「休職」の診断書を受け取った時、私は「今、自分に彼氏がいなくてよかった」と思った

「休職」の診断書を受け取った時、私は「今、自分に彼氏がいなくてよかった」と思った

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2021/01/13
No image

「双極性の傾向があるね」。三回目の休職に突入して十ヶ月、通院している心療内科・精神科で、主治医に言われた。はっきりと「双極性」と言葉にされたのは初めてだったけれど、「まあそうだろうな」と肚(はら)に落ちるものはあった。

理想が高いのではなく、付き合わせるのが「申し訳ない」から恋愛に向いていない

恋愛は億劫に。もしそばに誰かいたら、道連れにしてしまいそうで

初めて「休職」の診断書を受け取った時、私は「今、自分に彼氏がいなくてよかった」と思った。もしもそばに誰かいたら、その人ごと、どこかに道連れにしてしまうような気がしたからだ。それから二年半の月日が経つが、これまでずっと恋愛のことは少々億劫に感じてきた。「自分自身の気分や体調の波に、他の誰かを巻き込んではならない」と感じていたからだ。周りの結婚や出産に焦る気持ちがなかったかといえば嘘になるけれど、それどころじゃなかったというのが本音だ。

まずこの病気であることは、私の結婚を難しくするだろうと思ってしまった。例えば、子どもを産むなら、計画出産がマストになる。今飲んでいる薬は、妊娠中に飲むことを禁忌とされているからだ。薬を飲むのをやめれば、相応に症状が強くなるだろう。私もパートナーも妊娠プラスアルファのストレスを抱えることになる。子育て中も、無理がきかない私の身体では、難しいことが多い。少なくとも、ワンオペ育児は絶対に出来ない。

足の傷跡。気遣いするくらいなら「怖い」「キモイ」と言ってくれた方がマシ

祖母が薦めるお見合い相手は、「誰が見ても優良物件」ばかり

他に女は星の数ほどいるのだ。パートナーだって、その親だって、結婚相手が「どうしても私でなければならない理由」を見つけるのは難しいと思う。それは私が病気であるかどうかに関わらず難しいだろうけど、やっぱり難易度は上がったんじゃないかと思う。

私の祖母は、私が高校生になった頃から「早く結婚してひ孫の顔を見せて」と楽しみにしている。何年もの間、祖母がお見合いの話を持ってくるのを必死に止めている。まず、祖母の優生思想っぷりが、どうしても私の気に障るのだ。祖母は病気のことを知らないから、私のことを「誰が見ても優良物件」だと思っている。だから祖母が持ってこようとするお見合いの話は「誰が見ても優良物件」みたいな相手ばかりだ。

だけど私、病気だから。

「誰が見ても優良物件」にはなれない。

そんな気持ちでここ数年生きてきたけれど、復職支援プログラムに通って、ちゃんと病気に向き合っていたら、少しずつ病気を受け入れられるようになった。

受け入れることが出来てから、病気も悪いことばかりでないと気づいた

健康で自由な可能性を持った私は「死んで」しまったかもしれない。そのことを私にとっての「普通」として受け入れて、私がありのままいられる場所を探したい。「病気だから治そう」と躍起になるよりも、随分気が楽だ。毎日セルフモニタリングをして、自分の好不調の波に敏感になる。自分の傾向と対策を知れば、波を小さくすることは出来る。

【厳選】恋人やセフレとの悩ましい関係…2020年最も読まれたエッセイを発表!

受け入れることが出来てから、病気も悪いことばかりではないと気づいた。これだけのハンデを持ってもそばにいてくれる人に、私はきっと心から感謝できるだろう。病気がなければ、そばにいてくれることのありがたみなんて忘れてしまったかもしれない。

そうしたら、ずっと「それどころではない」と億劫になっていた恋愛にも少し前向きになった。これまでは、私自身が「自分が病気であること」を受け入れることができなかったから、恋愛においても「私が病気であること」を相手に受け入れてもらうことはできないと考えていたのだ。

だけど今は、そんな相手もどこかにはいるかもしれないなと思う。私だって、「自分が病気であること」を受け入れることが出来たのだから。

内海あさ

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加