東大クイズ王・伊沢拓司さんから受験生へ 「不安を紙に書いて。感情を遠くに置くと楽になる」

東大クイズ王・伊沢拓司さんから受験生へ 「不安を紙に書いて。感情を遠くに置くと楽になる」

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  • 更新日:2021/01/13
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東大クイズ王の伊沢拓司さん。大学受験生へエールを送る(撮影/写真部・掛祥葉子)

新型コロナウイルス感染が急拡大するなか、はじめて実施される大学入学共通テストが今週末に迫る。大舞台を前に、不安を抱える受験生たちが不安を解消し、本番で十二分に実力を発揮するには、どうしたらよいか。現役で東大に合格し、クイズ王として大活躍する伊沢拓司さんが、エールを送る。

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*  *  *

――今年は、初の大学入学共通テストになりますね。

初めての大学入学共通テストについては、誰もが経験したことがないことなので、ある程度、不安を感じるのは仕方ないですよね。この不安を無理に解消しようとして、時間を使いすぎないようにしてください。

新しいテストであるというのは全員にとって平等です。また出題者側も「受験生はまだあまりわかっていないだろうな」と思って問題をつくっているので、そこまでクセのある問題は出ない可能性が高いというところに考えが及ぶと、少しは安心できると思います。学習指導要領自体は大きく変わっていないので、それに基づいて、ちょっと違う傾向のテストがつくられるということになるので、やはり「基礎に立ち返る」ということが、不安を解消してくれると思います。

――コロナ禍が重なったことについてはどうでしょうか?

こればっかりは、全員に平等とはいえないですよね。日本全国ある程度、同じ状況にはあるけれど、やはり緊急事態宣言の対象地域などはその影響を受けるリスクが高い。自分自身がコロナに感染してしまう、周囲でクラスターが発生するということもあって、地域差や運の要素が大きいと言わざるを得ません。ただ、受験において地域差というのはもともとあるものだし、コロナに限らず「今年はインフルエンザの感染率が高いですね」という場合と構造は同じだと思います。規模が大きすぎて、影響が出ない部分にも出てきてしまっているというのがつらいところですが。

そうした運の要素を薄めてくれるのが、努力だと思います。勉強量をこなせば点数は高めで安定してくるし、同じくらい運が悪かったとしても、努力していない時に比べたら高い点数が取れるでしょう。もちろん、病気で寝込んでしまったらそうも言えませんが。

誰も経験したことがない状況で、不安を抱えることはしょうがない。努力できる環境かどうか、というのも人によって違うので、僕が言うほど簡単な話ではないかもしれません。 ただ、不安を感じる自分に対して落ち込んだり、無力感を感じて何もできなかったりするのはもったいないです。不安であっても、勉強を進めることはできますから。効率は落ちるかもしれませんが、やらないよりはましです 。

――伊沢さん自身は大学受験で、どのように不安を乗り越え、実力を発揮してきましたか?

僕自身も、自分では不安だと思っていなかったんですけど、センター入試の1週間前くらいからめちゃくちゃ心臓が痛くなって、これはどうしたことかと。それで、ネットで調べて自己判断したんですね。この行為自体は決してまねしてはいけない、良くない判断ではあるんですが。その結果、心臓神経症というものじゃないかと思ったんです。心臓神経症って、自分が心臓病なんじゃないかと疑っている人がかかるもので、特に何か心臓に悪いところがあるわけではないのに、不安で心臓が痛くなっちゃう。本当にそうだったのかはわからないですけどね。でも、それがわかったときに、スッと楽になったんです。「あぁ、俺は不安だったんだ」って。気づいていなかった自分のなかの不安を、客観視できたことが大きかったんだなと 思います。実は平気そうにしている人でも、どこか 見えないところで不安を感じているかもしれない んですよね。それが、顔に出るかでは出ないかは人によりますが 、不安であるということそのものに対してショックを受けたり、ビビったりする必要はないなと思っています。

――自分が不安だとわかった上で、それでも不安が消えないという人はどうしたらよいでしょう?

不安を解消する方法って2種類あって、今見ているものを捉え直したり考え直したりするか、新しいポジティブな結果を手に入れるかのどちらかだと思うんです。ただ、後者を手に入れようとして、今までやってこなかった新しい問題を解いちゃったりして、点数が低かったらもっと凹みますからね。うまくいけば効果はあるけど、かなりリスクがあります。だから今の不安を分析して、捉え直す方が安全だし建設的かなと思っています。たとえば、自分の今の感情や、何に不安を感じているかを紙に書き出してみる。そんなやり方で、自分の感情をちょっと遠くに置いてみると、不安を受け入れることができて、心が楽になると思います。

◯いざわ・たくし/QuizKnock編集長、株式会社QuizKnock CEO。2016年10月にQuizKnockを立ち上げ、19年に会社化。WEBの編集やYouTubeへの出演のほか、テレビ出演や執筆、講演登壇など活動の場を広げている。「高校生クイズ」2連覇、「東大王」優勝などの戦歴を誇るクイズ王。東京大学経済学部卒。

(構成/ジュニアエラ編集部 吉田美穂)

吉田美穂

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