家の中でですが、お休みをのんびり過ごしています。夫はリモートでオフィスのスタッフの方々とやりとりをしています。春休み明けは高校生の長女と中学生の長男はオンラインで授業が再開。小学生の次女は登校となるのでパリに戻ります。夫は、現在はリモートワークですが、ロックダウン解除後はオフィスの出勤人数を調整して、出社することも考えているようです」

◆日本が恋しい時は、歌謡曲を聴きながらアイロンを

──国外からの移動や、PCR検査やワクチン接種の現状は?

「フランスへの入国には相応の理由が必要です。アメリカ人の知人が仕事で来仏したのですが、自力で空港から移動して、アパルトマンを借りて自主隔離生活をしています。

PCR検査は無料。ワクチンの接種は始まっていて、50代の夫と私はまだですが、親戚や知人で70代以上の方々はほとんど接種を終えているようです。70代の夫の両親も2度の接種を終え、先日久しぶりに一緒に食卓を囲みました。といっても、外食ではなく家でですが……」

──日本やフランスのお友達とやりとりしていますか?

「私自身が直接、会って顔を見て話をしたいと思っているのと、日本の場合は時差もあるので、友人とはメールやラインでのやりとりで、電話での長話やオンラインでおしゃべりをすることはありません。もしも、直接会って、話をする日がきたならば、何時間……いえ、何日にもわたって話が尽きないかもしれませんね!」

<日本が恋しくて、時にはイラつくし、時にはすごく寂しくなることも。そんな時は日本の歌謡曲を聴きながら、アイロンをかけるのがホームシック解消法だそう。ただ最近は「寂しい時には寂しいという感情にどっぷり浸ってもよいのかもしれないとも思う」と、中村さんは言います>

◆この時期にパーティをするフランス人も

──規制の多い生活の中で、心がけていることを教えてください。

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家事は無心になれる

「心がけているのは、つねに穏やかな気持ちでいること。なかなか難しい時もあるのですが……。

たとえば、フランス人との温度差を感じる時。この間、たまたま仕事で何人かの日本人の方にお会いしました。本当にしばらくぶりのこと。お話ししていると、やはりみなさん、とても日本人らしいというのか、自分や家族のためにも、まず自分が感染しないようにとても気をつけている。そして、規制を守っている。

でも、フランス人の知り合いの中には、この時期、大規模なパーティを企画したりする人もいて、そのお誘いなどがくると、『えぇっ!!』と思って、日本人の考え方とフランス人の考え方の違いに愕然とすると、おっしゃっていました。私もまったく同じような経験をしていて、そんな時は穏やかでいるのがなかなか難しい……(笑)」

<家事のいいところは、ほかのことを考えずに無心になって没頭できること。おうち時間に、家の中も気持ちもすっきりさせているそうです>

◆「老い」や「老後」のことも考えた

──中村さんはパリと東京を行き来できなくなって、自宅で執筆する時間が増えたのではないでしょうか。これまで語ったことがなかった「老い」や「老後」についても書籍で触れているそうですが……。

「はい。50代になってこれは、避けては通れない人生のテーマだなと感じたので。ただ、老いなどについては子どもたちの年齢が小さいこともあって、まだまだ先のような気もしていますし、いま、すぐにこれといった問題や実感があるわけではないので……。もう少し現実的になった時には、今回書いたこととは、また別の感情になっているかもしれません。でも、通過点として、いまの思いを形にすることはよかったかなと思っています。

一人静かに原稿を書くのは、改めて自分自身の心の中、頭の中を整理する作業。普段、なんとなく頭の中で考えていること、心の中で思うことを伝えるための『言葉』にするのは簡単ではなく、いまだにまとまっていないゆるゆるとしたものもありますが、自分自身と向き合う大切な時間でした」

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中村さんが毎日大事にしていること、50代という年齢になったからこそ考え始めたこと……etc. コロナ禍で命の危険にさらされ、多くの人が「自分にとって本当に大事なこと」を見つめなおしているように思えます。

<文/女子SPA!編集部>

【中村江里子】

本名:エリコ・バルト/1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にバルト氏(化粧品会社経営)と結婚、パリに暮らす。現在は3児の母で、パリと東京を往復しながら各メディアで活躍中。ライフスタイルブック「セゾン・ド・エリコ」シリーズ、Instagram:eriko.nakamura_official

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