EUがネットの政治広告規制法案 個人データ利用を一部禁止

EUがネットの政治広告規制法案 個人データ利用を一部禁止

  • 毎日新聞
  • 更新日:2021/11/26
No image

ブリュッセルの欧州委員会本部ビル=八田浩輔撮影

欧州連合(EU)の行政執行機関にあたる欧州委員会は25日、インターネット上の政治広告を巡る規制法案を発表した。大手IT企業などに広告手法やスポンサーに関する情報開示を義務付けるほか、個人データによって広告を受け取る相手を絞り込む「マイクロターゲティング」について、プライバシー面で特に保護が求められるデータの利用を禁止する。世論誘導や偽情報拡散への悪用が指摘されるネットの政治広告の透明性を高めるのが狙いだ。

著名日本研究者、なぜ「陰謀論」を唱え始めた

欧州委は、2024年の欧州議会選までの施行を目指しており、今後、欧州議会やEU加盟各国が審議を進める。

規制対象は、米フェイスブック(FB、メタに社名変更)やグーグルといったネット交流サービス(SNS)などを運営するIT企業やメディア、広告代理店など。政治広告のスポンサーや支払われた広告料などを明示するよう義務付けるほか、どのように広告を受け取る対象を絞り込んだり、ネット上に拡散させたりしているかの手法についても情報開示を求める。政治信条や宗教、人種、性的指向などといった特定の個人データを利用した配信対象の絞り込みは禁止する。違反した企業には罰金が科せられる。

欧州委のヨウロバー副委員長(価値・透明性担当)は記者会見で「政治的なデジタル広告では、汚れて不透明な手法によるチェックの及ばない競争が行われている。法案が成立すれば、人々はなぜ広告を見ているのか、誰がスポンサーなのか、ターゲティングにどのような個人データが使われたのかを知ることができる」と語った。

ネット上の政治広告はネットサービスなどで収集した有権者の個人データを利用し、それぞれの関心や好みを合わせて対象を絞るため、投票行動を操作しやすいと指摘される。不正確な情報を含んだ政治広告で対立陣営を攻撃する方法も問題視され、民主主義への悪影響を懸念する声が強まっている。

企業側も批判を受けて自主規制を進めており、ツイッターは19年11月に政治広告の掲載を中止。グーグルやFBも政治広告の一部を制限するなど、運用の見直しを始めている。【ブリュッセル岩佐淳士】

毎日新聞

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加