「女性が活躍できない国という点で、韓国と日本は近い」コラムニスト・辛酸なめ子が語る話題の映画「82年生まれ、キム・ジヨン」

「女性が活躍できない国という点で、韓国と日本は近い」コラムニスト・辛酸なめ子が語る話題の映画「82年生まれ、キム・ジヨン」

  • TOKYO FM
  • 更新日:2020/10/24
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アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」。10月14日(水)の放送は、コラムニスト・辛酸なめ子さんがゲストに登場。韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」の紹介や、女性の生き方・生きづらさについて語ってくれました。

(左から)坂本美雨、辛酸なめ子さん

坂本:今日は辛酸なめ子さんと、女性の生き方・生きづらさについてお話できたらなと思っております。10月9日(金)に公開となりました韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」で、辛酸さんはこの作品にコメントを寄せられています。「女の人生の影の部分を、鉛筆デッサンのように繊細なタッチで描いた作品。影を書き込むことで社会の姿が浮き上がります。切なくて美しい映画に共感しながら見入ってしまいます」というコメントです。私にとっても、この作品は共感の嵐でした。

辛酸:女性がなかなか活躍できない国という点で、韓国と日本は近い部分があるのかな、と感じました。同じような悩みを抱えている方たちは、きっと感情移入ができる作品だと思います。

坂本:この映画は、結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われる主人公、キム・ジヨンが、ある日、別人に憑依するなどの異常な行動をとるようになるところから物語が始まるんですが……ジヨンのバックグラウンドを知っていく過程で、家庭や社会の中で彼女が受けていきた痛みや、女性としての生きづらさが浮き彫りになっていきます。

辛酸:知らない他人からの悪口よりも、身近な親戚からの言葉のほうがキツかったりしますよね。「子どもはまだなの?」とか。

坂本:「生まれてくる子は男の子がいいね」とかもありますよね。あるあるって思う場面が、この映画にはたくさん出てきます。辛酸さんが、特に共感したシーンをお聞かせいただけますか。

辛酸:バスで男性に追いかけられて、怖い思いをしたシーンがありましたよね。私も中高生時代は電車で通学をしていたのですが、よく痴漢に遭遇していたので当時の恐怖を思い出しました。あの頃は「自分が短いスカートを履いていたからなのか?」と思っていましたね。

坂本:痴漢は何十年もなくならない犯罪じゃないですか。被害を訴えることができる女性ばかりじゃないし、辛酸さんのように、自身を責めてしまうような社会の空気感がすごく大きいと思います。最近になって「#MeToo」運動のように「それはおかしい」と、やっと声を上げることができるようになってきましたよね。

辛酸:そうですね。私、何年か前に取材で占いに行ったんですよ。そこでお爺さんの占い師から「子孫を作っていないから先祖が悲しんでいる。今すぐにでも外に出て、そこら辺にいる男性と子作りをしなさい」と言われたことがあったんです(笑)。

坂本:ええ!? 一体その人は何を言っているんでしょうか。

辛酸:ある程度の年齢の方って、幸せの価値観が偏っているんだなと感じましたね。「82年生まれ、キム・ジヨン」を観て、自分たちの世代から、そういった考え方を変えていかないといけないと思いました。

坂本:その通りですね。

(中略)

坂本:辛酸さんは「女子校育ち」(筑摩書房)や「女子の国はいつも内戦」((河出書房新社)といった、女性の生き方をテーマに多くの作品を発表されています。なぜ女性をテーマにしたものが多いのでしょうか?

辛酸:自分が女子校出身だからか、男性の気持ちがあまりわからなくて。なので、自然と女性についての本が多くなりましたね。

坂本:「女性はこうあるべき」という重圧は、学校や家庭のなかにありましたか?

辛酸:両親が教師で厳しかったので、性的な情報を全部禁じられていました。たとえば、テレビドラマでラブシーンがはじまると、両親が席を立ってテレビの前に立ちふさがるんですよ。シーンが終わるまで、ずっと立ったままです。

坂本:かえって気になるじゃないですか(笑)。

辛酸:そうなんですよ。それで性に対する罪悪感が刷り込まれたと思いますね。そういった経験があるから、男性を遠ざけてしまっていた節があります。高校生ぐらいまでは「男性は性欲が強いんだ」という偏見を持っていました。週刊誌で性的なものが記載されている箇所があったら、ホッチキスで止められていたりもしましたね。

坂本:だから、逆に気になるってば(笑)。けっこう不器用なご両親なんですかね。

辛酸:そうですね。真面目過ぎるのかもしれません。

坂本:辛酸さんは、11月9日(月)に新刊「女子校礼讃」(中央公論新社)という書籍を発売されます。女子校に通ってよかったなという気持ちはありますか?

辛酸:そうですね。異性の目を気にしなくてもいい時期があったのは、精神的に開放されたような気持ちになりました。坂本さんは共学ですか?

坂本:はい。アメリカのニューヨークの高校に通っていました。

辛酸:憧れちゃいますね。プロム(学年最後の年に開かれるダンスパーティ)はありましたか?

坂本:ありましたよ! だけど、私にとって最悪な思い出です(笑)。

辛酸:プロムって、家まで車が迎えに来るんでしたっけ?

坂本:私はひねくれていたので行くつもりはなかったのですが、最後の最後に意を決して、車に乗りました。そんなに仲よくもない日本人のグループと一緒だったのですが、特に踊ることもなく。親友の女の子と一緒に、途中で帰ってきちゃいました(笑)。

辛酸:へええ! 必ずしもカップルで盛り上がるものってわけでもないんですね。

韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」は、 10月9日(金)から新宿ピカデリーほか全国公開中。日本でも社会現象を巻き起こした原作書籍は韓国で130万部を突破。実力俳優が描き出すリアルな家族関係にも注目です。詳しくは公式サイトまで。

10月19日(月)のゲストは、ISSAさんです。毎回、多彩なゲストとの楽しいトークや素敵な音楽をお届けします。お楽しみに!

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聴取期限 2020年10月22日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週月~木曜11:00~11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/dear/

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