バイデン大統領の対中政策は心配なし? 政治系YouTuberが軽やかに明るく斬る

バイデン大統領の対中政策は心配なし? 政治系YouTuberが軽やかに明るく斬る

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/05/01

チャンネル登録者数は70万人を超える、人気政治系ユーチューバーのKAZUYA。政治的スタンスは「ライトなライト」(軽い右寄り)を自認する。日本の未来に光をともすべく、難解な政治ニュースや社会問題を軽やかに、明るく、面白く斬る!

◆日米会談から見えてきた対中政策の杞憂と国際政治劇場の滑稽さ

No image

写真/時事通信社

いかに平和がどうこうと言ったところで、国際社会は経済力と軍事力を持つ国が発言権を持ちます。小国の正論より大国の意向が優先されるのが常ですし、力を持たない国はモブキャラのようなものです。決して“国際政治劇場”の主役になることはありません。

本来、北朝鮮のような国は、国際政治劇場ではキャスティングすらされないような国です。しかし北朝鮮は「核」という強力な出演の切符をちらつかせることで主演級の大国にも一目置かれる存在になりました。本質的な部分でいうと、なぜすでに核兵器を持っている国はよくて、新たに持とうとする国はダメなのかという話です。

核兵器は桁違いのパワーを持つため、すでに持っている国からすると自国優位の体制が崩れかねないから警戒せざるを得ません。まぁ核兵器を持っていない日本からすると、核兵器のような物騒なものが近隣の独裁国家にあると考えると恐ろしいことですから、単純にやめてくれよという話です。

◆対決姿勢を示す米国。日本の協力が不可欠

現在主役級の俳優たちは、今後自分を脅かすような俳優を嫌います。ナンバーワンは常にナンバーワンでないと気が済まないのです。だから2番手をつぶしにかかります。ナンバーワンは発言力が大きいものですから、一定程度の国はそこを目指して自らに有利な国際政治劇場の体制を目指すのです。

そう考えると現在の米中衝突は必然と言えるでしょう。大国はパワーをすでに持っているのに、さらなるパワーを求め続けるものです。中国は近年目覚ましい経済成長を遂げ、年々軍事力も強化してきました。そして己の力を過信し始めたのか、増長し続けています。そんな中国に対してようやく米国も重い腰を上げて、対決姿勢を示しています。

ある意味、米国は中国をナメていました。というより「こうなったらいいな」という希望的観測を元に温かい目で中国を見ていたのです。それは経済が発展したら、中国も民主化するのではないかという期待です。しかし現実はまったく民主化するどころか、統制は強まるばかりです。香港は完全に取り込まれてしまいましたし、台湾も危ない状況です。

米国は敵が多い国ですから、中国だけにかかりきりにもなれません。ロシアもいるし、中東の動きにも目を向ける必要があります。こういう状況下において、いかに自陣営の戦力を固めておくかは重要でしょう。そこで日本です。

日本もかつてチャレンジャーとして、国際政治劇場で主役級の立場にいましたが、米国を中心とする連合国に叩きつぶされ、敗戦後は米国に懐柔されて独立国だけど軍事力を実質的に取り上げられた属国的な立ち位置になってしまいました。しかし米国もかつてに比べると力に衰えが見えますし、増長し続ける中国に一国であたることもできないからこそ、日本の協力は不可欠なのです。

◆バイデン大統領の対中政策は心配なし?

No image

Photo/Palinchak | Dreamstime.com

4月17日(日本時間)に行われた日米首脳会談は中国に対する明確なメッセージとなるでしょう。バイデン大統領就任以降、初の対面での首脳会談ですし、共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたのも大きいです。

日米の協力の確認、さらに台湾情勢を注視する姿勢を声明で残したのは、中国からするとプレッシャーになります。「バイデン大統領は対中関係で弱いんじゃないか」と就任前に心配されていましたが、完全に杞憂でした。

日米の協力はもちろん、インド、オーストラリア、さらにイギリスなども巻き込み民主主義国の連携も不可欠でしょう。中国からすると、こういった連携こそ脅威です。

ここで注意すべきは米国も最終的には他国であるということです。日米同盟、日米豪印のクアッドの重要性は高いですが、依存するのではなく日本自身も強くならねばなりません。日米同盟を基軸にしつつ、日本も中国を意識した防衛体制の強化を図るべきです。

◆日米会談から見えてきた、国際政治劇場の滑稽さ

日本の場合、国防は米国頼りなところがあります。今回の首脳会談でも尖閣諸島への日米安保条約5条の適用を再確認していますが、本来は自国の領土は自国で守りたいもの。しかしあらゆる制約によって現状では難しいので、米軍に頼らざるを得ない状況です。実に情けないですが、これが現実です。

日本からすると、中国につく選択肢はありません。米国と中国、どちらが主導する国際社会がいいかと問われたら、多くの日本人は「米国」と答えるでしょう。自由・民主主義の価値観こそ大切なものですし、中国にはそれがありません。言論の自由も曖昧ですし、抵抗しようものなら香港で見られたような抑え込みが待っています。そんな国が国際社会の主導的立場では困るのです。

それにしても日本や米国のような国が中国を徹底的に支援し工場を造り、技術移転してしまったからこそ中国が驚異的な経済成長をしたわけですし、結果的に脅威を自分たちで育てて困っているという滑稽な状況でもあります。

長いスパンで考えると、中国と国交を結んだ’70年代はソ連が最大の脅威でしたし、そこをつぶすための戦略だったのですが、今度は支援した中国が脅威となり……国際政治劇場は落ち着くことなく、今後も危険で滑稽な作品を上映し続けるでしょう。

◆今週の一言

日本や米国が支援したからこそ中国は驚異的成長を遂げた。自分たちで脅威を育ててしまった

<文/KAZUYA>

―[ライトなライト論]―

【KAZUYA】

動画配信者、作家。1988年、北海道帯広市生まれ。2012年より、YouTubeとニコニコ動画にて「KAZUYACHANNEL」を開設し、政治や歴史、社会問題などのニュースをほぼ毎日配信する。YouTubeのチャンネル登録者数は70万人超、ツイッターのフォロワーは11万人超。『日本人が知っておくべき「戦争」の話』など著書多数

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加