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“池袋暴走”飯塚幸三被告に禁錮7年 90歳でも“実刑判決”が濃厚な3つの理由

“池袋暴走”飯塚幸三被告に禁錮7年 90歳でも“実刑判決”が濃厚な3つの理由

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/07/22

東京・池袋で2019年4月、母子2人が死亡した乗用車の暴走事故。検察側は7月15日、過失運転致死傷罪に問われた飯塚幸三被告(90)に対し、同罪の法定刑の上限に当たる禁錮7年を求刑した。過失犯の交通事故では異例の重い求刑だが、遺族の強い処罰感情にも配慮した格好だ。

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妻と長女の写真を前に記者会見を行う遺族の松永拓也さん ©共同通信社

禁錮刑は主として政治犯を想定した刑罰で、法定刑として定められているのは公職選挙法に関する違反行為が約50件と群を抜いて多い。一方で刑法では懲役刑よりも軽い刑罰と位置づけられ、収監されても刑務作業に従事する義務はない。ただ、令和2年版犯罪白書によると、禁錮受刑者の80.2%が自ら希望して作業に従事しているという。

判決期日は9月2日だが、俄かに注目を集めているのが、6月に卒寿を迎えた飯塚被告に実刑判決が言い渡されるかどうか。だが、その可能性は高いと見られる。

第一に、一般に裁判官の量刑判断の相場は「求刑の7~8掛け」。禁錮7年の求刑で仮に有罪となれば、執行猶予(上限5年)が付く公算は極めて低い。

第二に、検察側は冒頭陳述で01年に同種の前科一犯(自転車との接触事故、略式処分)があると明らかにしたほか、論告でも10年頃から今回の事故までに計5回の物損事故を起こしたと指摘。飯塚被告は情状面でも劣勢に立たされている。

第三の理由は?

奇しくも6月29日には、高知地裁の裁判員裁判で、検察庁舎で放火未遂事件を起こした男(97)に懲役5年の実刑判決が言い渡され、“最高齢記録”が更新されたばかり。実刑か否かは事案の重大性や犯行の悪質性による面が大きく、被告の年齢が過度に考慮されることはないというのが、第三の理由だ。

刑事訴訟法では、実刑判決を言い渡されても、「刑の執行で著しく健康を害するおそれがある」「70歳以上である」などの理由があれば、執行を停止できるとも定められている。ただ、刑務所長や被告本人から上申を受けて審査するのは検察官。社会的な反響が大きく、遺族の処罰感情も強い本件では、執行停止のハードルはより高くなりそうだ。

飯塚被告はこれまでの公判にすべて車いすで出廷し、被告人質問では「足のふらつきがあり、パーキンソン症候群の可能性があると診断された」と説明。しかし、7月15日の公判では証言台につかまるようにして自力で立ち上がり、「アクセルとブレーキを踏み間違えた記憶はまったくない」とはっきりとした口調で話すなど、健康状態に大きな問題は見られない。

被害者参加制度を利用して公判のたびに法廷に足を運び、結審まで飯塚被告の様子を見続けた遺族は「被告には罪と2人の命、遺族の無念に向き合う時間と場所が必要だ」と語っている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年7月29日号)

「週刊文春」編集部

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