コロナ禍の経済議論 デジタル化やWTO改革を推進 G20開幕

  • 産経ニュース
  • 更新日:2020/11/22

20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が21日にオンラインで開催され、初日は新型コロナウイルス感染症への対応と、コロナ禍での経済回復について議論が交わされた。コロナ禍で対面での接触が限られる中、デジタル化のルール作りや、自由貿易推進に向けた世界貿易機関(WTO)改革が重要と日本は主張。景気悪化を防ぐため各国の財政出動が長期化する中、課題解決のため、主導力を発揮することが日本には求められる。

「新型コロナでデジタル化の重要性が増しているのは各国で一致している」。日本政府高官はこう強調する。菅義偉政権もデジタル庁の設立を打ち出し、マイナンバーカードの普及による行政手続きのオンライン化などを進める計画だ。

コロナ禍では人の往来が限られており、今後さらに電子商取引(EC)などにおいて国境をまたぐデータ流通の増加が予想される。またコロナ禍とは別に人工知能(AI)やロボット、自動運転技術、遠隔医療技術なども発展し、基盤となるデータの蓄積度合いがデジタル経済や各国の経済成長をも左右しかねない。

しかし、各国の足並みはそろわない。日本や米国などが信頼性を確保した上でデータの自由な流通を主張する一方、中国はデータを自国内で管理する考えで、欧州は個人情報保護の強化を求める。昨年のG20サミットでは、データ流通に関するルール作りをWTOの枠組みの中で作ることを決めたが、コロナ禍もあって進んでいない。

加えて、G20でたびたび議題にあがるWTO改革自体が停滞している。米国の反対で裁判の「最終審」にあたる上級委員会が欠員となり、WTOの紛争処理は機能不全に陥っている。次期事務局長も正式に決まらないままだ。

WTOはルール作りや紛争処理などにおける自由貿易体制の要だ。日本は中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)交渉を妥結させるなど「自由貿易の旗手」(自民党幹部)を自任するだけに、果たすべき役割は大きい。(大柳聡庸)

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