アンディ・ウォーホルの名画を100円から保有できる! コーヒー感覚で夢を買うアートの「共同保有」とは

アンディ・ウォーホルの名画を100円から保有できる! コーヒー感覚で夢を買うアートの「共同保有」とは

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  • 更新日:2022/01/15
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写真はイメージ (c)GettyImages

アート・NFT作品の「共同保有」というサービスがある。アンディ・ウォーホルや草間彌生作品も共同で「保有」できるこのサービス、利用者からは「コーヒー代にも満たない金額で夢が買える」と評判だ。アートを巡る新しい潮流を紹介する連載「なぜ1億円のアート作品がポチられるのか」。今回は共同保有を紹介する。

【写真】1億円超の作品がシュレッダーで切り刻まれ…*  *  *

都内に住む黒田将昭さん(47)は、ソフトウエア系企業に勤める会社員だ。小さな子どもが2人おり、日々散らかる部屋と格闘している。ごく一般的な生活を送っているが、なんとアンディ・ウォーホルの名画「ドナルドダック」などを保有しているという。

アンディ・ウォーホルといえば、アメリカが生んだポップアート界の伝説。マリリン・モンローなどアメリカ社会のシンボルを描き、1億ドル超で取引された作品もある。そんなアンディ作品を、なぜ日本の会社員が?

「共同保有しているんです」

■分散投資の感覚でたくさんの作品を保有

昨今、アート作品を2人以上で保有する「共同保有」という手法がある。インターネット上で作品を選び、共同オーナー権を購入する。その額、なんと1口100円から。黒田さんは現在、アンディ・ウォーホルの「ドナルドダック」に5,000円ほど投じている。

利用するのは、アート・NFT作品の共同保有を支援するサービス「STRAYM(ストレイム)」。面白いのは、時勢によって作品の価値が変わることだ。先の「ドナルドダック」の評価額は黒田さんが共同オーナー権を得たときから約150%値上がりしており、いまオーナー権を売却すれば約50%の利益が出ることになる。

100円から購入できる手軽さに、値上がりするかもしれないワクワク感。そのせいか、共同保有するのはアートファンだけではない。黒田さんはもともと個人投資家で、投資先のひとつとしてアート作品に興味をもった。一気に複数の作品にお金を投じたが、「好きな作品がたくさんあったから」だけではなく「分散投資した」感覚の方が強いという。現在30作品を共同保有している。

※NFT作品とは、改ざんできないデータでつくられたデジタル作品のこと。デジタル上で自分が保有していることを証明でき、売ったり買ったりできる。

■ジュースを飲むくらい気軽にアートを

「アートへの間口を広げる」ことを目標にこのサービスを立ち上げたのが、ストレイムアートアンドカルチャー・代表取締役の長崎幹広さん(45)。利用者はアートコレクターだけでなく、一般の人も多いという。

長崎さんは広告会社を経て、広告制作会社の立ち上げに参画。そのメンバーには現代アート作家がいたこともあり、アーティストの個展に足を運ぶようになった。購入した作品を家に飾り、それを見るたびに「頑張ろう」と奮起できる自分に出会えた。

アート作品には思いがけない価値があると感じたが、アーティストの大半はアーティスト活動だけでは生活できていないことも知った。多くのアーティストはギャラリーに所属して発表の機会を得るが、所属できるのは常識的には1ギャラリーでせいぜい10人程度。

「歴史に名を残すアーティストがいるかもしれないのに、活躍できるのは一握り。彼らが活躍できるプラットフォームを作れないかと思った」

理想としたのは「ジュースを飲むくらい気軽にアートに触れられる」世界。だが、なにせ作品は高額だから、お金持ちの世界でしか流通されない。「ならば、”持ち合い”の思想をアートにも応用できないか?」と考えたのがストレイムだ。サービスをスタートさせてまだ2年だが、扱いは約50作品、作品の時価総額は1億円を超える。

■大化けする可能性にワクワク

作品を共同保有しても、自分の家に飾ることはできない。冒頭の黒田さんも、ストレイムが行った作品の展示会に行き「展示会場で観た」程度だという。保有する作品には含み益もあるが、当面売るつもりはないという。なぜだろう?

お金持ちしか知らない世界を覗くことができたことも、理由のひとつ。共同保有したことで、アーティストに興味が出たことも大きい。だが、なんといっても「大化けする可能性」にワクワクするのだという。

企業の株ももっているが、黒田さんは日々、その変動が気になってしょうがない。もちろん共同オーナー権の価格にも上がり下がりはあるが、今後名も無いアーティストが世界に羽ばたくなど、大化けする可能性を考えると「なんだか期待しかない」のだという。

作品を共同保有しても、急に人生が変わるわけではない。目の前には変わらず日々の仕事があり、家族の生活を支える義務もある。でも、黒田さんはこう言う。

「アート作品を通じて、大きな夢を見たいんです」

(監修/高橋紀成、文/メディアプロデュース部)

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